見出し画像

そのぶくぶくうがい、大丈夫? ③


【1口量がわからないと何が問題なの?】

口から全身の健康を考える小児歯科医 Sawako です。

『そのぶくぶくうがい、大丈夫? ①』で、「自分の頬張れる1口量がわかっていない場合、〜(中略)〜「くちゃくちゃ食べ」につながることがあります」と書きました。

1口量を身につけるのは、離乳食の時期です。
1歳〜2歳頃の「手づかみ食べ」の時期に、前歯で物を噛み切る「齧り取り」を通行うことで、自分にとっての「1口量」が感覚としてわかるようになります。

うがいができる年齢=3歳以降になっても自分の1口量が感覚として身についていないということは、離乳食の時期に、感覚が十分に養われなかったということを表します。

適切に噛むことができないと、噛む力や歯根膜(歯の根と歯を支える骨の間結ぶ糸)の感覚が育たない、舌の複雑な動きが育たないことにつながり、歯並びや咬み合わせ、滑舌に影響することがあります。

子どものうちはリカバリーできる部分もありますが、大人になってからはリカバリーが難しくなります。
お子様が、ぶくぶくうがいの時に口一杯に水を頬張ってしまう場合には、普段の食事の時に1口量が調節できているか? 口一杯に頬張っていないか? 少し大きめの物を「小さくして」「切って」と訴えてこないか?  をよく観察して頂ければと思います。

【上手にぶくぶくうがいができるようになるには、どうすればいいの?】

《小学生以下のお子様の場合》

「ぶくぶくうがい」を1つ1つのステップに分解して、どこまでできるか、お子様の様子を確認して頂ければと思います。
口の機能は順を追って発育していきます。できていないステップに戻って、練習をすると良いと思います。

まず、大人がお手本を見せましょう。

ステップ1  口に水を含んですぐ飲み込む
ステップ2  口に水を含んで、数秒間溜めてからから飲み込む
ステップ3  口に水を含み、飲んでから、「べー」と言いながら吐き出すまねをする
ステップ4  口に水を含み、数秒間溜めてから「べー」と言いながら吐き出す
ステップ5  口に水を含み、唇をしっかり閉めて、両頬を同時に動かしてから吐き出す
ステップ6  口に水を含み、唇をしっかり閉めて、左右の頬を交互に動かしてから吐き出す

ステップ2・4では、大人が「1、2、3、ごっくん」「1、2、3、ベー」と声をかけて、タイミングを覚えさせると良いと思います。

ステップ5・6では、頬を動かしている時に、お口から水が漏れていないかも確認しましょう。
「ぶくぶく」している間に水が漏れる場合は、お口の周りの筋肉を鍛えるエクササイズも行うと良いと思います。

口に水を含むと「ぶくぶく」が上手くできない場合は、空気を含んだ状態で「ぶくぶく」の動かし方を練習してから水を含んで練習するようにすると良いと思います。

上手くできるようになるまで、周りや洋服が濡れる可能性がありますので、濡れても良い場所・服装で行うようにしましょう。

長くなるので、次回に続きます。

#小児歯科 #0歳からの口腔育成  #人生最後の日まで使える口の土台作り  #三つ子の魂百まで  #食育息育足育  #口は命の入口  #口から考える全身の健康 #はみ出し歯医者のこしょこしょ話


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?