覚書。

敵がいるわけじゃないのだ。

戦う相手がいれば、それを打倒すればいいという話になるけれど、多くの場合の現実と同じく、そんなものはいない。

何かを倒して、誰かに勝って、それで劇的に世界が変わるなんてのは、ゲームやスポーツの中だけの話であって、現実では、そんなわかりやすいことは起きない。

僕が、僕達が向かい合わなくてはならないのは、理不尽とか、不条理とか、そういうものでさえなく、多くの場合、ただの現実である。

リアリティこそが敵で、戦う相手だ。

そして、そんなものに勝てる奴はいない。

歴史上、ひとりだっていなかった。

誰もが現実の前では討ち死にだ。

生きることは負け戦なのだ。

なるようになるし、なるようにしかならない。
少なくとも他人が口を挟んで良いことではない。

傾物語より。
阿良々木暦と斧乃木余接との会話のシーン中。

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