品質とは?

SAP導入のような仕事では、当然のことながら高い品質のシステムが求められます。

私の専門分野のアドオン開発においてはなおさらです。

ただ、いざ、品質とは何かと考えると単純にバグ(不具合)がないことと考えてしまっているエンジニアも多い気がします。

改めて品質について整理したいと思います。

品質の定義について、いくつかの専門書などから引用します。

実現しようとしている(開発しようとしている)システムがどれだけユーザの要求(要件)しているシステムに近づいているかの近似度である

ちょっと分かりにくい文章ですが、要するにお客さんの要件を実現すればするほど高い品質と言うことになるかと思います。

したがって、バグがなくても要件を確実に取り込むことができていないシステムは品質が低いことになります。

また、お客さんが多少課題が残っていても兎に角、速くシステム稼働したいと言っているのに長々とテストをしてバグ潰しをして場合これも品質が高いとは言えないです。

製品またはサービスが明示または暗黙のニーズを満たす能力として有している特徴および特性の全体

これはISOの定義ですが、ここでもニーズ(=お客さんが求めていること)と言う言葉が出てきます。また、「暗黙のニーズ」と言う言葉にも注目したいと思います。

システム導入するにあたり、暗黙のニーズをいかにお客様から聞き出し具体化することも品質向上のための大切な作業と言えるでしょう。

続いて、ワインバーグの定義です。

品質は誰かにとっての価値である。つまり、品質には相対性(立場によって重視することが異なる)がある

例)

・ソフトウェアを1日8時間利用するユーザにとっては使い勝手のよさ

・故障のたびに批判されるシステム管理者にとってはゼロ故障が品質

・厳しい予算の制約下にあるプロジェクト管理者にとってもは開発費

これは中々悩ましい定義です。SAP導入でもこのようなジレンマを抱えることは多いのではないかと思います。例えば、マネジメントレベルが求めている要求事項と使う現場が求めていることのギャップはよくあると思います。

このような対立する定義に対しては、プロジェクトの計画段階で品質の方向性を定義して、合意形成をする必要があるでしょう。


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