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思えば遠くにBE KOBE ー『神戸かわさき造船所これくしょん7』参加録

コロナ禍の中、毎月当たり前のように開催されていた同人イベントが軒並み中止となってる中で、久しぶりの同人誌イベントであり、一年前にも行ったことのある『神戸かわさき造船所これくしょん7』に行ってきました。

お金の節約とNetflixで「水どう」のサイコロの旅を1~6まで見ちゃったので初めて深夜バスで東京~神戸まで移動してイベント当日朝に現地に着く感じで移動してみましたが、まあ噂通り深夜バスの中では妙に目が冴えるし、揺れるし、寝られない。

カーテン締め切ってある周りを気にしながらとりあえず4時ごろ思い出したようにDAZNでリヨン対マンチェスターシティを見始めたらこれがお互い一歩も引かず高い強度でどつきあう好勝負。

特にシティーのスターリングが解説の戸田さんが叫ぶ程の超決定機外した後、リヨンに立て続けに失点してまさかの格下リヨン(リヨンに失礼だけど金の掛け方がちがうからこういう書き方しちゃう)にジャイアントキリング食らって、マンチェスターシティがCL敗退する様子をまさか深夜バスの中で見る事になるとは思わず、そういえば前回の神戸も空港までのバスの中でリヴァプール対トッテナムの決勝戦みたなあと思い、これでプレミアリーグ勢が全チーム敗退となったので、決勝に2チーム進んだ後、ベスト4にも残れないなんてたった一年でここまで情勢変わるのかと急にバスの中で興奮し始めて、Twitterで呟いてた奈良クラブの監督の林舞輝さんにクソリプに近い質問を飛ばしちゃうくらい興奮して、気がついたら三ノ宮の商店街前に着いたのがイベント当日の朝でした。

バスはなんだかよくわからない場所(商店街・アーケード街の手前?)に降ろされて、駅の入り口を2回ぐらい間違えてから会場に向かう新交通システム、ゆりかもめみたいなヤツであるポートライナーに乗って会場までなんとか着いたのですが、まだ早かったとので近くのローソンに逃げ込んだところ、店内放送で「薄雲」の店内アナウンスが流れてなんだかテンションが上がった。(店員のおばちゃんが今日なんかあるの?って他の人に聞いてたのが印象的だった)

会場に着くとコロナ禍でのある意味厳戒態勢下、自衛隊も会場に来ているという状態での(勧誘広報活動だけどね、去年も来てた気がします)開催で、

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三分の一くらいのサークルさんが参加を見合わせる中で開催されてどうなるんだろうと思ってたのですが、サークル・一般参加者もそれなりに多く、真夏のクソ暑い中で方々からたくさんの参加者が集まっていました​​。
体感去年よりはちょっと少ないくらいのよくある都内のオンリーイベントの規模間だったような気がします。
イベント前の主催者挨拶放送で「本当に皆さんに会えてよかった」っと開催直前までの出来るのかどうか分からない状況下でなんとか開催にこぎ着けた苦労が忍ばれる挨拶で始まったのも印象的でした。

始まって当然参加者もマスク着用、つけてなかったり暑くて蒸れてちょっと外してても「付けてくださいね〜」と優しく運営側に注意されたりする状況でした。

その中でも参加されていたサークル参加の方々は色々なコロナ対策をしていて、机上に支えを作ってビニールシート貼ったり、その奥で飛沫防止のため本を置かずに表紙のコピーを並べてジェスチャーで買物指示したり、ホワイトボードで筆談したり、色々な工夫をしてました。

一番面白かったのは夢妙堂さんのお金(コイン)を投入するとダンボールの中を転がってシートの向うへ届くという、一夜にて作られた堅牢な城壁!
結われるがままお金を真ん中の箱の中に落として、転がって机の向こう側に到着して本を渡される仕組みがなんだか「できるかな」みたいで凄く面白かったですね。

そんな感じでサークルの皆さんが慣れないコロナ対策に試行錯誤されていて

「ぼくのかんがえたさいきょうのころなたいさくすぺーす」

みたいで最初は開場前ともかくどうすんだろうって不安だったんですが、なんだかスペース回ってるウチに工作大会見てるみたいでめちゃくちゃ面白かったです。
流石ゲームの地獄のイベント最中(本当に破砕ギミックとか3ゲージとか精神削る縦深攻撃は勘弁してつかあさい)でも、原稿を書き本を仕上げる人達はポジティブハートのレベルが違うと感じました。

そんな会場の空気に触れて2月以来の本当に久しぶりのイベントで、たくさん人が集まると人間それだけで興奮して来るんだなあと、この高揚感がイベントの醍醐味なのかなあと会場の空気をマスク越しに吸いながら久しぶりのイベントを楽しみました。

本当にサークル活動される方々の努力に頭が下がる想いでしたが、サークルスペース出す側としては作品だけでなく考えることも増えるので、やっぱり今イベントやるのはとても負担も大きい大変なんだなあというのが会場に居て感じました。参加したかった方の判断も間違えじゃ無いし、楽しみにしてた方も多かったと思うと本当にやるせない感じと、しょうがない無いという諦めしか浮かびません。

もしかしたら何度かやればこのコロナ対策は慣れかも知れませんが、こういった対応がスタンダードになるかというとどうなんでしょうか?
コミケ規模でコレだけの準備をするのはちょっと考えても大変だし、それこそただでさえ殺伐としてる人気があるサークルの前でこういう対策をしながら頒布する事がスムーズに行くか、トラブルに繋がるんじゃないかなあと自分のような素人が思うのですから開催側は神経質になりますね。

心配するならやらなきゃ良いじゃんというリスク回避がもちろん一番被害がないのでしょうが、やはり会場で色々な人の本が一気に見れるというのは「同人誌を手に入れる」っという目的だけでなく、なんとなく自分が好きな作品・ジャンルの好き人同士で集まってる一体感が感じられる、話し込むとかそういうことは会場で、ましてやサークル参加者と一般参加者ができるかっていうと迷惑になってしまうことがあるけど、ほんの少し「前回の本面白かったです」って感謝の言葉一つ言えるだけでもなんだか楽しいのですが、そういうところがデジタルだとどうしても気軽に出来ない気がするし、自分みたいなおっさんには面倒くさいと感じてしまうので、なかなか今のようなSNSで直接感想を送り合える状況には馴染めないというか、距離感掴みかねているのですが、他の人はそんなこと気にしないのかなあとも、スペースを回りながらふと考えました。

ちょうど熱に浮かされながらずっと続いていた同人誌即売会というスタイルがコロナの影響で変わって行くのか、それとも新しい形態を生んでいくのでしょうか?

なんとなく当たり前だと思っていたものが少しづつ変化し始めた今、もう一度同人誌のイベントってどうなっていくんだろうかと、遠く行き着いた神戸の港で雲一つ無い炎天下の家族連れ、カップル、観光客達の中で一人で考えてみました。


まあそんなの自分に分かる訳ねえなあと結論をさっさと出して、帰りは絶対新幹線で帰ろうとリュックいっぱいの本を抱えて、深夜バスより飛行機と新幹線の方が速くて快適で最高でした。

っと、我慢できずにリュックから本を取り出して本を読み始めました、新幹線は最高に便利で本も読めるし8月のお盆休み中なのにびっくりするくらい空いてて周りを気にせず本が読めましたね。

手に取った本の中でいくつかオススメすると

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まどさんランチ/mado 
『海の子らよ。』+コピー本
暗いトーンの表紙が素敵な伊14と伊13が取り残された街で暮らす姿が描かれて居るのですが、そこに物騒な刺客が・・・って感じなのですが、ちょっとダークな世界観が素敵。コピー本の龍驤も激カワで最高でした。


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充電機関/非労働英雄・月極
『遠いようで近いようで』

小説本ですが挿絵や漫画が合間に挟まって文章とのバランスが良くて小説本あまり買わないのですが、この本はすんなり読めて、独特の「地方密着最前線の悲喜交々」感がとても最高でした。


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茶凛乎/ ワクワク
『艦娘まんじゅう』
神戸のお土産にちょうど良い、フルカラーで由良・夕立・夕張・五月雨・大井・北上の魅力が詰まった銘菓な本。おもわず「艦娘まんじゅう怖い」っと言いながら何度も読んじゃうくらい最高でした。

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10時半/Jura Cambri
『The Fighiting I』

INTREPIDさんの艤装解説本ですが、内容もエセックス級のトップヘビー気味に無いよう盛りだくさんなっコピー本。艤装の描写も素敵だし、各年代事の航空隊の航空機の紹介イラストなんか緻密かつプロペラ回ってる描写があったり最高でした。


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塩と灰/太平はち
『浸食』

潮風に晒されて「錆びていく」艦娘達を描いた短編集。
表紙の朧、赤城、陸奥、萩風が錆び付いた身体を隠しながら過ごす姿が痛々しくも凜々しくてとても高潔な感じがするのが素敵、一緒に付けて頂いた短冊も素敵で最高でした。


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ガビと戦う/はぎおし
『孤薄』
表紙の荒潮のラスボス感に惹かれて手に取ったのですが、とっても荒潮が荒潮っぽくてよかったのと、満潮のテンパってる感じも満潮っぽくて最高でした。


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さつみんぐ!/さつみ
『榛名の指に絆創膏貼るだけ』
榛名の指に絆創膏貼るだけの話ですがそれが最高。
あとがきにも記載がありましたが、金剛型の腋が随所に溢れていて最高。
でもとかやっぱりとか嫌いですが、でもやっぱり奥ゆかしい健気な榛名で最高でした。


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離陸点/夏見こま
『妹トーク』
神戸生まれでどちらかというと「根性」のある熊野と、妙高型らしく根性のある羽黒の珍しい組み合わせの四姉妹の末っ子同士の会話劇ですが、熊野の表情がコロコロと変わってそれを羽黒と共に面白いと感じる事ができて最高でした。


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いすず川ほとり営業所/rimiera
『水底に夕星を浮かべて』

海を怖がる伊26が周りの潜水艦娘達との交流を経て、宵闇の世界のなかで希望の明星を見つける話、伊26の悩み傷つく痛々しい姿や他の潜水艦娘達の個性も描かれていて、とても一本筋が通ったお話で最高でした。


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つきのゆき/竜
『よたかのゆめ』

知り合いが読みながら「見開きの使い方大胆ですね」と言うので、改めて読みながら確かに大胆だなあと(率直な感想)。艦娘になる前の第七戦隊を前に自ら道を示すように艦載機を放つ神鷹の姿が気高くとても最高でした。


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RGRAYT/miyako
『神戸艦娘夏COLLECTION』
神戸・夏・おしゃれ・艦娘とストレートに夏の陽光の下でおしゃれなオフショットの艦娘達が怒濤の勢いで紙面を埋め尽くすカラーイラスト集、手に取って1ページ目のなんだか楽しそうに柱の陰から顔を出すノースリーブ襟付きブラウスの熊野が最高だけど、他の艦娘も最高でした。


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コンペイトウ工房/しゃけみ
『なつのおもいで』

神戸艦娘達の夏の私服姿が鮮やかに、夏らしい爽やかな表紙が素敵。
キャラクター達様々な私服姿の全身がページを彩っていてファッション・ショーを眺めてる様な感じで最高でした。


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夢妙堂/にゃかあき
さかのうえの まちあかり

エッエロい。


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木綿シリコン/川科
『海の方から来ました。』

黒い!

以上、

他にもたくさん素晴らしい本があったのですが、キリがないのでこのへんまでで・・・アレとかソレとか良い本たくさんありましたね・・・神戸かわさき造船所これくしょん最高!

グダグダと考えてても、やっぱり同人誌を読むって同好の士と会話してるようで楽しいんですよね。

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願わくばまたイベントが楽しく気負うこと無く開催されることを願って。



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