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艦隊これくしょん同人誌備忘録 その49

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タイトル:simple spring
サークル: 無い袖プラント
作者: 畑中
発行日:2018年12月30日

素晴らしリラックスした表紙から漂うステキな赤加賀感が最高ですが、本文も最高。

本書では基本カラーが青の加賀さんが赤城さんとのこれからを思い浮かべてマリッジブルーになる話なのですが、そういうことには敏感な一航戦の慢心する方が手配したのは二人の絆、一航戦の誇りを確かめ合う為に忙しい時期(イベント海域かしら?)に有休申請を出して平日に温泉旅行へと同航戦するのですが、一航戦の二人がこれでもかと言わんばかりに美味しい食事に素敵な温泉を満喫する姿はまさに「一航戦のほっこり」無の境地に達した戦闘マシーン赤城と感情の塊みたいな戦闘マシーンの加賀さんの二人だけの世界は誰にも邪魔できない、そして赤城の用意した宿の寝室には布団が一組だけ敷かれていた……

んな感じで本文はとっても力強い筆圧で一航戦のオフショットが特濃で描かれて素晴らしいのですが、本書をさらに満艦飾で完璧にしているのがあとがきの文章。


上記の妄想というかシュミレーションは全てカレンダーのイラストで二航戦宛てに赤城加賀が連名で年賀状出してるのが確認できたので「じゃあ同棲してるね」というシャーロック級(ベネディクト・カンバーバッチの方)の洞察力。

更に翌年のカレンダーの表紙が赤城の艤装のみだったので「これは赤城さんが艤装を脱いで引退して加賀さんと結婚したという事なのだよ」っという、スパコン並みの計算力(台風の進路をピタリと当てるみたいな)。

その結果導き出された結論が上記の物語なので、この作者様はどれだけのエモーション・エンジン(感情生成装置)を搭載してるのか、若輩の自分には想像できないのですが、凄すぎて驚いたのですが、更にあとがきは続いて、

本文より
「いずれ艦これにも終わりが来るのだと思います、それがゲームの終わりなのか、ジャンルとしての終わりなのか分かりませんが。いずれは。(中略)艦これが終わっても赤城さん加賀さんには二人で歩いて行って欲しいです」

っと、これはもはや一航戦に向けた恋文や!っと熱い文章が続き、いずれ自分がこういった趣味(ジャンルかも)から離れる事になったとして、この本を読み返してセンチな気分に浸りてぇと涙と握りこぶしの作者さんの独白が続きます。

自分はたくさんの艦これ同人誌のあとがきを読んできましたが、ここまで宝塚歌劇のフィナーレとかトップスターの引退興行みたいな、大階段で誰もが笑顔でそして涙のお別れするような文章を読んだ事がありません。

そうだね、いつだって艦これは、赤城さんと加賀さんは僕たちの心の中に・・・その時々の妄想を都合の良いほうで考えて行ければ良いんですね、それこそがSimpleSpringと言うことなんですね先生!

ありがとう艦これ!

ありがとう赤城さん、加賀さん!

どうか末長くお幸せに!

っと願わずにはいられない、豊潤なあとがき含めてほんと最高でした。


みたいな感想を6月の読書会で書いたのですが、改めて本書を読み直して、一航戦の二人が温泉宿で永遠の愛を誓ってる姿がミッドウェーの海底で「赤城」と「加賀」が 寄り添うように近くで見つかったと聞いて、本当に二人はずっと傍に居るんだなあと読み直して不意に感動してしまい、なんだかよかったなあって。
馬鹿野郎泣いてねえよ、心の蒸気タービンが回ってるだけだよ!


一冊で二度美味しかった 一航戦本でした。

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