懲戒免職審査請求について(3) 赴任旅費未支給事件の市の対応

登米市において令和2年6月、新規採用者の赴任旅費未支給事件という不祥事がありました。当方が指摘して、人事課に門前払いをされたため、こちらが弁護士まで立てたら手のひら返しで人事課は認めてきたという、言語道断の対応であったものです。
内容については以下に添付した「甲5号証」、当方が審査請求に提出した資料が詳しいです。

その中で市は「時効」という主張をしていますが、これを読んだ方はどう思うでしょうか?そもそも支払うという周知すら従来市はしておらず(支払うという認識がなかったのだから当然)、該当職員は通常は当該手当を受け取れるということすら知る余地がありませんでした。知らなかったことに過失が一切ない職員に「時効」というのは余りに酷い有様です。知らないうちに時が過ぎ去って、いざ支給されるのかなと該当職員が察知した時に「時効ね」と言われるということです。

誰しも「これは不当すぎる」と感じるでしょう。当方もそう思っていましたが、やはり「時効」というものはなんでもかんでも援用できるわけではないようです。
下に添付しました旧優生保護法の判決においても、「国は除斥期間(時効)が経過したから請求権の消滅を主張するが、これは権利の濫用である」旨の判断が下されています。

その通りです。時効というものを、損害を与えた側が無条件に援用できたならば被害者側はたまったものではありません。

補足として、損害賠償請求権自体は20年間の除斥期間がありますので、登米市の当該赴任旅費については、「5年で時効」の是非を争うこともなく請求できる余地があります。


河北新報


参考:旧優生保護法の最高裁判決


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