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Book Records

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読書記録~♪
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#本

あなたの人生を貫く要素はなんだろう。 読書記録#24

『LIFE SHIFT―100年時代の人生戦略』, リンダ・グラットン , アンドリュー・スコット, 2016  本書では、長寿化しているいま、人々がどのように働き、学び、生きていけばいいのかについて書かれている。本書の主張は、学ぶ、働く、引退するという3ステージの人生から、もっと多くの段階をもつマルチステージの人生へのシフトである。 ここで著者は、自分のアイデンティティや価値観を強く持つことが重要であると述べている。さまざまなキャリアを経験していく人生では、その人生を貫

経験から自分を引き離すことを学ぶ。読書記録#23

『モリー先生との火曜日』, ミッチ・アルボム, 2004 数年ぶりにこの本を手に取った。私の大好きな本のひとつなの~。 本書は、筋萎縮性側索硬化症に侵されたモリ―先生と、かつての教え子のミッチ・アルボム(著者)と最後の対話をしていく物語。 久しぶりに読んでみて、「経験から自分を引き離すことが大事」という部分が心に残った。え、経験を自分から引き離しちゃうの?ってびっくり。   モリ―先生はこの意味について説明していたよ。 「切り離すっていうのは、経験を自分の中にしみこ

価値って難しい。#読書記録22

『アリエリー教授の「行動経済学」入門-お金篇-』, ダン アリエリー , ジェフ クライスラー, 2018  本書で書かれている内容は主に、お金に関する選択や行動について。でも、お金以外の意思決定まで、人間の思考のあれこれに応用して考えられるなあと感じたよ。 セール価格は相対価値 びっくり衝撃!というよりは、たしかに~と納得することが多かった。  特に面白かったのは、相対性について。著者は、私たちがものの絶対価値を評価できないとき、比較を利用すると述べている。セール価格に

すべては紙一重。#読書記録21

『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』,  V.E.フランクル (著), 霜山 徳爾 (翻訳), 1985/1/23  昨夜9時ごろに読み始め、深夜1時に読み終える。読み切る予定じゃなかったのだけれど、まさに没頭して読んだ。  本書は、ドイツにおける強制収容所の解説と、フランクルによる体験記録が書かれている。  強制収容所の解説は、身体が想像するのを拒否するような内容ばかり。人間の残虐さを見せつけられた。湧いてきた気持ちは、批判や嫌悪よりも、人間の残虐性への恐怖。  

努力と謙虚さ。読書記録#17

『人間力』, 船井幸雄, 羽生善治, 2009  船井幸雄さんと羽生善治さんの対談がまとめられていました。羽生善治さんの言葉からは、将棋のプロとしての経験が感じられ、とても刺激になりました。いくつか心に残った文を書き残しておきます~。 心臓で考える  まずは、心臓(ハート)で考えることについて。羽生さんはこの概念が好きなそう。羽生さんは、対局のとき、頭で考えていると書きながらも、「ここぞというときの強さの秘訣は、やはりカンや心臓で考えることでしょう」と述べている。 将棋

ホリエモン。読書記録#16

  ホリエモンってこんなにあたたかい人だったのね、とびっくり。本書で綴られている言葉たちは、愛にあふれ、人々が歩む道を応援してくれるよう。ホリエモンは、内省と経験を重ねてこられたのだと感じる本だった。 『ゼロ――なにもない自分に小さなイチを足していく 』, 堀江貴文, 2013 変わりたいと願っている人へゼロの自分に、イチを足そう。  変わりたいと願っている人への、ホリエモンからのアドバイスである。  ホリエモンは、人が新しい一歩を踏み出す時、みんな等しくゼロにいて、「

決められないのはなぜ~。読書記録#15

あああ、決められない。悩むの疲れた。そんなときのヒントに。 『自分のアタマで考えよう』, ちきりん, 2011  あれこれ悩んで疲れて、結局選べない。そんなときは気分が落ち込むし、決められない自分に嫌気がさすし。。。  著者のちきりんは、決められないのは、選択肢の数の問題ではないと書いています。 決められないのは、「判断基準が多すぎるから」なんです。  なるほど~。自分の外側の問題ではなく、内側の考え方の問題だというんですね。  さらにちきりんは、「今、もっとも重要

夢は「バッタに食べられたい」。読書記録#14

「バッタに食べられたい」  この夢を追い続け、ひとりアフリカに渡った著者を待ち受けていたのはどのような日々だったのか。直面する数々の困難とは裏腹に、著者の言葉はとても軽快で、くすっと笑いながら読むことができた。夢を追い続けた著者の姿勢には、感服するばかりだった。 『バッタを倒しにアフリカへ』, 前野ウルド浩太郎, 2017 本書は、人類を救うため、そして、自身の夢を叶えるために、若い博士が単身サハラ砂漠に乗り込み、バッタと大人の事情を相手に繰り広げた死闘の日々を綴った一

あらまあびっくりフレーム問題。読書記録#13-2

『偶然の科学』, ダンカン・ワッツ, 2014   今日は、2 考えるということを考える、という章に出てくる、フレーム問題について書いていく。 フレーム問題とは  フレーム問題は、AIの分野で人工知能を開発する際に直面した課題として、はじめて注目された。  このサイトでは、フレーム問題とは、「限られた処理能力しかない人工知能は、現実に起こりうる問題すべてに対処することができない問題」と定義づけれられている。  また、本書ではフレーム問題を次のように述べている。 あ

自分の常識を疑ってみる。読書記録#13-1

『偶然の科学』, ダンカン・ワッツ, 2014     著者は、本書を通して、常識を用いて判断、行動するときに、疑いの目をもつことの大切さを述べている。本書通して、人々がどのように常識に基づく推論をするか、なぜそれを見直さなければならないのかをしることができる。多くの学びがあったので、いくつかに分けて読書記録に残していこうと思う。  そもそも常識とは何なのか。著者は、明確な定義をする難しさを指摘したうえで、常識とはなにかを以下のように述べている。 おおざっぱに言えば、

人生って短い?長い? 読書記録#12

『人生の短さについて 他二篇』, セネカ著 茂手木元蔵訳, 1980  深ーい言葉に、たくさん驚かせてもらいました。  まだその言葉たちがしっくりきているわけではないけれど、これから人生を歩む中で、自分の中に浸透していってほしいと思う言葉たちでした。それでは一部を紹介します。 誓って言うが、諸君の人生は、たとえ千年以上続いたとしても、きわめて短いものに縮められるであろう。  衝撃。  ええ、そうなのって思っちゃたわ。だって千年は長いよ~。  セネカが意味するのは、そう

イノベーションの死とオペレーション 読書記録#11

『ホンダイノベーションの神髄』,小林三郎, 日経BP, 2012  いかにしてホンダのイノベーションが成功していったのか。実際に開発現場にいた著者が、その企業文化と仕掛けについて詳しく述べている。私にとって特に印象的だったのは、イノベーションとオペレーションの違いについてである。 イノベーションの目的は顧客の絶対価値を実現すること  まず著者は、絶対価値と相対価値とを区別し、イノベーションとは、絶対価値の実現を目指すものだと述べている。相対価値は、「差」を、絶対価値は「

心がぽかぽかになる聴き方。読書記録#9

『やっぱりそれでいい』, 細川貂々, 水島広子, 2018 人の話を聴くとはどういうことか。私の中で聴き方革命が起こりました~。  まず衝撃的だったのが、人の話を聞いているとき、私たちは、自分の声を聞いているというのです。そして、その声ばかり聞いているから、人の話を聞くのが疲れると感じると、水島さんは述べています。 みんな 「人の話は聴いている」 と言うけれど  絶対に人の話より  「それに伴う自分の思考」の方を たくさん聞いてる 自分の余計な 思考をなくして 相手の

どんなあなたも、それでいい。読書記録#8

『それでいい』, 細川貂々, 水島広子, 2018  「感情を大切にすること」 「そんなの人間だから当たり前だと思うこと」    細川貂々(てんてん)さんは、『ツレがうつになりまして。』の著者です。でも、貂々さん自身は、人づきあいが苦手、自分って何をやっても上手くいかない、というネガティブクイーンだったそう。  ある日、貂々さんは、精神科医の水島広子さんのもとを訪れ、対人関係療法に出会います。本書は、貂々さんが、「それでいい。」と自分を認めてあげるはじまりの物語。