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第二回 澤ゼミ「ビジネス課題の本質を言語化するトレーニング」

澤円先生の「自分を企画化する」ゼミ。第二回のテーマは「コミュニケーション」です。今回も徹底的に本質を追求します。

自分を企画化するためにアウトプット能力を高める練習のひとつがツィート

冒頭で前回課題の「1日5回ツイート」に関して、ゼミ生で感想の共有から始まりました。実際にツイートを始めてみると難しい所があると感じているようでした。澤先生からは「とにかく慣れること・サンプルから学ぶことの2点を実行しよう。できないことを気にせずとにかく慣れることが大切。このゼミの目的は”自分の企画化”なので企画化するためにはアウトプットしなければ意味がありません。企画力を高めるためにアウトプット力を自分の中で高める練習と位置づけると良い」とアドバイスをいただきました。

“コミュニケーションの本質”を体験する目隠しワークショップ

今回のテーマは「コミュニケーション」です。今回はアイマスクを使ったワークショップ(以下、WS)が中心となりました。その内容は、

『 2人ペアになる → 片方がアイマスク装着 → スライドのメッセージを読む
 → 装着した人を片方の人がサポートしてミッション遂行 』
これを交互に下記テーマで行いました。
① アイマスクした人に会議室外のドリンクを取って戻ってきてもらう
② アイマスクした人にアンパンマンの絵を描いてもらう

体験した感想は、アイマスク装着側は非常に不安を感じ数センチ動くことすら恐怖を覚えるほどでした。一方、サポートする側は初対面の相手に思い通り行動してもらうために試行錯誤することになりました。

スキル/経験の偏りはコミュニケーションを困難にする

なぜWSが困難だと感じるのでしょうか?それは視覚を奪われコミュニケーションが困難になっているからです。では、その障壁はなぜ作られるのでしょうか?理由は2つあります。

1. 自分で勝手に作ったルールに縛られているから

澤先生はWSの最初に「コップを持ってきてください」や「これを描いてください」など抽象度の高い指示しか出していませんでした。私たちは「目隠しした人でないと飲み物を持ってはいけない」とか「アンパンマンと言ってはいけない」と勝手に思い込んでいたのです。抽象的なルールを自分で勝手に解釈し、やってはいけないことを勝手に想像し、自分を縛ってしまっていたのです。目的達成のために本当は最短で進める道のりでも、自ら困難になる道をわざわざ選んでいることになります。

2. 相手を理解できていないから

例えルールに縛られていないとしても、正確なコミュニケーションができなければ意味がありません。正確なコミュニケーションとは、最終的に達成すべきこと、つまりゴールから逆算する考え方を共有することです。コミュニケーションで大事なことは 「相手が理解できること」なのです。ここで重要になるのが「問いかけ」です。「問いかけ」とは目線を合わせること。相手に見えていないものを知るということです。

目隠しの人を新入社員と例えると、新入社員は論理的に盲目であるためミスをします。つまり、知識や経験がないから仕事上でミスをしやすいということです。目隠しした人のように物理的にではなく理解されにくいということです。これを改善するために、相手の見えていないものを理解し、言語化していく作業が必要になります。そのために「問いかけ=質問」が大事なのです。澤先生が問いかけます。

ゴールが決まっているなら質問せずにやったもん勝ちではないか?
自分でプランニングするなら自分でルールを作ることがブランドになる

世の中のイノベーターは誰しも、ありもしないルールに縛られるのはくだらないと気づいています。だから初めに気づいて実行し成功を収めているのです。言い換えれば、規格に合わせるのではなく、自分を企画することを目的とするなら、自分でプランニングしないといけないということです。すなわち、「同調圧力に従っているうちは自分をブランド化するのは無理」ということです。澤先生はあらためてゼミ生に問いかけます。澤先生はあらためてゼミ生に問いかけます。

ありもしないルールに縛られるのはくだらなくないですか?

自分の中でルールをつくり同調圧力に流されず自由になることが、自分を企画化する一歩になると気づきを得た瞬間でした。

人がコミュニケーションするのは ”幸せになるため”
前提として ”価値観が違うことを受け入れておく” こと

人間がコミュニケーションを取る理由については諸説ありますが、突き詰めると人がコミュニケーションする本質は「幸せになるため」です(第一回ゼミで共通認識となっています)。そのためにひとつ押さえておくべきことは価値観が違うことは受け入れないといけないということです。

言葉として意味は分かるが、自分には受け入れられないことが日常では起きやすい。例えば、ゴールを決める時に、ゴールは何をもって成功なのかが人によって違うので、価値観が違うことは理解して受け入れないといけない。続けて、澤先生はグローバルでのコミュニケーションスタイルの違いについて事例を出してお話くださいました。

欧米:バスケットボール型で常に言葉を回し続ける、黙っていたら邪魔者
BRICs:ラグビー型で話始めたら猪突猛進、話したければ奪い取る
日本:ボーリング型で話す人は予め決まっている、聞いているだけでOK

実際、アメリカのMBAでは日本人をマネジメントする方法として教えられているようです。日本はこれを、慎み深い、思慮深いと言い、良いものとして扱われていますが、グローバルの視点では必ずしも高い評価を受けるわけではありません。日本と世界のコミュニケーションスタイルは違うことを理解しておくこと。加えて、日本のコミュニケーションスタイルだと、グローバルなマーケットでは相手にしてくれない時代になっていることを認識・理解しておく必要があります。

コミュニケーションで大事なことは「共感すること」

共感を得るには ”共感してもらえる位置に自分の立ち位置を変える” こと

自分を企画する・ブランド化するために重要なのは「まずマーケットの向こう側にいる人(アクセスしたい人や成したい未来)に共感すること」で、そこにいる人達に共感してもらうためにどうするかを考えないといけません。媚びることとは違い、共感し合うことは相手がファンになり自ら行動してくれる状態です。大きな事を成すためには重要な考え方で、共感を得るためにはまず自分が共感することが大事になります。

共感のふりはできるが、共感するために澤先生が工夫していることは?

ゼミ生の質問に対し澤先生は「ポイントはとにかく相手をリスペクトすることです。自分の都合で相手を絶対に変えないようにする意識をもち、人は変わらないという前提でコミュニケーションする。共感を得るためにとは、相手を変えて共感してもらうのではなく、”共感してもらえる位置に自分の立ち位置を変えること” 相手が思っていることを言語化するお手伝いをすることに尽きる」と応えてくださいました。

活発な質疑応答が行われる中、初回講義の冒頭に澤先生が「私が一方的に話していれば、得るものは少ないと思ってください」とおっしゃっていたことが腹落ちしました。ゼミ生が自分の頭で考え、発言し議論することにより、自分を企画化する能力が高まりゼミ自体の質が向上するのだと思いました。

教えることはしない、気づきを得て自分の頭で考えてアウトプットをしてほしい

懇親会では参加者全員が澤先生と気づきを共有し盛り上がりました。澤先生とゼミ生、ゼミ生同士の心理的距離も近くなり、熱気溢れる懇親会となりました。

最後に澤先生から「ゼミでは教えることはしない、その代わり皆さんに多くの気づきが得られる内容にするので、ぜひ自分の頭で考えてアウトプットする訓練をしてほしい」とお言葉をいただきました。ゼミ生への、愛情溢れるコメントで、澤ゼミで学べる幸せを感じられる瞬間でした。ゼミのエネルギーが益々高まってきているのが感じられ次回講義も本当に楽しみです。

クラスメイトの気づき


■Twitter発信の振返り
・迷ったらハッシュタグを付ける!自分がアクセスしたい人が誰か?を考え
 て投稿してみる。サンプルを見て学びネタを探す。引用RT、拡散力、求心
 力のある人を参考にする。 

■目隠しワークショップ体験
・何を伝えちゃいけないか?何をしたら違反なのか?を最初に考えてしまっ
 た。どうしてそういう思考に陥ってしまうのか?を考えると共に、仕事で
 そういった思考回路に陥らないように意識してみる。
・描くWSで「全部やってあげてしまうことの危険性」を感じた。"アンパン
 マンを描く"目的を果たすためだけなら、目が視えている側が代わりに描い
 てあげれば良い。どうやって視えていない側を導いてあげて一緒に成長で
 きるか、マネジメントの大切な部分に触れた気がした。
・コミュニケーションは相手が出来ることを理解すること。相手が理解する
 世界は決して想像し得ないものだと思った。相手から見た自分も然り。
 ビジネスやコミュニケーション全般において出来ている人は意外と少ない
 から、価値があると感じた。

■見えないルールの縛り
・いかに自分が見えないルールに縛られているか。勝手にその場の空気を読
 んだ気になって枠を決めてしまっているなと感じた。
・書かれていないルールに縛られまくっていることに気づいた。無法者だと
 思っていた自分も実は日本人気質だった。
・ありもしないルールに縛られるほど下らないものはない。ゴールが何より
 大事なのに、効率が悪いルールで自分を縛るのはあまりにも非効率。

■質問や問いかけの重要性
・質問ファーストで取り組む。特に上司とのコミュニケーションが希薄で共
 感し合えていない&ゴールが一致していないと感じているので、今日から
 どんどん質問していく。
・質問し合うことがコミュニケーションを円滑にする。後輩に対して一方的
 になっていると反省。問いかけや見えてないものの言語化をして、後輩の
 成長を一緒に楽しめるようにしていきたい。

■共感することの重要性
・共感することがまず最初にすべきこと。共感していたら言葉が通じなくて
 も、目の前の課題に対して「どうやって解決する?」の議論になる。事象
 でなく背景や本当に伝えたいことのゴールを考えて、共感できるなら取り
 入れていこうと思った。

■マネージャーの役割
・言語化の手助けをするのがマネージャーの役目。コミュニケーションを通
 して、部下自身に気付かせハッピーな気持ちでポテンシャルを発揮しても
 らえたら、いい組織になる。そんな関係が築ければ「この上司と合うな、
 居心地いいな」と思ってもらえるのだろう。

■自分の都合で相手を変えないようにする
・仕事ができない人ほど相手を変えようとする。コミュニケーションでは問
 いかけが大事で、相手を理解するツールが質問であって、共感力が強けれ
 ば自然と質問するしリスペクトも強くなると思った。

<ゼミ詳細>


(文:澤ゼミ生 石川勝紘、小笹貴司、佐野和真 )

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