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未来を見る力=学びにより過去を知る努力(2021年3月5日)

 久しぶりの更新です。中学・高校での国語教育の現場からすでにこんなに距離が開いたのかなと思う一方で、そうした枠には縛られない活動に移っている感もあります。ここで記事をアップする頻度は減っていくとしても、自分の心に真に響いたもの、子どもたちのためにまず大人が学びを深めることのできる情報や内容をお届けできればと思っています。

 さて、YouTubeを視聴していると唐突におすすめの動画が現れるのですが、最近は岡田斗司夫さんのものが頻繁に上がってきて、楽しんで視聴しています。

 先日視聴して面白かったのが以下の動画です。

「【UG】関ジャニ∞村上信五君に評価経済を教えてきた〜愚かなスネ夫になるな!賢いスネ夫戦略とは?/ OTAKING explains "Media Theory in 2028"」 

 芸能人の独立が増えてきている背景には、インターネットの急速な発展・普及に基づく社会構造の変化により、大手の事務所がもはやそれを止められるような力がなくなったことがあります(芸能界は旧時代的な組織の最大のものの一つかもしれません……)。そうした中で、仕事の欲しい芸能人のNetflix詣(もうで)というのが流行っているけれども、岡田氏の分析では、いずれzozo(ゾゾ)現象が起きるということでした。

 それは何かというと、例えて言えば〝巨大恐竜の共喰い〟だそうです。zozotownは業績が好調な時はよかったけれども、業績が悪化した時に、傘下のブランドの安売りを始めたというのです。それがおそらく、今は好調なNetflixでもいずれ起こるだろうから、そのために(大企業に〝共喰い〟されないために)一番いいのは、自己裁量で、費用をかけずに、仲間を集めて、定期的に短編の映画を作って配信するといったことを始めて、自分のポジションを確立することだと、ジャニーズの村上信五さんにお話ししたそうです。

 そこで重要なのは、変化の激しい現代で〝次はどうなる?〟という未来を予測し、〝次はとうする?〟といって対応する力であって、村上さんは〝どうしたらそれが得られるのか?〟と岡田さんにしきりに聞いてきたそうです(当然ですね)。岡田さんは〝過去を知ること〟と答えたということでした。ロングスパンで過去を知る人は、ロングスパンで未来を予測できるという、過去にさまざまな達成をなし遂げた人々がそうだったという歴史的な事実もあり、困ったな~と思いながら(岡田さんにはそれしかないという確信があるのでしょうが、確かに漠然としていますよね……)、村上さんには〝とにかく勉強してください〟と答えたというのです。

 もちろん、かつては〝読み・書き・そろばん〟と言われた、その読み書きする媒体やそろばんに代わる現代のツールの学びは必要ですが、ツールの効果的な使用法やプレゼンテーションする形ばかりにこだわり、内容の薄い学びには危機感を感じています。先に勤めていた、理工系の学校でも、受験に必要のないクラスの古典や歴史の授業を削減したいということを、国語の教員自らが発言したりしていました。

 学校の現場で古典文学を教えることはなくなってしまった私ですが、特定の組織に縛られることなく情報を発信したり発言することはできるようになりました。しかし、それが子どもたちに及ぼす影響(私の情報や発言が子どもたちに届く確率)など、たかが知れています。

 未来を担う子どもたちに真に必要な力とは何か……? 子供たちにかかわる若い先生方には深い学びを、先輩の先生方から継承してほしいと願っています。

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