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古典を読むための用語集「三種の神器」(2019年5月6日)

 本ブログの初の試みとして【 古典を読むための用語集 】を始めたいと思います(随時)。

 今回、天皇陛下の御退位と御即位にともない登場した「三種の神器」とはどのようなものであるのか。わかりやすく、かつ、正確な情報の記された資料より引用したいと思います。私たちの世代であれば“そんなの常識!”といったことも、生徒たちはもちろん、お若い先生方にはそうではないということを実感する昨今です。ここをスタートとして先生方ご自身も学びを発展させて、授業に生かしてもらえればと思います。

「三種の神器」

 「八咫鏡(やたのかがみ)」、「八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)」、「草薙剣《別名:天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)》」を総称して「三種の神器」と言います。八咫鏡と八坂瓊勾玉は、天照大御神が天の岩戸にお隠れになられた際、岩屋の外にお出ましいただくための祭りの祭具として作られました。天叢雲剣は、出雲で素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した折、大蛇の尻尾から出てきたもので、あまりに霊威溢れる剣だったので、天照大御神に献上されました。
 後に日本武尊が東国征討の際に火攻めにあったとき、この剣で草をなぎ払い、火難より免れたことから、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」とも呼ばれるようになりました。
 天照大御神は、天孫瓊瓊杵尊の葦原中津国への降臨に際して、この三種の神器を授けて、天照大御神の子孫である皇孫尊が末永く日本の国を治めるようにとの「天壌無窮の神勅」を下されました。以後、皇位の継承とともに連綿と引き継がれて現在に至っています。
(東京神社庁「生命(いのち)の言葉」より引用)

※語の読み
・三種の神器…さんしゅのじんぎ
・天照大御神…あまてらすおおみかみ
・天の岩戸…あまのいわと
・素戔嗚尊…すさのおのみこと
・八岐大蛇…やまたのおろち
・日本武尊…やまとたける
・瓊瓊杵尊…ににぎのみこと
・葦原中津国…あしはらのなかつくに=〔葦の生い茂っている、高天原(たかまのはら)と黄泉(よみ)の国との中間にある現実の国の意〕日本国の異称。<広辞苑>
・皇孫尊…すめみまのみこと
・天壌無窮…てんじょうむきゅう
・神勅…しんちょく=天照大神が皇孫瓊瓊杵尊をわが国土に降ず時に、八咫鏡とともに授けたということば。<広辞苑>


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