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衝撃的な『源氏物語』(2014年9月29日)

 生徒たちにと思い、思い切って文庫版の『マンガ日本の古典』(中公文庫)全巻を購入しました。これまでいくつかの作品は読んでいましたが、実は『源氏物語』は手にしていませんでした。

 なぜなら、絵がなんだかショボかったからです。『あさきゆめみし』に始まり、美麗で現代的な『源氏物語』に慣れてしまっている私には、長谷川法世さんの“引目鉤鼻”源氏では、登場人物すら見分けられないだろうと勝手に決め込んでいました。

 しかし、学級文庫に置くのだし確認しておこうと手にしたところ、独特の情緒とストーリーのテンポに、瞬く間に引き込まれてしまいました。登場人物はもちろん、全員そのキャラクターに合わせて特徴的に描き分けてありました。

 同シリーズの『古事記』『今昔物語』『平家物語』『太平記』が、石ノ森章太郎、水木しげる、横山光輝、さいとう・たかを…といういわゆる漫画の“巨匠”の筆になるのですが、確かに“今時”の画風でないので大丈夫かなと思いつつも、具体的にどこが良かったのかを伝えれば、きっと読んでもらえると思いました。

 文学作品でも、古典や読み継がれる作家があるのと同じように、漫画も芸術であり、作家の力量次第なのだと感心したのです。


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