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【ランキング】 2020年度にもっとも売り上げた私鉄とは?

こんにちは、サヴィーです。

最新決算で大手私鉄の営業収益ランキングについてまとめていきます。

人の移動が減る中、厳しい経営環境で苦しんでいるのはどの鉄道会社も同じです。

そんな中、2021年3月決算で最も売り上げた会社とは?
今最も勢いのある私鉄とはどこでしょうか?

そんな疑問を今回は解消していきたい思います。

では、早速みていきましょう

15位:南海電気鉄道 190,813百万円

大手私鉄で最下位は、南海電気鉄道でした。

セグメント別でみると、予想比で一番の落ち込みは運輸です。

予想比で約17億円の落ち込みでした。

ついで落ち込み額が大きいセグメントは建設でした。厳しい状況が続いています。

出所:http://www.nankai.co.jp/library/ir/setsumei/pdf/setsumei_210518.pdf

14位:京成電鉄 207,761百万円

飛行機の利用が減る中、空港移動路線を主力とする鉄道会社は厳しいと言わざるを得ません。

2020年の成田空港の利用旅客数は76%減でした。

京成電鉄は耐える時期が続きます。

出所:https://www.keisei.co.jp/keisei/ir/library/dl/presentation/2021_kessan_1.pdf

13位:相鉄ホールディングス 221,136百万円

前年比で16.6%減でした。

特にホテル事業の落ち込みがひどくなっています。

フレッサイン・サンルートの客室稼働率は34.2%となっており、前年の81.2%から大幅なダウンとなっています。

出所:https://ssl4.eir-parts.net/doc/9003/ir_material_for_fiscal_ym/100536/00.pdf

12位:京浜急行電鉄 234,964百万円

輸送人員は前年対比で30.5%減でした。

羽田空港輸送需要の回復が待たれます。

出所:https://ssl4.eir-parts.net/doc/9006/ir_material_for_fiscal_ym11/99666/00.pdf

11位:京阪電気鉄道 253,419百万円

新型コロナの影響として789億円のマイナスを試算しています。

ホテル事業の営業収益は前年対比で73.6%減でした。

旅客、宿泊客のダブルパンチで収益が悪化します。

出所:https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/upload/2021-05-07_kessan-hosoku.pdf

10位:東京メトロ 295,729百万円

旅行需要が減る中ですが、ホテル事業を持っていないため東京メトロの傷は浅く済んでいます。

旅客者数の減少で営業収益は悪化しますが、20年度対比で31.7%減にとどまっています。

出所:https://www.tokyometro.jp/corporate/ir/2021/pdf/202103_kessan_setsumei.pdf

9位:京王電鉄 315,439百万円

ここから、3,000億円超の私鉄です。

前年比でみると最大の落ち込み額をみせたのは、レジャー・サービス業のセグメントです。

訪日外国人の減少によるホテル業へのダメージは深刻です。

出所:https://www.keio.co.jp/company/stockholder/results_briefing/pdf/2020_briefing_full.pdf

8位:西武ホールディングス 337,061百万円

日本一のホテルグループ、プリンスホテルを有する西武HDのダメージは深刻です。

ホテル・レジャー事業は、2,274億円(FY20)→840億円(FY21)と大幅減です。

経営効率化のため資産売却に向けた検討を進めているようです。

コクド時代から優良な不動産を保有していることがグループの経営上の強みでした。

今後の事業運営から目が離せません。

出所:https://ssl4.eir-parts.net/doc/9024/ir_material_for_fiscal_ym54/99584/00.pdf

7位:西日本鉄道 346,121百万円

前年対比で430億円の減少でした。

その中でも国際物流は営業収益増加を見せるなど、厳しい環境の中で成長している事業もあります。

西鉄の運輸事業の売上は、物流事業の半分程度しかありません。

鉄道会社というより、物流会社ですね。

出所:http://www.nishitetsu.co.jp/pdf/ir/briefing/20210524.pdf

6位:小田急電鉄 385,978百万円

前年度実績5,000億円を超えていた小田急電鉄。

1,481億円のマイナスで3,000億円クラスに転落です。

特に運輸事業は570億円近い下落でした。

観光有料特急が主力の会社は辛い時期が続きそうです。

出所:https://www.odakyu.jp/ir/financial/explain/o5oaa1000001y43n-att/0524PPT.pdf

5位:名古屋鉄道 481,645百万円

ここから、4,000億円クラスです。

前期比、1,412億円のマイナスでした。

交通事業は585億円、レジャー・サービスは301億円、流通は292億円の減少です。交通事業の落ち込みが最も大きい結果でした

大きな路線網を持つ名古屋鉄道、移動自粛のダメージは甚大です。

出所:https://www.meitetsu.co.jp/profile/ir/reference/results_briefing/kessan_setsumeikai210527.pdf

4位:東武鉄道 496,326百万円

前期6,000億円クラスだった東武鉄道も、5,000億円を下回る結果となりました。

運輸事業の営業収益は前期比、563億円の減少です。

出所:https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/explanatory_materials/20210518105039cfHErBuq_hXPRptuOIcwZA.pdf

3位:阪急阪神HD株式会社 568,900百万円

ここで、阪急阪神HDが登場です。

前期比では、なんと1,937億円の減少です。約2,000億円もの営業収益が消えてしましました。

金額だけをみてもなにも始まりませんが、どこへ行ったのか気になってしまいます。

出所:https://www.hankyu-hanshin.co.jp/docs/d940f29897b99afdf293286e8cb40cf11b0ca1f5.pdf

2位:近鉄グループホールディングス  697,203百万円

ホテルに強みをもつ近鉄です。

都ホテルズ&リゾーツを展開しています。

今回の影響はとても大きいものでした。

前期比は、なんと、 4,970億円の減少です。

2020年度の東武鉄道の営業収益が丸々消滅した規模のインパクトです。

出所:https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/ir/investor/data/20210519setumeikai_siryou.pdf

1位:東急  935,927百万円

 1位は東急でした。

2位の近鉄に2,387億円の差をつけての圧勝です。

1兆円に迫る勢いです。

前年対比で2,283 億円のマイナスとなったものの、この営業収益は立派です。

出所:https://www.tokyu.co.jp/ir/upload_file/m002-m002_04/02_gaikyou_j_202103.pdf

まとめ

鉄道会社は、ホテル事業を含めて事業ポートフォリオを組んでいる会社が多いです。(東京メトロなど例外はあり)

旅行に伴う移動需要そのものを生み出すことで、グループ全体にとって収益増大効果が見込まれるためです。

今回のように、移動自粛が求められる環境では複数事業でマイナスの影響が発生します。

中でも、通勤/通学のような底堅い旅客需要がある運輸事業と異なり、ホテルの収益が多い企業グループは影響が大きい結果となりました。

影響が出始めた2019年度決算時のランキングは以下からどうぞ



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