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#SaveOurLife 記者会見より ー 小池晃 参議院議員 (共産党)

命を守るための政策

日本共産党の小池晃です。私は、今安藤議員が言われた提案の中身、100兆円の提言、全面的に賛成です。やっぱりこれを今やるべきだと思うんですね。問題は、自民党の安藤さんと共産党の私が賛成と言ってるものが何で実現しないのかということだと思うんですよ。はっきり言って、これ(安藤議員の提言内容)当たり前だと思うんです。私達は「自粛と補償はセット」だと言ってきました。「自粛しろ」「休業しろ」と国が指示している以上は、これによって生じる損失を補償するのは当然のことです。これは経済政策ではありません。福祉政策でもありません。感染拡大を防止するための政策です。命を守るための政策です。命を守るための政策に予算の規模がどうのこうの言ってる時ではないと思います。先ほど安藤さんが言われた通り、命を守るために必要なお金は惜しみなく使うのが政治の責任だと思うんですね。この国が潰れてしまったら、文化がなくなってしまったら、命が奪われたら、あとでいくら騒いだって取り返しがつかないわけですから。そういう意味ではとにかくこういう(安藤議員の提言の)方向で打開しなければならない、今そういう時に来ていると思います。

じゃあ何でこれができないのか。先ほどもありました。自民党の中でも抵抗があるんだと。最大の抵抗勢力は安倍政権、首相官邸だと思いますし、財務省をはじめとする役所ですよ。ここが全く平時の発想から抜け出ていない。今、本当に緊急事態であるにも関わらずそういう認識がないんではないかと言わざると得ないと思います。だからとにかく手続きが遅い。給付は低い。遅い。そして条件がきつい。こういう政策にしかなってないんだと思うんですね。これを改めなきゃいけない。

声を上げることの意義

ただ私は、一歩ずつですが変化はしてきていると思うんです。実際、政治は動いてきています。(特定の世帯への)30万円の給付が、一律10万円をまずはやるという風に変わりました。できるだけやりませんと言っていたPCR検査を、可能な限りやらなければいけないということになりました。雇用調整助成金も手続きを簡素化し、そして上限額も引き上げる方向になってきています。

思い起こすと3月3日に参議院の予算委員会で、フリーランスの問題というのを恐らく初めて一連の中で取り上げたと思います。あの時、フリーランスという言葉が全く理解されていませんでした。安倍首相は私の質問に対して「有給休暇を取ればいい」と言いました。こういう認識だったわけです。それが今や、このフリーランス支援というのが今回の対策にとって極めて大事だということを認めるようになってきた。やはり国民の声が、野党の指摘が、政治を動かしている。安倍官邸は今追い詰められていると思います。ですから今こういう場で市民の皆さんが声を上げアピールしていく、このことが本当に大事になってきているし、私達は与党・野党の垣根を越えて力を合わせて対策を前進させるために力を尽くさなければいけないと思っております。

先ほど質問で「政権批判をしない方がいいというような声がある」とありましたけれども、こういう時だからこそ批判しなければいけない。批判したからこそ、政策が前に少しずつでも動きはじめているわけです。政権がおかしいと思ったら堂々と言わなければいけない。そして市民の間で攻撃をし合うようなことは避けなければいけない。とにかくみんなで力を合わせて前に進めるということが、今ほど求められている時はないのではないかなと思います。

継続的な現金給付と雇用調整助成金上限額の引き上げ

具体的な中身は先ほど安藤さんからもありました。現金給付、一回こっきりでは絶対にダメです。この国に暮らす全ての人に継続的に助成金を現金給付しなければならない。それから休業補償。雇用調整助成金は安倍首相は上限額を引き上げると言いましたが、11,000円にするとか12,000円にするとか、そんなんじゃダメです。8,330円という一日額だと20日間働いても16万円にしかならない。これをイギリス並みにするためには2倍以上にしなければならないと思っております。

予算規模との見合いではなく国民の苦しみとの見合いで

それから持続化給付金。売上半減以下という線引きは全くナンセンスです。3割減ったって4割減ったって大変な事態になるわけですから、「何で5割なんだ」と予算委員会で質問したら、根拠を答えられませんでした。最後に安倍首相は何と言ったか。「どこかで線を引くしかなかった。予算規模との見合いだ」と。予算規模との見合いで物事を決めちゃいけないんです。国民の苦しみとの見合いで規模は決めていかなきゃいけないんじゃないでしょうか。そういう意味では、持続化給付金の問題、フリーランスの皆さんの手続きについては、今年の収入については証明書はなくてもとにかく記録さえあれば、大学ノートの片隅に書いてあった、それでもいいと言ってるんだけれども、前の年の所得については事業所得じゃなればダメで、雑所得や給与所得じゃダメだなどということを政府・役所は言っています。こういうことを言わせちゃいけないと思っているので、ここはあと一歩踏み込んでいかなきゃいけない。

役所というのは縦のものを横にすることはできない人達です。縦のものを横にすることができるのは政治だと思います。やっぱりここは野党・与党を越えて、この点については撤廃させていく。そして何よりも5割を切るという条件があるから、こういうわけのわからないことになってるわけで、こういう制約は撤廃していくということを求めていきたいと思っています。

学生支援と家賃補償の拡充

それから学生支援も、今7億円です。参議院の予算委員会で質問をして、これは対象が2,600人だと。日本中の学生の中で2,600人しか対象にならない授業料の減免など意味がありません。あしなが育英会は10億円の支援を決めました。あしなが育英会が10億円、日本国政府が7億円。どう考えてもおかしいでしょう。これも今、野党が学生支援の法案を準備しています。ぜひこれも前に進めていきたいし、家賃の問題は与野党ほとんど同じ方向を向いてます。ですからこれは一刻も早くまとめるという方向で、実現をしていきたいと思います。

医療機関に5兆円

医療の問題。先ほど安藤さんの提案では5兆円という話がありました。このくらい必要なんじゃないかと思います。今、1,490億円です。しかし、コロナ患者を受け入れると1病院あたり平均月2億円欠損が出ると。ですから月2,400億円くらい赤字が出てる可能性がある。だとすれば12ヶ月にすると3兆円くらいになりますから、5兆円くらいの規模で医療支援をするというのは必要だと思います。今出口戦略などと言われてますが、もしそういうことを言うのであれば、検査数が圧倒的に少ない。そして医療体制が逼迫している状況を変えないことには、出口どころかどこに行ったらいいのかわからないという状況にあると思います。ここを変えていくためには、今とは桁違いの財政支援が必要だということを申し上げたいと思います。

必要なのは具体的な手立て

いずれにしても、こういう中身の第二次補正予算を一刻も早く提案をすることが政府の責任だと。予算を作るには一定の時間がかかるかもしれませんけれども、少なくとも「こういう中身で次は支援をするんだ」ということを言わなきゃいけない。緊急事態宣言の延長を言いながら、それに対する補償の中身を何ら具体的に政府は言いませんでした。「しっかりやります」「大胆にやります」「かつてない規模でやります」決意表明はもう聞きたくない。必要なのは具体的な手立てだと。それをはっきり表明すれば、みんなひとつ息をついてやれると思うんですね。第二次補正予算を一刻も早く成立させていくという立場で臨んでいきたと思います。

なければ生きていけないのが文化芸術活動

最後に、先ほど主催者の方のお話にもありましたけれど、今回のコロナの事態を通じてこの国の政治の、この国の社会の歪みが本当に浮き彫りになったなと。医療機関をとことん経営的に追い詰め、そしてベッドがずっと満床でギリギリでなければやっていけないような病院にした。保健所の数を半分にまで削っていった。海外に生産拠点を移すという形で、マスクの製造はほとんど中国であると。そして中国でコロナが拡まったら立ち所にマスクが不足する。こういう脆い経済を作ってきた。

文化は何でも金儲けの対象としか考えない。そういう考え方で文化政策をどんどん切り捨ててきた。文化というのは、できればあった方がいいというものじゃないんです。なければ生きていけないのが文化芸術活動です。この間、色んな方とお話ししてよくわかったけれども、例えばライブハウスひとつがやっていけるかどうかというのは、そこのライブハウスの当事者だけの問題ではない。そこに来るアーティストの問題であり、舞台の設営の方であり、照明の方であり、音響の方であり、そしてその街の、舞台が終わった後で行く食堂や居酒屋や、そういう人達の経営にも関わる。本当に多面的な影響が出てくる問題であるということも、認識を新たにいたしました。

文化芸術活動というのは、言ってみれば酸素のような、水のような、人が生きていくためにはどうしても必要なものであり、日本の経済を支えていくという役割も担っているものだと思います。こういったものを切り捨てるようなやり方は許しちゃいけない。常日頃からの文化政策の貧困さがまさに今回のコロナの事態を通じて、浮き彫りになってきているんだろうと思います。

コロナの後には全く新しい社会を

ポストコロナの時代に向けた準備をはじめなきゃいけない。今から政府がやっていることをしっかりと監視し、抗議をし、そして生き延びていこうということを訴えたい。そしてその上で、コロナの後には全く新しい社会を作っていこうじゃないかと。医療やケアがしっかりと支えられるような社会。エネルギーや食料が自給するような社会。文化というのが何よりも大切にされるような、そういう新たな日本の社会を作っていくその契機に、このコロナ危機が転化していくような、そういう戦いを皆さんと力を合わせてやっていきたいということを申し上げて、私の話としたいと思います。ありがとうございました。


【新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるあらゆる人の仕事と生活を守る継続的な支援を求める署名】
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Photo: Yosuke Torii