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お局という存在は、なぜ生まれるのか?

お局の誕生条件は、時間と環境であるという話


皆さんの職場に、『お局さん』はいますか?

その人たちは、あなたにとって厄介な存在ですか?

この人たちは、生き残るべくして生き残る種族なのです。



ちなみにお局の意味と語源はご存知でしょうか。

ネット辞書でひくと『職場で、勤続年数が長く、特に同性の同僚に対して力を持っている女性のこと』なので、男性のお局はいないことになります。また、年齢が高くても勤続年数が短い場合はお局じゃないということですね。

語源は、公家や武家などに仕える局(部屋)を与えられた身分の高い女官のことを指しており、そう悪い意味ではないのです。ただ、これが権力者の乳母などに相当すると、本来の権力者の陰で実権を握ることもあった...というのが、悪い意味のお局様の由来。

なので、長く一箇所に留まる女性がいたらお局になるのはある意味で自然なことで、当然なのことなのです。

そうはいっても、そんな困る存在が自然に増えても困る!という方もいるでしょう。

そりゃそうだ。


お局という存在は、職場に長くいるので経験値と暗黙知の塊でもあります。

そのため教育係とか、指導役に任命されがちです。

でもほとんどの場合、その経験量や経験年数でのみ評価されているので、正しい教育方法や関わり方などを学んでいる場合は少ないです。

そのため、誤った教育的関わりをしてしまいがち。

どういうものかというと、自分が教わったように教えてしまう。

経験年数の長いお局が教わっていた時期のやり方なので、極端な場合だと数十年前の教えかたをそのまま踏襲してしまう。

でもかわいそうなことに、経験年数と権力があるがゆえに誰もそのことを指摘できずにいる。

で、これに耐えられなくてスタッフがやめていく。

下が潰れるので、脅かすものもいなくなり、いつまでもお局は権力の座につき続ける。

仮にこの教育方法でもカチリとはまってうまく成長したり、鋼のメンタルで奮起して生き残るスタッフがいるけど、その場合は厳しく育てたお局の手柄となる。

このスタッフはお局のことを信頼するし、頭が上がらなくなるので1つの派閥ができあがる。

こうして育ったスタッフはお局の傘下にはいり、勢力が拡大する。

やめていったスタッフは「才能がなかった、やる気がなかった、もともと向いてなかった」で片付けられてしまう。

ここでさらにお局には、生存バイアスがかかる。

つまり、残ったスタッフこそ正しくて、離れていったスタッフはどうしようもない連中だということになる。

そしてそのことをやっぱり誰も指摘できず、また本人も気付けず、内省もできないので変わらないor変われない組織の土壌が作られる。


だから逆に、あちらこちらに顔を出せるフリーランスやジプシーな方々はこうなりにくい。

ひとつのところに長く留まらないし、多様な環境を経験しているので受け入れる度量もしらずに育っているから。

じゃ、どうしたらいいかっていったら、外部から力で変えるなら『部署異動』で時間と環境をリセットさせる。

でもこの手の人たちは、部署移動しても時間が経つと異動先でも同じように振る舞いがちなので、部署異動と同時に内省を促す関わりかたをする。

これで多少はなんとかなる、あとはご本人次第。


そうはいっても、お局が全部悪いかといったらそんなこともない。

先述のように、経験値と暗黙知の塊なのでマニュアルを確認するより早く回答がくることもあるし、多少の規則は曲げてでもなんとかして問題を解決しちゃう能力もある。

なので、良くも悪くも接しかた次第ということになる。


まぁ定義上、女性ってことになってるけどこれは男性でももちろん起こりうる。

その場合は、老中とか古狸とか殿とか呼ばれるらしい。

自分がそうならないよう、常々厳しく克己して内省したいものである。