デジタルファーストキャンプに入った話その6
最終課題を作った話
いよいよ最終課題を作成する時が来ました。
私はマンション管理組合のデジタル化をテーマに、MyGPTで「マンションバトラー(執事)」というものを作りました。
以下、マンションバトラーを作った理由と、作ってみてわかったMyGPTのこと(ただし個人の経験であって公式サイト等で調べたわけではない)です。
Mcloudが使いにくい
私が住むマンションには、すでにMcloud(エムクラウド)という、マンション管理組合用グループウェアが導入済みです。
しかし過去の理事が誰も本格運用に踏み切らず、誰も使ってない状態。
これを数か月前から整備し(フォルダを整理してファイル命名ルールを作るなど)していたのですが、「これ私が理事を辞めたら誰も管理しないんじゃない?」と思ったりして、どうするかな~と思案していました。
Mcludはブラウザアプリですが、Mcloudに保存したファイルをブラウザ上で閲覧することができません。
すべてのファイルはダウンロードしないと、開けません。
ペット飼育ルールや、出前で注文したすし桶の出し方など、暮らしのいろいろな注意事項を書いたファイルは、だいたい「暮らしのルール」のような抽象的な名前になります。
そうするとファイル名だけで内容を予測できず、いろいろなファイルをダウンロードしまくって、ダウンロードまみれになって辟易したことが、何度もありました。
とにかくちょっとした情報も、フォルダをたどってダウンロードしてからでないと閲覧できないので、PC操作に慣れていない人は使わないだろうなと思いました。
Wixでマンション専用サイトを作る
実は最終課題より前に、Wixでマンション専用サイトを作っていました。
Webサイトであれば、情報をブラウザで閲覧できると思ったからです。
Mcloud上のファイル名とその内容説明とか、共用施設の営業時間と料金とか、業者の連絡先一覧など、すぐに確認したい内容をWebサイトで見られるようにしようと思いました。
ただ私が理事をやめたあと、他の人がWixを使えるか、疑問です。。
またMcloudとWebサイト、似たような用途のものが複数あると、混乱させるかもしれません。
マンション専用サイトは、一旦凍結することにしました。
本当に作りたいのは何だ?
最終課題では、デジタル化の第一歩として、理事の名簿作成&名簿自動送信アプリを作ろうと思いました。
でもマンション管理組合のここを改善したいという話を聞いてくださったD1C同期の方から、「そこはChatGPTじゃない?」という、まるで某CMのようなお言葉が。
メンターの方からは「いつも理事会に出席してくれるChatGPT」というパワーワードを頂戴し、それいただきます!と方向転換を決めました。
人に話を聞いてもらうことって本当に大事ですね。壁打ち大事。
そしてMyGPTすごい。
うっすらプログラミングぽいことまでできる。
マンションバトラー(MyGPTでできたこと)
MyGPTで作った「マンションバトラー」(執事)は、マンション住民の疑問に答えてくれるbotです。
企業のお問い合わせbotみたいなものですが、もう一歩踏み込んで動くものが欲しいと思い、いろいろ試してみました。
・Mcloud上のファイルのリンクを表示させる
→Mcloudのログイン画面が出てきて、ログイン後にアクセス可能
(これはMcloudのセキュリティが効いている)
・〇〇関連の要求にはGoogleドライブのリンクを表示させる
→リンクを踏んだら開けた
・最初に必ずパスワードを入力させ、間違えたら以降の処理を無視させる
→10回に1回くらいパスワードを聞かないけど、概ねその通りに実行
・あるMyGPTから別のMyGPTを呼び出す
→〇〇関連の質問には次のリンクを表示しろ:https://~MyGPTのURL~
と書いたら、その通り別のMyGPTのリンクを表示した
リンクをクリックしたら、別のMyGPTを起動できた
・「カレンダーの予定を聞かれたら、https://~GoogleカレンダーURL~ のうしろに 年、月、日を/で区切って追加したURLを出力しなさい」と指示
→文字列を組み立てた!
しかも「12月10日の予定」と指定しただけで実行できた。
これが普通のプログラミング言語なら、年、月、日を必ず何らかの形で指定しなければエラーになるが、MyGPTは不足した情報を補った。
そして「1月の予定」という指定は、2024年1月の予定と認識した。
・MyGPTにアップロードするファイルに、「〇〇の場合は https://~」とリンクリストを書いておく
→機能した。もうこのリストを書いておくだけでいいんじゃないか?
MyGPTであまりうまくいかなかったこと
・何十ページもあるファイルから必要な情報を取得すること
→ずっと考え中になってしまう
・MyGPTにアップロードしておいたファイルの内容を総合して答える
→全部のファイルを読んで、まとめているんじゃなくて、1つのファイルに答えを見つけたら、それを表示して終了という感じ。
ChatGPTが回答するしくみを読んだ方がよさそう。
・Zapier経由でMyGPTと他のアプリを連携する
→Googleカレンダーから予定を取得する操作の成功確率が3割くらい。
Zapierが提供する「できること」の中からしか、連携内容を選べない。
Googleスプレッドシートのfunctionを呼び出したかったが、用意されてなかった。
スプレッドシートやカレンダーのURLをMyGPTに読ませるだけで、結構いろいろOKかも。
・パスワードがかかったWebページにアクセスすること
→MyGPT画面にリンク先のWebページを表示することはできないので、当然できない。
パスワードを教えても、勝手にログインしてリンク先からデータを取得したりしない。
それをするにはZapierなんかが必要。
マンションバトラーを作ってわかったこと
●MyGPTすごい。
●Webサイトを作っても解決にならない(作らなくて良かった)
Mcloudで目的のファイルを探すのが大変なように、Webサイトも情報が多くなると、目的の情報を探しにくくなる。
結局McloudもWebサイトも、「ユーザーが自分で情報をさがす努力が必要」なのは変わらない。
MyGPTは、適切に設定を書いておけば、会話形式で質問しただけでURLや情報を返してくれるから、ユーザーは情報が返るのを待つだけでいい。
またMyGPTを一般公開すれば、スマホで使用できるので、音声入力で質問できる。
PC操作が苦手な人にとって、Webサイトは解決にならない。
ということを、MyGPTを作ってみて気が付いた。
●PC操作が苦手な人に「説明すればOK]というのは間違い
PC操作が苦手な人は、PC操作を覚えられないから苦手なので、1度や2度説明されたくらいじゃ、使えるようになりません。
それでもなぜか、私たちはデジタル化の話をするとき「わからない人に教えなくちゃ」なんて考えがちです。
教えて使ってもらう、という発想が間違い。
教えなくても使えるものを提供するのが正解。
今回マンションバトラーを作ってみて、そう思いました。
些細な事かもしれませんが、そこの発想を間違えると、だれも使わないゴミを提供することになるので、大事なポイントだと思います。
●MyGPTは聞かれたことを答えるだけじゃない可能性を持っている
企業が公開している「お問い合わせbot」は、使うのが外部の人なので薄っぺらい内容であることが多いが、企業内とかマンション内など、内側の人向けbotは、一歩踏み込んだことができる。
というか企業のマニュアルなんかも、MyGPTに案内させた方がいい。
これは愚痴なんだけど、むかし某所で懇切丁寧、1ステップずつの画面ショットと操作説明入れまくりのマニュアルを作ったけど、だれも見なかった、ということがありました。
挙句、マニュアルの内容を対面レッスンしてくれと頼まれました。
「いやいや、マニュアルに全部書いたし、マニュアルに書いてることしか言えませんよ」「それでいいから、やって」
というやり取りを経て説明会をしたところ、「本当に全部マニュアルに書いてあるね」と言われました。
だから、見ろっつの!
マニュアルはどんなに丁寧に作っても、まず見られません。
マニュアルを見るのは、解決法が「マニュアルを見る」しか残ってないときです、私の経験上。
でもMyGPTがマニュアルURLをすぐに返してくれたら、「〇〇の操作はP4です」まで教えてくれたら、マニュアルを読みやすくなるかもしれない。
あとはGoogleスプレッドシートやフォームなんかもGASを作り込んでボタン一発で処理するようにしておけば、MyGPT経由ですぐ実行できる。
これからMyGPTと連結するツールはどんどん増えるだろうから、今後社内基幹システムはMyGPT前提で作られるようになるんじゃないだろうか。
まとめ
人からフィードバックをもらってわかったこと、作ってみてわかったことがたくさんありました。
シニアの人に同じことを何度も何度も説明する経験をしてきたのに、「説明して理解してもらえばOK」という感覚を持っていたのはなぜなんだろう。
思い込みをなくすところが、新しいものを作る第一歩だなと思いました。
そのためには違和感とか不便だと思うことを「そういうもんだ」で流さないで、ちょっと考えるようにしようと思います。
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