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石油製品国内トップ企業のSDGs(その2)

ENEOSは脱炭素社会=石油を使わないという、企業存亡の危機にどの様な経営戦略を立てているのでしょうか。

おおまかな方向性としては、「「アジアを代表するエネルギー・素材企業」「事業構造の変革による価値創造」「低炭素・循環型社会への貢献」という3つのありたい姿を掲げ、2040年度までに自社排出分のカーボンニュートラルを目指すことを表明しました。」(ENEOS TCFDより)

石油から水素や再生可能エネルギーに内容をシフトし、今と変わらずエネルギー事業と関連する素材事業でトップ企業で居続ける。

そのために事業構造を変革することと、既存事業の低炭素化とリサイクルを推進し2040年には企業としてカーボンニュートラルを達成すると言っています。

この動きを取り巻くリスクとしては、

1. 日本の2040年のエネルギー需要は2017年の半分になる。
2. 現在排出している1,700万トンのCo2を排出権の購入(炭素クレジット)で解決する場合には毎年900億円が必要

直近の決算でENEOSは1,140億円の経常利益がありますので、900億円を支払うことは可能です。しかし、排出権を買うためにビジネスをする様な状況になってしまいます。また、今の石油製品の売上は2040年に向けて半減して行きますので状況はさらに厳しくなります。

3. 石油上流資産の座礁化

石油や天然ガスを安定的に調達するために、資源開発として油田の探索や採掘権の取得などを行い資産として保有しています。この資産が不良在庫となってしまうリスクもあります。

しかしこの点については、現在確保している資産が約10年分の販売量であるため、石油製品の売上が下がったとしても売り切れる見込みとなっています。

ENEOSが目標を達成するために今後進める事業の方針は以下になります。

1. 現在の石油製品の生産を効率化及び低炭素化していく。
2. 水素や再生可能エネルギーの生産や販売を拡大していく。
3. 銅の資源開発や精錬については、デジタル社会の広がりにより需要が伸びるので低炭素化しながら拡大していく。

これから正念場となると思いますが、富士フイルムの様に事業構造の転換に成功して欲しいですね。StaySDGs!!
#sdgs  #えねごりくん #事業転換 #staysdgs

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