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産後サウナ③渋谷SAUNAS

もう2ヶ月前の3月下旬にサウナスへようやく行ったときのこと

ケロサウナが最高だった


第一印象、都会のサウナってなーんかsophisticatedだなぁ〜
悪い意味でもいい意味でもなく
人を選びおしゃれで落ち着かない。悪い意味だな。

都会とローカルじゃ人が違うし、街が違うし地価も違うし、流れる空気が違う。だからサウナも違う。

小洒落た音楽がわたしにはスーパーで流れてる有線にしか聞こえない。

作り物のセットのようで、外気浴スペースがまるで清里の作り物タウンみたいでハリボテのようで、なんかとにかく落ち着かない。

でもそれを楽しむのが都会のサウナだしコンテンツとしてのサウナだしとっても面白いなぁ。だけどどこかで馴染めないっすよね〜
と思ってた

サウンドサウナ
おしゃれな音楽。置いていかれる自分。馴染めない自分がちょっと小さく感じたりしてなんかやっぱ落ち着かん。

まぁ全部のサウナとりあえず入ってさ、と思って最後にケロサウナに吸い込まれた。
吸い込まれた。

先客がいたけどすぐ出て行ったその2m×2mの空間に私とストーブの2人きりになった。ケロサウナだけはBGMがなかった。いるのはわたしとストーブだけ。
浅い柄杓で水をかけるとストーンはジュワーと言った後にぱちぱちぱち、パキパキパキと音を立てた。

あまりに気持ちのいいサウナで興奮がおさまらなかったために柄杓からは水がこぼれて少ししかかけられないから興奮に突き動かされるように私はなんども柄杓に水をすくってはかけ、すくってはかけ、その度にストーブは何かぶつぶつ言っていてなんとも楽しかった。

立面的にとっても広くて平面的にとっても狭いこの渋谷の真ん中のさらに真ん中あたりにある3階の4平方メートルはわたしとストーブだけしかいない切り離された空間だった。
そこには静けさがあって私は1人だ、1人だけだと
実感させてくれた

蒸気の温かさが体を包んで汗が水蒸気由来の水滴と混ざって体をなめらかに伝って気持ちいい、暖かい、心臓が体を泳ぐ。

そのうちストーブの口数は少なくなっていって部屋に音がほとんどしなくなった。
わたしは わ と声を発してみてたしかにそこに私しかいないと確認したりしてみた。

渋谷の街に浮いているような気分だった。
その立方体だけが街に浮かんでいてその中に私も浮かんでるようなそんな気分。

このままずっとずっと一緒にいてくれと思ったけど体温が無常にも上がっていく。
ずっと一緒にいたら死んでしまうから気持ちがいいと思えているこの気持ちを大切にこの部屋から出ることにした。
さようならケロサウナ
もう会うことはないかもね

ドアを開けると向かいのサウンドサウナの音が
耳に入ってくる。歩いていくと人とぶつかりそうになる。そうだここは喧騒の渋谷。さっきのは夢だったのかもしれない。

水風呂に入ると熱が体から猛スピードで逃げていく。さよなら、さよなら、ぷくぷくぷく。それでも体に残ってくれる残り香のような熱を抱えておしゃれなBGMのながれる建築空間で外気浴するとゆっくりと熱が自分に元々あった体温と混ざっていく。心臓の拍動の間隔が少しずつあいていく。

さよならサウナス。またあえるかな。なんてったって高いんだよな。わたしはきがえるよ、渋谷に溶けれるように。
さよならサウナス

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