ポルノグラフィティに対する不満

『続 ポルノグラフィティ』
ポルノグラフィティの17回目のライブツアー。私は栃木と東京1日目に参加した。
そこで感じた不満を書く。これはおそらく、参加者全員が思っていることであり、異論に感じるものはいないだろう。

ポルノグラフィティは事故のように我々に会いに来る。
時にアニソンから、時にドラマ主題歌から、時に音楽番組から

アニメソングを例えに出すと、鋼の錬金術師、BLEACH、僕のヒーローアカデミア、GTOと幅広い年代で有名アニメソングを担当している。
これはもう事故というより、思春期特有の現象になんじゃないだろうか。

故に誰もが『ポルノグラフィティ』と遭遇することは今後も確実なことなのだ。
現に今、興味がないと思っている人も来るべき『ポルノグラフィティ』に備えるべくご一読いただきたい。

UNFADEADからおおよそ3年ぶりのツアー。神vs神を挟み、コロナの影響で長らくライブが行えていなかった。岡野さんはソロ活動を中心に活動していた。
ポルノの動きとしては、ファンクラブ限定公演、それをオンライン中継するロマンスポルノがあった。そこからの再始動。期待値は止まることを知らない。
まず宇都宮からだ。思えばここから不満はあった。

結論から言えば、素晴らしかった。

コロナの中、何度もドーム公演の音源を聴き、あの日の光景を思い出していたし、私はあの日から動けていない。地縛霊の様に脳内でライブを再生する毎日だ。
あの日、私は初めてロックスターのライブを見たんだ。東京ドームを、所狭しと駆け回り、客席に声を飛ばす。

初めてポルノグラフィティを見た『ポルノグラフィティがやってきた』から、ツアーやライブは毎回参加してきたが、神vs神はその中でもダントツで心に刺さった。

その、ロックスターが今目の前で。新しい演目でライブをする。
あの日から、世界は大きく変わった。『ライブは生き物だから!』と、思っていたのに、急に開催すらされない日々が続いて、音楽そのものに影が差した。

でも、今目の前で音が鳴っている。晴一さんがギターを弾いて、昭仁さんが歌っている。
コロナで世界が止まってしまったのも事実なら、今この場所でライブが行われているのも事実だ。

確かに日々は動いていた。

誰もが思うように前に進めない時代に、『よく頑張ってここまできたね』とポルノは曲を通して、背中を優しく叩くような空気でライブは幕を開けた。

「本当に君たちは素晴らしいよ。」

「動いてない期間もあって、宇都宮にライブに来れてない時間があって、僕たちは今日君たちに怒られてもおかしくないと思ってきてるけど、こんなに暖かく迎えてくれてありがとう」

「何度も言うけど、君たちは本当に素晴らしい。今日という素敵な時間をくれてありがとうございました!」

ライブ全編を通していつもより多く、「頑張ってきたね」と「ありがとう」をくれた。

「俺たちのかっこいい今を見て!」の側面より感謝の側面が見えて、

「ありがとういうのはこっちなんだけどぉぉぉぉぉぉ」

と涙腺と共に気持ちが溢れた。
地方公演にも何度か足を運んだこともあるけれど、今までのどのツアーとも違い、暖かさに溢れて、明日への活力になるようなそんなライブだった。

東京公演1日目。

先ほど帰宅したが余韻から抜けられない。それと共に宇都宮で感じた不満感は増すばかりだ。こちらも順を追っていこう。

今日は2回目ということもあり、比較的冷静に見れた。さすが東京というか、会場が大きいし、宇都宮と比べて人も多かった。武道館を乾燥機にかけて圧縮したような佇まい。

東京1日目は序盤から二人のギアが入っている。晴一さんがとにかく動く。「この人こんなに動くっけ?」ってくらい動く。

ポルノはロックバンドの側面とロックスターの側面を併せ持つグループだと思う。
時に背中を見せる漢のライブ。
時に今を一緒に駆け抜けるバンドのライブ。
そのどちらもかっこいいが、同じ演目でこうも変わるかと思った。

それでいうと、東京は完全にバンドのライブだった。今回の肝の一つに「救いのないコーナー」がある。バンドのセッションがギリギリとせめぎ合いながら調和している。
音の足し引き、アイコンタクト、サポートメンバーの動きに自然と目行き、各パートに「人」を感じた。

東京は宇都宮に比べて「今を楽しもう!」「僕たちはまた会えるよ」の側面が強い印象を受けた。同じ内容だったはずなのにライブを見たような終演後だった。

ポルノグラフィティは言わずもしれたトップアーティストなのだけれど、いつも我々のことを歌う。テーマソングの

私みたいな人

という言葉が好きだ。
この言葉だけで二人と同じ時代を生きて、同じ悩みを抱えて、同じようにライブをしたい、見たいと手繰り寄せた先がライブだったような気がする。

この規制された会場でどんなライブになるのか正直不安だった。緑のストラップを見たら余計に不安は増えた。

それでも、蓋を開けてみれば「僕たちもライブがしたかったよ!君たちがライブを見たいって思ってくれたから今日会えたね!ほら、一緒にすごいことしようぜ!」と同じ足並みの2人がいる。

ポルノは続く。
私たちの生活も続く。

続くという言葉は自分に当てはめられた時、何となく憂鬱な気持ちを持つ。変化がなさそうで、これからもこんな生活が続くのかもしれない。
それでも、続けた先に今日みたいな日があるなら、なんだか悪くないなと思う

あ、不満の部分ですか?
声出せない状況なのにこのセットリスト組まないでください。
あぁぁぁぁ ってマスクの下で声漏れちゃいます。

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