自分が得意なこと

 生来ネガティブな性格なので、自分には何も長所がないと思って中高時代を過ごしてきたし、事実現状でも目立つスキルを持っているわけでもないのだけど、ここ数年、大学や演劇を通じて様々な人々と知り合ってなんとなく分かったことは、自分は平均よりも漠然としたものや抽象的なものを言語化するスキルが高いってこと。

 はっきりとそれを実感したのは、尊敬する役者の方たち何人かに「言語化するのがとても上手いよね」って言われたこと。まあそりゃ表現のプロの人たちにそう言ってもらえたらすごく嬉しいし、そうなのかな?って思うよね。

 じゃあなんでそれができるようになったのか?って思い返してみると、小さい頃からどうしようもならない悩みや辛さに対して「何故?」を繰り返すことで凌いできたからだと思う。誰かに頼るとか暴力に転換するとかできなかったので、とにかく思考をすることで自分のメンタルを保ってきたんだろうなって思う。当時親からは「どうでもいいことを深く考えすぎ」ってよく言われてたけど。

 あとその能力を加速させたのは、やはり大学で社会学に出会ったからだと思う。社会学は人の気持ちとか社会の現象とかいうわけの分からないものについて、解釈を繰り返して言語化を行うという学問なので、文献を通して先人たちの言語化の手順を垣間見たからだと思う。実際言語化が上手いって言われるようになったのはB2,3のころからだったし。

 まあその能力が平均よりも高いって言っても、バズるような文章を書いたり、素晴らしいキャッチコピーを作ったりできるわけじゃないし、頭の回転の速さとか知識の引き出しの多さとか全然勝てない人たくさんいるし、結局僕はただの大学生でしかないけど、自分ができる範囲で、誰かを少しでも幸せに、世の中を少しでも良くできたらいいなって思うわけですよ。



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