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2021年の超過死亡と2022年の実態 Ⅰ

国立感染研が,毎月,超過死亡数および過少死亡数のデータ分析を公開しています。

詳細は省きますが,超過死亡数は,実際の死亡数から過去数年の死亡数より計算される予測(推定)死亡数を差引いたものです。
昨年からの死者数の増加のことを超過死亡と言う人もいますが(私も半年前までそう思ってました),前年比死亡者増加数と表現するようにしています。

過去の死者数の推移をみると,一定の増加傾向はありますが年毎のばらつきもあり,前年比増減だけでみると前年の死亡者が多かったか少なかったかが大きく影響します。
この点を考慮し,以前の記事で2021年の死者数増加について記事を書きました。

以下,独自の計算に基づき,2021年と2022年の超過死亡の実態と原因について考察していきます。同じ意見を他では見たことが無いので,間違っているかもしれませんが,一つの考え方としてご参考いただければと思います。

2021年の超過死亡

前回の記事の計算方法について,もう少し詳しく説明します。
前提として,死者数の確定値が公表されるのは何ヶ月も後なので,ここで用いるのは人口動態統計(速報)の数値です。確定値が速報値から何割も増減することは無く,千人単位で傾向を見ることには問題ないと考えています。
まず,2011~2021の総死者数の推移から近似直線を算出します。

Fig.1

Fig.1の近似直線の傾きから毎年①18,045人ずつ死者が増加していることが分かります。
死者の実数は,近似直線に対し,2020年は②21,316人の減少,2021年は③28,344人の増加でその差は④7,026人です。
2021年の前年比増加数は,Fig.1に示す通り
⑤67,705人=②21,316+①18,045+③28,344
となります。
2021年単年で見れば前年比67,000人超増加していて「戦後最多の超過死亡」と警告を鳴らす方も多いのですが,近似直線との差を見ると,2020年の減少分が2021年に増加した(通常なら2020年に亡くなってもおかしくなかった方が1年延命された)可能性が考えられます。
この場合,2021年の死者数純増は④7,026人で,過去10年の傾向と大きく外れておらず,2020年と2021年の2年間を合計して考えれば,死者数が異常に増加したとは言えないのではないかというのが私の考察です。

2020年の減少の理由は明確ではありませんが,コ口ナ自粛により病院に行く人が減り,不要な治療を受けなかったり,薬の処方が減ったりしたおかげではないでしょうか。

厚労省は,2021年末の💉後の死亡を1400人と発表していて「実際の💉後死亡は10倍以上」という話も67,000人の超過死亡であれば十分有り得ます。
しかし,死亡数純増が7000人程度であったとすると,💉後に何万人も亡くなったということは考えにくく,また,2021年末までに全人口の8割が💉2回目まで完了していることを考慮すると,1・2回目までは短期間で死亡に至るような即効性💉は特定のロットに限定されていた可能性が高いと考えられます。

また,2021年のコ口ナ死総数は15,000人と発表されていますが,純増の7000人を大きく上回っており,コ口ナ死でカウントされている方の多くが,コ口ナに感染しなくても亡くなっていた(亡くなった時にたまたま陽性だった)可能性が高いことが分かります。
(後述しますが,人工呼吸器装着実績からも同様のことが言えます。)

2022年の超過死亡

では,2022年の超過死亡はどうなのか。
上記近似直線は,当然年毎のばらつきはありますが,過去10年の傾向を示していますので,近似直線を延長すると簡易的に翌年の死亡者数をある程度予測でき,災害などの異常事態が何も起こらなければ,予測値が大きく外れることは有りません。
その予測値と実数を比較すれば,過去10年間の傾向からどれだけ外れているのかを見ることができ,単なる前年比増減よりも実態を表すことができるのではないかと考えられます。

2022年は8月までしか人口動態統計(速報値)は公開されていませんので,年単位ではなく月単位で近似直線から算出した予測値と実数を比較してみます。
2011年からの各月の死者数の推移と近似直線は以下のFig.2~Fig.5の通りです。近似直線の算出式も図中に記載しています。

Fig.2
Fig.3
Fig.4
Fig.5

Table.1は2022年の死者実数と過去10年の各月の近似直線を延長して予測した予測値,実数と予測値の差,実数の昨年比増減を月毎に表したものです。

Table.1

Table.1から,5月,6月の前年比増加数は計6,009人でさほど多くないように見えますが,予測値と実数の差の合計は13,557人で,過去の傾向から見ると多くの死者が出ていたことや,8月の予測値は2万人に迫る増加で実は2月3月より遙かに厳しい状況であったことが分かり,近似直線と比較することにより前年比では分からなかった問題が見えてきます。

この結果から,1~8月の死者増加数は,前年比では71,460人ですが,実数と予測値との差は79,456人となり,世間で騒がれている「超過死亡7万人超」よりもさらにヤバい実態が見て取れます。

また,Fig.6,Table.2は,1~8月までを合計して同様の処理をした結果です。

Fig.6
Table.2

月毎に計算して合計した予測値が950,974人,各月を合計して計算した予測値が951,178人となり,その差は200人程でほぼ同じ結果です。

感染研が超過死亡を発表するのは,正確な死者数が出てからなので数カ月以上後になるため,速報値を使って前年比ではわからない実態を早期にある程度明らかにできるのではないかと考えています。

今後,死亡者が激減し2020-2021年の逆のケースとなり,何らかの理由で1年早く亡くなる方が多かっただけ,ということで終わればありがたいのですが,各県の速報では,9月,10月も死亡者激増のようですので,そういうわけにはいかなさそうですね。

では,超過死亡の原因は何なのか?
次回,原因について考えてみたいと思います。

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