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モニターヘッドホン3種、聴き比べ

僕は人間の感度が低く、試聴コーナーや店頭の試奏くらいではちゃんと評価できないので、機材は大抵一度買って試すことにしてます。

以前から、現在制作中アルバムのプロデューサーの西(慎嗣)さんや「おじまピアノ」の小島さん(調律師)から、CD900STでモニターする危険性を伺っていたので、ずっと候補を選んでいたのですが、やっと購入したので、ちょっとインプレッションを。

SONY MDR-CD900ST: ずっと前から使ってる。言わずと知れたスタジオ定番モニター。評判悪いけど個人的には嫌いじゃないです。(ギターのネックの上の方のヤツ)
VICTOR HA-MX100V: これまたスタジオ定番の100-Z の民生版。西さんの推しヘッドホン。(ギターのネックの下の方のヤツ)
B&W P7: 世界最高峰と言っていいリファレンススピーカー「800シリーズ」の B&W が作ったフラッグシップ ヘッドホン(その後 P9 が出たけどね。右の AKG C414B に引っ掛けてあるやつ)。

比較用のソースは、死ぬほど聴いてるこの5枚。

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- Seeds in the water / MIXNUTS  (Rock ~Soul 系)
- The Köln Concert / Keith Jarrett (pf ソロ、Jazz系)
- Friendship / Lee Ritenour (Fusion)
- Abandoned Luncheonette / Hall & Oates (Pop)
- Tanto Tempo / Bebel Gilberto (Bossa Nova)

「P7 と 900ST」と「100V」は全く別のジャンルの物と言っていいかも。

900ST も分解能高いのですが、P7の分解能はヤバい。
The Köln Concert の1曲目の最初の部分、後で観客の声が聴こえるのですが、P7 で聴くとそれが本当にはっきり分かります。それに定位感が凄い。低音がこれだけ出ていて、かつ、この分解能はさすが、あの 800 シリーズの B&W だけあるな、と。

色んな所で「アンプメーカーにとって「B&W800シリーズをちゃんと鳴らしきれるか」が最終関門だ」というのを目にしますが、やはりアビーロード スタジオに置かれているのは伊達じゃないな、と。

ただ、それが好きかどうかはまた別の話。

・・・で、100V。
P7 と 900ST が「音」を聴くヘッドホンとすれば、100V は「音楽」を聴くヘッドホン。スピーカーで出したときに、空気でそれぞれの楽器の音が混ざり合う感じに近い。

P7 と 100V、どっちが HiFi か(もしくは HiFi に聴こえるか)というと P7。でも、100V はずっと音楽的に聴こえる。西さんも小島(おじま)さんも、ゼンハイ ユーザーなんだけど、その意味が分かった気がした。

900ST は、僕の周りではすこぶる評判が悪いんだけど(笑)、僕は嫌いじゃないんです。演奏の粗探しをするときや、ノイズチェックなどには凄く良いと思いますし(P7 はもっと凄いけど)。

ただ、今後マスタリングは、スピーカー以外でやる場合は 100V になるだろうなあ。音楽的だし、何より聴き疲れしにくい。
リスニングも 100V なら疲れなくていいし。

あと、理由がよくわからないんだけど、P7 は添付の変換プラグより、AudioTechnica の変換プラグを使った方がいい感じの音がする。なぜかはわかんない。

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