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琵琶二十四節気 夏至

2024年6月21日 夏至

一年でいちばん昼の長い日。
植物の成長は今が盛り、生き物たちも生き生きと活動しています。
いつまでも終わらないような長い午後を謳歌するように、鳥が歌い続けています。

今回の動画は長い一日のように、少し長くなりました。

啄木


琵琶が大陸から日本に伝わって来た始めの頃の古い曲に、「啄木(たくぼく)」という曲があったそうです。啄木とは鳥のキツツキのことです。秘曲とされていたその曲の伝承は随分前に途絶えてしまいました。近年復元の試みがなされています。

この「啄木」、元々の曲も復元された曲も、薩摩琵琶で弾く曲ではありません。
しかし、薩摩琵琶もそのルーツは大陸から伝来した琵琶に辿り着くのですから、温故知新の精神で、挑戦してみたくなりました。
この動画はその試みでもあります。

その曲「啄木」の中には、
「啄木の音」「鳴飛の音」そして「下食の音」という三つの秘伝の奏法が入っていたそうなのです。特殊技法ということでしょう。

「啄木の音」はキツツキが木を突く音、「鳴飛の音」は鳴き声か?と何となく想像できますが、
「下食の音」とは何でしょう?

下食の音🟰流星の音、という説明がされていることもあります。
流星の音?

下食を調べると
「下食日」
天狗星の精が下界に下って食を求める日。
というのがあり

「天狗星」を調べると
音を立て落下したり地上に落ち燃えたりする大きな流星。天狗流星。

とあって、
これは、ロマンチックなキラキラ流れ星、というようなものではなくて、
もっと大きい、ドーンと落下音がするような流星なのではないかという感じがします。
(あくまでも文字からの推測ですが)

動画の中では、
途中、バリバリと空に音がして、森が一瞬静かになる。
というような表現にしてみました。

曲のテーマであるキツツキは、新潟市の市街地でも出会う可能性のある小型のキツツキ、コゲラの声と音を参考にして、それに近い音を出す方法をいろいろ試して演奏してみました。

新潟の水辺、清五郎潟の小鳥の鳴き声と合わせてみたところ、馴染みすぎて、どれが琵琶の音かわかりにくい部分もありますが、
冒頭の曲が始まる前の「ジージー」という音と、
いちばん最後の「コン コン コン…」は琵琶の音です。

古の曲「啄木」に思いを馳せて現代の感覚で作った曲、として、
お聞きいただければと思います。



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