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Up Poompatは『Hoon Payon フンパヨン』出演を通じて“特別な子”への理解を深めるという貴重な経験を得た


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 若手俳優 Up Poompat Iam-samang が、新境地を揺るぎないものとしました。彼はつい先日、Mike Phontharis Chotkijsadarsoponが監督を務めたファイブスター社のホラー映画『フンパヨン』で“特別な子”の演技を求められることになりました。

 この役を演じるにあたり、彼は自ら進んで特別な子達について資料を調べたり、彼らと交流して学ぶことによって入念な準備をしたのだと語りました。また彼の演じる特別な子“Tae”は、キャスティング初日と現在において大きく“異なる”のだと語り、さらにたゆまぬ自己研鑽をしていくと誓いました。

◆与えられた配役

 僕が演じるのは、寺の老僧が養育した特別な子Taeです。彼は記憶力にとても優れ、憶えたお経を上手に唱えます。それに加えて、彼には塑像に関するエピソードもあるんですよ。この村には彫像を崇める信仰があり、Taeは数多くの像を目にしますし、村の彫刻家であるP’Nick Kunatip Pinpradapをよく見ています。それでTaeも土いじりが好きになって、粘土を始終手放さずにいじっているんです。

◆特別な子を演じるための素地作りは骨の折れる作業でした

 ピンクラオにある財団法人に行く機会がありました。その財団にはMike監督や演技指導の方々と一同で揃って訪れ、特別な子たちと時間をかけて話をしたり、膨大な資料をリサーチすることができました。財団の理事長ともお話しする機会がありましたよ。本当に大変な下準備でした。
Taeに使えるようなたくさんの知識を得ましたね。視覚的に言えば、体に関することや表情、目の動きなど様々ありましたが、僕からすればそれらの知識を得たことが、とても素晴らしく感じられたんです。お陰で役への理解をさらに深められましたし、もし彼らや理事長とお話しする機会が無かったら、僕はこんな風に役を掴めていなかったかもしれません。一生に一度の凄く貴重な機会だと言えますよね。訪れることができて嬉しく思っています。

 これまでに幾つもの外国映画を観てきました。「The Good Doctor(邦題:グッド・ドクター 名医の条件)」のような特別な子を扱ったドラマや「Side by Side(พี่น้องลูกขนไก่)」のP’Tor Thanapob Leeratanakachornの演技も見ましたよ。彼の役柄も特別な子でした。
それに財団にも同様に、学んだり語り合える子たちがいました。
彼ら“特別な子”たちに会いに行ってから、僕は思うようになったんです。彼らは他人に対して気配りのできる、思いやりのある人たちです。彼らは絶えず心を隠さず話をしてくれました。事実として、本当に素敵な人たちなんです。僕が学んだことの一つは、彼らは話し方や目の動きは似ているかもしれないけど、実際には一人一人違いがあって、興味を抱く物も違う。
これらの点から、僕はこのキャラクターをどう役作りするかを知り、この役を演じることで特別な子について理解を深めることができた。それはとても大切な事だと思うんです。もっと学んでみたいという方、財団にはすぐに行けますよ。オススメです。

◆新たなる挑戦

 この役は僕にとってとても挑戦しがいのあるものでした。お話ししたように、感情面と体での表現、その全てにおいて挑戦的だったんです。Taeというキャラクターで表現するまでに、膨大な多岐に渡る資料をリサーチしたり、特別な子たちに会いに行ったり、様々な情報源からデータを探し求めたりと、本当に多くのものを通じて掴み取りました。僕はもともと学究肌タイプなんです。学問を探究することに惹かれてしまうんですよ。

 キャスティング初日と現在において、僕のTaeは大きく違っています。全く異なりますよ。より複雑で難解になり、多層にアイデアが重ねられたキャラクターになりました。もし僕が最初に理解していた段階での点数を比較するなら、その時点での理解は2点だったと思います。でも何についてであれともかく学びました。10点満点であるならば、6、7、8点までは学んだかな。8点まで到達すると、わかるんですよ。10点満点じゃないな、100点満点なんだって。僕はまだまだ理解しきれていない。
そうやって演技だけじゃなく、あらゆる新しい知識について、僕らは皆、自分の成長を止めてはいけないんです。

 最初に映画のオファーが来た時に、やれるだろうかと考えました。でも大丈夫だ、ワークショップをする時間もあるし、調べる時間もある。やってみようと思いました。映画作品として、今回が初出演になるんです。すごくドキドキワクワクしました。お話ししたように、挑戦しがいのある役ですから、とにかく心血を注ぐことになりました。今日こうして完成作品を目にして、同じく興奮しています。観客が何点を僕に付けるのかを、目の当たりにするんですよ。

◆表裏一体の恐怖

 撮影の雰囲気は最高でした。第一に、恐怖がリアルに存在する場所だということ。アジャーン・スアン修道院、ワット・クロックケーオ・ウォンプラジャン(チャチューンサオ県)、カンチャナブリー県のプラタート・ボーオーン、こういった場所は歴史に基づいた事実によって恐ろしくて、人の遺骨の入った彫像がたくさんあるんです。撮影中はものすごく怖かったですよ。

◆ファンに伝えたいこと

 まず最初に、僕がこの芸能界に足を踏み入れてからチャンスを与えてきてくれた諸先輩方や関係者の方々に感謝しなければいけません。「転校生ナノ」で演じ始めて、厳しくて大変だったから、今回の「フンパヨン」に至るまで少しずつ、僕は成長し続けて来れました。それぞれ異なる配役で、向上し続ける機会を与えてくれた皆さんに感謝しています。僕は嬉しくてたまらないんです。自分の研鑽を止めることは決してないでしょう。それは僕の変わらぬポリシーです。

 映画「フンパヨン」については、反響を期待していないとは言えません。期待しているんです。でも何であれ僕達はベストを尽くし、制作チーム一同本当に精一杯やりました。この作品を通じて、僕達の頑張りが伝わると思います。
それにストーリー展開が興味深いだけでなく、僕のTaeを含めたどの登場人物にも“コンプレックス”があるんです。映画館に観に行かないといけませんよ!


 映画「フンパヨン」は、Thamの物語である。彼はドンシンタム島で出家して僧侶となったという兄のTeeを探しに来て、呪(まじな)いを像に奉献する彫刻家Jateと出会う。Thamは僧侶や村人の噂話から、Teeが寺の住職を殺して逃げて行方知れずになったと知るが、信じようとはしなかった。また彼は祖シンタム(พ่อปู่สิงธรรมは「父+夫の祖父+シンタム」となるのですが、この訳が正しいかは不明です)が宿る彫像への信仰という奇妙な風習も、事件が起こるまでは信じていませんでした。村で若い女性が一人行方不明になる不幸な事件が起き、人死にが出て、ついには村人達が崇める祖シンタムの像が破壊されるという最悪の事態が重なり、村人達は怒って犯人を呪い追い詰めるための儀式を準備していきます。

 迷信を軽視するなら、信仰に立ち向かい、目に見えないものに直面する覚悟が必要です!『Hoon Payon フンパヨン』 は間もなく、劇場でご覧になれます。

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補足) “コンプレックス”と訳しているปม[pom]ですが、狭義の「劣等感」ではなく本来の「心理的な構成要素の絡まり合う複合体」の意味で使っています。
各登場人物が複雑な心の衝動・欲求のようなバックボーンを抱えているから、奥深くて面白いですよ。そう言っているのかなと思っています。

ドンシンタム島 の単語からのイメージ。
  ดอน[dɔɔn]ドーン(ドン) 「高原、小山」
  สิง[sǐŋ]シン 「取り憑く、呪われた」
  ธรรม[tham]タム 「仏法、真理、美徳」
→つまり、彫像信仰に取り憑かれた島、的な?

元の記事はコチラ↓



※フンパヨン記事は今回4つ一気にnoteに投稿しています。
※หุ่นพยนต์(Hoon Payon)原題を直訳すると「呪術人形」。
※タイ→日訳となっています。
この記事は昨年X(Twitter)上で公開していたものを、noteで再公開しています。素人が趣味で訳していますから、誤訳はある程度お許しください。


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