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俺はこんなもんじゃない

という、バンドがある。

初めて見たのは高円寺のライブハウスだったのではないかと思う。
なにしろ15年以上前のことなので、うろ覚えである。

その時の対バンの名前はどうにも思い出せないのだけれども
ドレッドヘアで長身の男が、ボルテージがあがりまくって途中で全裸になり(そもそも初めから股間に貝殻1枚まとって?いただけだった)
それをとがめた観客(多分どっちも酔ってたかなにか、シラフの感じではなかった)とつかみ合いになり、ステージから降りて軽く乱闘のようになった

その時私は当時の彼氏と、よりによって私の父親とそのライブに来ていて(まあ、そういうのOKなタイプの父なので、よりによってということもないが)
これまた長身なその元彼が「お父さん危ないから下がってください」と言って真顔で父を守ってくれようとして、でもさすがに途中でちょっとにやけていたなあということを急に思い出した。

その名をここに書くのもはばかられるような、サブカルという言葉さえ陳腐に響く、どアングラなライブハウスにも出入りしていた時期だった。
当時少しだけ交流があった、私より1つ年上のフォークシンガーは、昨年FUJI ROCKに出演していたみたい。サインもらっておけばよかったわあ。

そんな思い出にひたりながら、先ほどちょびっと検索したら、15年前と同じテンションで活動している人たちのHPにぶちあたり、胸が熱くなったところ。
大げさでなく、まじめに純粋に音楽を愛し続けている人たちがたくさんいることに感動した。

それで、今日ここでいったいなんの話がしたかったかと言うと

なんでもない毎日の中で悩み、もがき、苦しむ時に
自分に対して「俺はこんなもんじゃないとでも思ってるんじゃないのか」という自問自答が生じるということに気付いたということ。
本当の私はこんなダメダメのぐずぐずじゃないのに、誰もわかってない。
私はもっともっと磨けば光るんだから。
私はこんなもんじゃない。俺はこんなもんじゃない。俺はこんなもんじゃないんだ。

いや待って落ち着いて、磨いても拭いても、あなたはあなたのままだから。
今より光ったり輝いたりすることはないよ。それが等身大で生きるということ。ダメぐずの自分もそのまま受け入れよ。

また自分に「俺はこんなもんじゃないって思ってる」と気付くと脱力するというか、全裸乱闘事件を思い出してクスリと思い出し笑いしてしまう怪しい人になる。

俺はこんなもんじゃない、俺はこんなもんじゃない
そう思っちゃうよね、って自分に半笑いで呼び掛けるのが、最近の私のセルフ・コンパッション(自分を思いやる練習)のようです。

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