最近の記事

2024年3月26日

降り方の激しさに比例し、途切れることなく、それなりの速度で打ち付ける雨音が、うさぎが水を飲んでいる音に聞こえる。 ありきたりの美談は得意ではない。 お涙頂戴も苦手である。 ただ、事実をありのまま伝えるドキュメンタリーに胸を締め付けられたりハートをわしづかみにされたりすることはある。 「虹の橋のたもとで亡くなったペットが待っている」とは、どこかで聞いた話だった。 これも、今までのは私は気休めに過ぎないと思っていた。 3月17日。 6年間連れ添ったうさぎ、リリィにガンが見つ

    • 2023年11月1日

      今年15歳になる息子が生まれる前から、ホームベーカリーでパンを焼いていた。息子が生まれてからは、天然酵母を作ってさらにパンを焼いた。 都内のヨガスタジオに所属していた頃は、パンの人と呼ばれていたほどに、焼いていた。 ホームベーカリーの羽の跡がついたままの食パンを一斤500円で買いたいという人まで現れて、ただ材料を放り込むだけなのにいいのかなあと思っていた。 そしてパン作りは、私の心身のバロメーターとなる。パンが作れない時は、余裕のない時。こね、発酵、成型、二次発酵…計算

      • 2023年10月28日

        ここ数日元気がない。 好きなバンドのひとつ、BUCK-TICKの櫻井氏が急逝したために、自分のショックの大きさにもショックを受けている。 私が音楽を聴き始めた10代の始め、黒服という言葉があった。水商売のそれとは異なる意味で使われていたそれは、中世ヨーロッパの服装を真似た格好を指すものだ。 服が黒くて化粧をしていればヴィジュアル系という見立てもあることは承知しているが、そのあたりの音楽を掘り下げた者の言い分としては服が黒くてもヴィジュアル系ではないこともある。音楽はヴィジ

        • 2023年10月15日

          懐かしいな、と思った。 天然石の箱を開けて、参加者さんに石の説明をする。 黙々と選んでもらっている間、大人しく待つ。 お茶を淹れて、少しだけお話しする。 石をつないで輪っかにする。 喜んだ顔を見て、安心する。 1人になった部屋で、石を眺める。 それが、懐かしい、と思った瞬間だった。 かつてスタジオとしていた建物には、別のフロアに家族がいた。先日突然契約した新しいスタジオは、同じ建物に他人しかいない。この部屋は私のものでしかない。 ここを訪れる方達のことだけを考えれば良

        2024年3月26日

          2023年10月2日

          昨年の7/1には、サトヴィカ・セラピールームを駅の反対側のセシーズイシイ7ににオープンした。 とり吉でバイトを始めた。 8月に離婚、9月にサトヴィカ・ヨガスクールをたたみ、引越しをした。サトヴィカは新城神社クラブに移動した。例大祭は行われなかったものの、初回のレッスンで予約した日曜、神輿が出るから今日は貸せないとレッスン開始の直前に言われ、泣きながらたたんだはずの旧サトヴィカに戻ってレッスンをした。 プライベートレッスンは灯台屋の2階を借りて行った。 10月、とり吉、牛吉、ム

          2023年10月2日

          2023年9月13日

          夫と休みが合った日。 森に行きたい私とジブリの映画でも観ようかという夫。 いきさつは省くけれどもミニシアターで「福田村事件」を観ることになり、観る前は終わってから森に行こうと思っていたもののもう運転する力が残ってません…というくらい映画にグッサリ心をえぐられた。 残虐シーンが続き、これが現実にあったんだから!目を背けないで!と自分に言い聞かせつつ吐き気を催し途中退席、気を取り直し、戻って最後まで。 戦争という名の人殺し、人種差別、流言飛語の大問題、プロパガンダ、言論統制

          2023年9月13日

          2023年9月11日

          ある場所で心理テストを受けた。 絵を描けというので、露骨に嫌な顔をしてしまった。絵は苦手だ。なんとか描いた。 やりたいことがたくさんあってエネルギーに満ちているように見えるけれども、中身が空洞であると。 空洞です、と ゆらゆら帝国の曲が脳内再生された。 今私がやりたいことは、私の本心が求めていることではないのだ。 生きるためにやらなければならないことがたくさんあるというだけなのか、なんなのか、正確なことはわからない。 中身は空洞。 土台が安定していないとも言われた。

          2023年9月11日

          2023年8月17日

          昨年、離婚したと思ったら再婚をした。 世間の見る目はそこそこ気になったけれども、籍を入れないと言う考えはなかった。 ただ、いつ入れるかは決めていなくて、何年後かな、そのうち絶対ね、という話をしていただけだった。 仕事場と子どもたちの家の近くに住みたい私のために、少し離れたところに住む夫が引っ越そうと言ってくれた。 良い家が見つかって、夫の同居人として申し込もうとしたら、この家に住むには家賃×何倍の年収が必要で、同居人同士の場合はその年収の半分ずつの収入があればいいと言われた

          2023年8月17日

          2023年8月2日 Tallahassee日記

          Tallahasseeというお店をはじめて1ヶ月が経った。 光の速さで日々が過ぎていく。 こんな濃い人生になるとは思わなかったと、毎年思っている。 1年前の今頃は、明日のことを考えるので精いっぱいだった。 ヨガスタジオを閉店して事業を縮小して、生活のために派遣社員として半年働いた。 今なぜか飲食店を経営している。二足のわらじ、一応どちらも脱げずになんとか歩いている。もとい、猛ダッシュをしている。 大好きな音楽を聴きながら料理をして、お客様と話して、それが仕事である。 お

          2023年8月2日 Tallahassee日記

          2023年5月30日

          少しばかり調子を崩している。 数か月前から生活が一変し、コロナは終息したのかどうか、街に人があふれ、なんだか息苦しい。 そしてタスクが多い。 昨年はのんびりしていたなと思うけれども、かわりに収入が少なかった。 仕事がなかったからのんびりしていただけだ。 いつまでもそうはしていられないと仕事を増やしたところ、家庭環境の変化もあって、気が付いたら私の思う10人分くらいの量になってしまった。 「休みがない」が口癖になってしまった。 夜になるとお酒を飲んでは言いたい放題、よくな

          2023年5月30日

          2023年5月29日

          昨夏、私の文章を読んで傷つく人がいる可能性について考えだしたら、何も書けなくなってしまった。 20代の前半から、とりとめのない文章を書いていた。 日記なのかブログなのかわからない、日々思うこと、感じること、書けば書くほどそれが気になって、42歳にしてついに筆を置いた(正確には、ノートパソコンを閉じた)。 たまに、気まぐれになにか書いては、また置いた。 今、再開しようと思ったのは、自分の中に積もっていく伝えたい思いが限界までたまったから、だと思う。 昨夏、離婚して、子ども

          2023年5月29日

          人生を変えたカフェ

          近い将来、新城で、飲食店を経営することにした。 できるのか?という心配はこの際しないことにする。やりたいし、やるしかないところまできたのだから。 恩人と慕っている人たちからの、突然のありがたすぎるお誘いがあったのだけれど、きっかけは「新城に来てからのことのすべて」だとも思う。 さらなる直接のきっかけは「バツあり会」という離婚経験者の集い…ありがたすぎてもう言葉にならない。

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          人生を変えたカフェ

          なんとなくなのに大恋愛

          この夏、出雲大社に行くことになった。 長くあこがれていた場所は、ふいに身近となった。 夫が、隠岐の島の出身なのである。帰省するには、まず羽田から出雲空港を目指す。 今回、身内の慶事で出雲に招待されるという幸運。

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          なんとなくなのに大恋愛

          2023年3月25日

          半年ぶりに、息子との同居が始まった。 今年の2月、国民健康保険医療費通知書というものが、前の家庭に送られた。 離婚前の私の国保での受診履歴が、当時の世帯主宛に届くというそれには、私の現在の姓=離婚後に再婚したために、もとの家族は知らないはずの情報が載っていた。 離婚後に再婚した場合、離婚前の夫は再婚後の私の戸籍を追うことができないシステムとなっているのだけれども、国保はそれを飛び越えて、私の再婚をバラしてしまったのである。 面会と称した子どもたちとの居酒屋での食事の時に、

          2023年3月25日

          2023年1月8日

          かつて行き付けだったバーで、今日初めてシラフで過ごした。 午前中のヨガのクラスを2コマ終えて、近所のピッツェリアへ。土日だけランチタイムも営業しているのである。バーテンダーの店主は、サービスのお冷を注ぐ時にまで腕の上げ方が完璧に決まっていた。それだけで、ただの水が特別な水のように見えた。 「酒をろくに飲まないなんて」「つまらない女になりましたね」最近飲酒量が減った私に向かって、愛嬌たっぷりに憎まれ口をたたく店主2。リップサービスも完璧だ。

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          2023年1月8日

          好きな場所で好きな人と好きなことを

          生きづらさを感じているあなたに共感してもらいたくて、今日も綴る。 ヨガの仕事をセーブして、10年ぶりくらいのオフィスワークをはじめて早1ヶ月。 一緒に働く人たちは皆本当に良い人だ(ほっ…)。 ひとりでPCに向かって黙々とできる仕事が多く、実はカラに閉じこもりたがりの私には合っていると思う。 会社のある街はとてもにぎやかで、10年ぶりにアフターファイブの買い物なんか楽しんでいる。 悪くない。 だけど。 電車がしんどい。 最寄り駅からJRで30分乗るだけ。乗り換えなし。

          好きな場所で好きな人と好きなことを