エレクトーンのサウンドを華やかにする「ブリリアンス」について解説
こんにちは! オンラインエレクトーン講師の武井悟です。
本日は、現行のエレクトーンシリーズにあるパラメーター「ブリリアンス」について説明していきます。
○「ブリリアンス」とは
輝きや明るさを意味する英単語そのままの「ブリリアンス」ですが、実はエレクトーンのどこを見ても日本語では書いてありません。
「ブリリアンス」の設定がどこにあるかというと、各ボイスのボリューム調整ボタンの横にあるもう一つのボリュームみたいなやつ。これがブリリアンスを調整する部分です。
よく見ると英語で「BRILIANCE」と書いてありますね。
説明書にはブリリアンスについて
と書いてあります。
音の明るさを簡単に調整できるのが「ブリリアンス」ということですね。
実際何度か触っていれば気づけるくらい音の変化に気づきやすいパラメーターです。
○アナライザーでみてみる
音の「明るさ」とはいったいどういうことなんでしょうか。パソコンに接続してスペクトラムアナライザー(音に含まれている周波数を分析して表示できるもの)を使って鳴らした音を見比べてみましょう。
こちらが起動直後、初期化状態の上鍵盤の音です(イニシャルタッチ、アフタータッチのみ0に変更しています)。ブリリアンスの値は真ん中です。
縦軸が音量、横軸が周波数です。
300ヘルツあたりに基音(私たちが認識する音程)があり、その上に規則正しく倍音(音色をつくる音程)があることがわかると思います。
続いてブリリアンスの値を最小まで下げた状態を見てみましょう。
赤線を引いた1k(=10000ヘルツ)と書いてあるあたりからのかたまりに注目してください。さきほどより少し表示されている高さが低くなって、音量が下がっていることがわかります。
今度はブリリアンスを最大にしてみましょう。
最小の状態と比べると明らかに倍音が持ち上がりました。
これらの画像を見てわかる通り、音の明るさとは倍音の大きさを表しているようです。
もっと簡単に言うと、高い音が多く含まれているほど明るく感じるということですね。
○ブリリアンスの活用例
音の明るさを簡単に調整できるブリリアンスですが、具体的にどんなときにどんな設定をして使えばよいのでしょうか。
まず、初期化状態にすべての音群で真ん中に設定されていることから、真ん中が基準、ニュートラルな状態と考えてよいかと思います。
そこから音を派手にしたいときは1目盛りずつ上に(ブリリアント)、逆に主張しすぎていると感じるときには1目盛りずつ下に(メロウ)調整していくといいでしょう。
金管、弦、シンセサイザーのような華やかなサウンドは少し上げ目で設定することが多いです。
下げ目に設定するのは、左手で伸ばしっぱなしのストリングスやパッド、楽曲の中で特に弱く演奏する場面の音などです。
また、2つの楽器を重ねたらそれぞれの音の良さがかき消されてしまった…みたいなときに片方だけ下げ目に設定することもあります。
ブリリアンスは物理ボタンで設定できるため手軽に使えますが、派手になるからといってあらゆる場面でブリリアンスを上げすぎると耳に痛いサウンドになってしまうので気をつけましょう。基本的には-1~+1、要所要所で+2くらいなイメージです。
より細かく、高度に倍音を調整したい場合は、エフェクト「EQ/エンハンサー」の「ST 2バンド EQ」などを使って調整しましょう。(いずれ記事にします)
以上、エレクトーンのブリリアンスについての説明でした。
メロディをちょっとだけ目立たせたいときや音がごちゃごちゃしすぎているときの引き算などに是非活用してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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