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銀河のスター【スタレ】感想

※崩壊スターレイルの冒険クエスト>ピノコニー「黄金の刻」の感想です。ネタバレを含みます。

【あらすじ】

ピノコニー黄金の刻で、主人公はたくさんのファンに囲まれている「レスリー・ディーン」と出会う。とりまきのファンによると「銀河のスター」とも呼ばれる魅力的な青年レスリーは、旅客船爆発事故により命を落としたはずだった。
  レスリーに話を聞いたところ、彼は奇跡的に命を救われたものの現実世界での出来事に心を痛め疲弊しきっていたこともあり、夢の国ピノコニーに辿り着いたという。
  しかし、クロックボーイの勧めによって主人公が彼の欠落した「悲しみ」の感想を呼び覚ますとそれまでの華やかで輝かしがったレスリーの様子がどこかおかしくなっていく。彼は「まるで自分が自分でないような」感覚がするといい、どうやって夢から覚めればいいのかわからなくなってしまったという……。


【ネタバレと感想】


主人公はレスリーの代わりに現実世界に戻り、ファミリーに彼の消息を訪ねますが、そのちぐはぐな対応を受け疑問を覚え再度黄金の刻でレスリーを探します。そこには、ハウンド家から夢境の「異常個体」として襲われている彼の姿がありました。
保安官らを追い払ったのち、レスリーは夢から目覚めたら何か恐ろしい「現実」が自分を待っている気がすると予見します。主人公は、レスリー自身がその「現実」を知る前に、現実世界での自分がどうなっているのか確認してきて欲しいと頼まれ再度現実のホテル・レバリーへ戻りレスリーの部屋を訪れます。
そこには、「銀河のスター」レスリー・ディーンのブロマイドやサインがたくさん。清掃員によれば、この部屋の持ち主は財産を使い果たし部屋代を滞納の上出ていったとのことです。部屋をくまなく捜索する中、主人公は「レスリー・ディーン復活計画」なる書面を発見。黄金の刻で出会ったレスリー・ディーンは憶質による「記憶の集合体」であり、本来の銀河のスターレスリー・ディーンはやはり既に亡くなっていたことを知ります。

  夢の世界のレスリーは、彼のファン達が余りに早いスターの死を受け入れられず、せめて夢の世界で生きていて欲しいと縋りついた願望の結晶だったのです。
  黄金の刻に戻り主人公は真相を伝えますが、レスリーは思いの外冷静にその事実を受け入れます。その上で「自分」という存在を作り出した1人1人のファンの想いを受け止め、彼等を元の場所に返すべく主人公に助けを求めました。
 「記憶」と「願望」により生まれた「レスリー・ディーン」の「自我」は、現実にあったスターレスリーよりもよっぽど成熟してみえます。現実世界で「銀河のスター」として銀幕で輝き続けるというのは、多くの批評や誹謗中傷に晒されることも多く心休まるものではなかったのだろうということが、「彼」を形成した人々ロバート、グロブローサそして元マネージャーのフローラとの物語を通じて私達は垣間見ることとなります。
  レスリー・ディーンに纏わる記憶を通して、実在しない「彼」は、その「記憶」と彼を想った人々の「印象」や「想い出」によって夢境世界に形作られたことを実感します。彼は「レスリー・ディーン」本人では当然ありませんが、ファン達の強い想いから自分を生み出してもらえたことに感謝します。
そして、そんな自分を形作った人達に愛で応え、元の人生に戻る手助けを行い、彼等が現実に戻っていくことで、夢の世界の自分自身が失われていくこともまた受け止めるのです。

失いたくないという願いの奥で自分自身を犠牲にしていた人達にまで手を差し伸べ、一縷の光をとどけるとても暖かいエピソードでした。
彼がそんなふうに「存在」出来たのは単にレスリー・ディーンの記憶だけではなく、彼を心から愛した人々の美しい夢あってこそのものだと思います。
どんな夢もいつかは終わりを迎え、それぞれの「現実」と対峙する必要がありますが、その現実に立ち向かう勇気こそ、「夢」が与えてくれるものなのではないでしょうか。
このような曖昧な存在は例えピノコニーにおいても許されないのでしょうが、レスリーが単にハウンド家に排除されるのではなく、主人公とともに自身の生い立ちを知り、受け入れることが出来てよかったと思いました。
 なかなかに惨い「ピノコニー」の物語の中で、希望のあるエピソードに思えました。わたし達もまたピノコニー、ひいては崩壊スターレイルという「夢」に希望を貰って現実世界と向き合える力となればと思います。

ちなみに、元ネタは映画「エデンの東」で主演を務めた俳優「ジェームズ・ディーン」。24歳の若さでこの世を去り伝説的な俳優となった方。短い命でも人々に与えた感動は時代を超え受け継がれていくものですね。

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