ISFJという人間

 そんなふうに生きてて疲れませんか?
 まあ生きてて疲れない人なんていないだろうけども。

 例のごとく、無理を言って母に診断を受けてもらった。結果はISFJ-t。意外だった。もちろん母は優しいので、ISFJというところに異論はなかったが……-tと来たか。
 後ろ向きなことをグチグチ言って、いろんな理屈をつけて動かなかったりする口だけ人間の自分にとって、母は、どうにかして自分を前向きにしようとする、前向きの化身のように見えていた。

 自分としては都合がいいのでネガティブなことを言うこともある?たとえば「○○するとみんなにどう思われるかわからない」と言ったとすれば、100%これが虚偽という訳ではなく、こういった思想も生まれるだろうな、という予測の元話しているわけだ。
 まあだからと言って自分の主張かと言われると知らんけど。

 これについて母は、無理に責めたりしなかった。なんなら自身を責めていた節がある。時折謝ってきたのも印象深い。
 自分にもなけなしの良心というものがあるので、自分の発言や軽薄な行動によって母を傷つけてしまうのが怖かった。怖いのにやめられなかった。

 母のことはよく分からない。家族を優先する人だ。自身のことをあまり顧みない。文句もほとんど言わない。
 生きてて楽しいんだろうか、つらくないんだろうか、なにが好きなのか嫌いなのか、全く分からない。聞いても「楽しいよ、つらくないよ、あなたたちがいるから」「あなたがくれるものは何でも嬉しいよ」なんて、まともに答えちゃくれない。まさか本音ではあるまいし。

 母に対して正直どう接していいかわからない部分がある。実直で温厚な自分を見せたいのに、気を許しているからかうまくいかない。
 嘘をつきたくないのに、小さな嘘をついてしまう。自分の性根が腐っているので、こういった善良な人間に相対するときどうしていいのかわからないのだ。

 すべてのISFJに対してこんなことを思うわけじゃない。その辺の関わりのない他人なら、適当にいなすこともできたかもしれない。知らんけど。
 不幸なことに母は自分の母であり、自分は母のことが好きなのだ。いやね、方向性とか色々合わないところはありますよ。だけど母は完全な愛情を以て自分に接してくるからさ……。

 見返りを求めてくるならその方がよかった。だって、その方が納得が行く。その上で、そんなの利己的だよね、自分に利益ないし〜ってできちゃう。

 どうしたらいいのかなぁ。接すれば接するだけ失望させてしまう気がして、ちょっと怖いんだよな。柄にもなく。調子狂うんですよ。

 ちょっとくらい利己的になってくださいよ。本人は十分勝手にやってるなんて言いそうだけどさ。全然だよ。それが正解だったら世界中無法地帯、治安スラム街ですよ。

 「ENTPの愉快な友達紹介」みたいな題をつけたアレの中のISFJさん、本人のこと全部知ってるわけじゃないから断定は出来ないけど、母のことを見ていると絶対パチモンだよな!お前相当自己中心的だぞ!って言えちゃうくらい、母は自己犠牲的なんです。見てて不愉快になるくらい。

 今書いてて思ったけど、母がドISFJだからISFJのお節介に慣れ切ってしまって、他のISFJの世話焼きに対する感度が著しく下がってしまっているのかもしれないな。
 だとしたら友人、報われなくて笑える。悪い意味ではなく。

 お読みいただきありがとうございました。

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