大好きだった実況者の話。
今日、ふとしたきっかけでMinecraftのPC版(の無料体験版)をインストールした。
そもそもMinecraftとは、みたいな話は別に書かなくていいかな。わたしよりも説明が上手い人はたくさんいるし、説明がほとんど要らないくらいには普及しているゲームだと思う。
実家にいた頃vita版・スマホ版を買うくらいに昔からずっと好きなゲームで、一人暮らしを始めPCを手に入れてからもインストールするつもりはかなりあった。タイミングを逃しに逃していたけれど……(Steamで買えたらよかったのに、という話は余談なので割愛する)
わたしはMinecraftのプレイヤー(しばしばマインクラフターと呼ばれたりする)の中でも所謂「整地厨」というやつで、実況も撮影も何もせずにひたすら山を切り崩していた時期があるくらいである。
今考えるとだいぶやばい人だな……という自覚はあるものの、趣味の一環なので良しとして欲しい。
そしてわたしは、整地厨でもありブランチマイニング厨でもある。
ブランチマイニングとは、地下に生成された鉱石を効率よく掘るためのやり方みたいなもので、人によってやり方がだいぶ違う。
今回はわたしがブランチマイニングにハマったきっかけになった、とある実況者の話をしようと思う。
わたしがその人の存在を知ったのは、今からだいたい7年くらい前だと思う。
当時のわたしは高校生で、通学時間に音楽を聴く以外の趣味が欲しくなったのがきっかけ……だったような気がする。
なにせだいぶ前のことなうえ、高校時代はあまりいい思い出がないので記憶が曖昧なのが悲しいが、まあ仕方ない。
もともとピクセルアートが好きだったわたしは、そりゃ当然Minecraftにハマった。
ピクセルの良さを活かしつつ3Dに落とし込んでいるのがかなり面白くて、ゲーム実況を何種類も並行して観るくらいにはどハマりしていた。(少ししてからやりたくなって結局自分で購入したのだが)
あるときニコニコ動画のMinecraft実況を巡回していて、不思議、というか異質にも思えるような動画を見つけた。
実況とはいえ生声はなく、所謂ゆっくり実況というやつで、低い声と高い声の掛け合いで進む構成だった。
それだけならまあよくあるゆっくり実況なのだが、やっている内容がなかなかにぶっ飛んでいたのだ。
常人が観たら「いやいやいや無理でしょ何言ってるの」みたいな縛りを何重にも課して、そのうえで「自由に気ままに」とか言ってのける、めちゃくちゃにやばい実況者だった。
当時のわたしは「いや何言ってるの……やば……」とガチで思っており、絶対失踪するだろうなと思っていたら全く失踪していなくて(既にPart15くらいだった)、逆に怖くなった。
1本の動画は10分前後にまとめられており、ゆるくまったりした(ちょっとブラックな)掛け合いと、やたらカットする(しかも何秒後、ってちゃんと書く)独特なテンポ感がいつの間にか癖になって、過去シリーズを見返すのに夜を明かしたこともある。今でもたまに見返して夜が明ける。
その人はめちゃくちゃに効率を追い求めており、新しいブランチマイニングの方法を編み出したことでMinecraft界ではそこそこ有名な実況者らしかった。
この採掘法がとにかく興味深くて、洞窟探索が大の苦手なうえに単純作業が大好きなわたしにクリーンヒットしたのだ。
ブランチマイニングの方法以外にも、とかくデータを収集し、研究し、試しては失敗したり成功して大喜びしたり、かと思えばうっかり(高頻度で)穴に落ちたり、トンネルを見つけるとくぐりたくて仕方なかったりと、本当に気が遠くなるような膨大な作業量と、少し抜けてるような人間味とのバランスが不思議で、奇妙だけど心地よい人だった。
初めて動画を見つけてから3年くらいが経ち、動画が新シリーズに移行してもずっと追いかけ続けていた。
自分自身の実況視聴メインがニコニコからYouTubeに移ったりもしていたが、幸い両方に投稿してくれるタイプの実況者だったため助かっていた。
そして、確かこの辺りのことだったと思う。
「わたしの動画を意図的に模倣している人がいます」
動画内で実況主から聞いて初めて知った。どうやらリスペクト、ではないらしかった。
始めは「似た企画をやっている人がいて、サブアカウントかと言われたけどわたしではありません」という報告だったと思う。(動画数が多くてどの動画で話していたのか探せなかった)
わたしはのんきなリスナーだったため、パクリが出るくらい人気になってきたんだなあとか思っていたのだが、そんなものでは全く終わらなかった。
サムネイル、内容、果ては動画編集や実況スタイルまで。
何もかもを明らかに意図的に模倣している。という話が出たのはそれからすぐのことだった。
「その動画は観に行かないで」と主から言われていたため、今日に至るまで当該の動画は視聴していない。それもあって伝聞のような形でしか全容を知らない。知りたくもないくらいにはこの先は酷い話なのだが……。
動画内での報告によれば、やはり気持ちのいいものでは無いため実況主からもやめてほしいと伝えたそうなのだが。
当人はやめるどころかどんどん模倣を加速させていき、それどころか(おそらく)複数人で元動画のコメントを荒らしたり、煽りコメントやディス動画を出しまくったのだ。
実況主はまるっきり被害者なのだが、どうにも打つ手と訴える気力がなくなってしまったようだった。
動画の更新頻度がだんだんと落ちていき、内容も重苦しい報告(という程の進捗も得られなかった、みたいなつらい話)が増え、本編も明るく努めようと無理をしているようになっていった。
いち視聴者であるわたしは、とにかく実況主の動画を観続け、コメントを書き続けることしかできず、どうにももどかしい日々が続いた。
相手方の動画はどんなことがあっても絶対に観ないぞ!と心に決めていたため、今日まで名前を忘れたことは1度もないが動画内容は知らない。
わたしの怖いもの見たさが満たされることより再生回数が増えることの方が許せん。と今でも思い続けている。あいつだけは絶対に許さないぞ。
シリーズも終盤に差し掛かっていたが、動画更新の頻度は緩やかに落ちていき、動画内で実況主が「モチベーションの維持が出来なくなってきた」と零すことが増えていった。
このシリーズは完結させたいけれど、もし無理だったら失踪しますと告げてから失踪しようかな、なんて洒落にならない冗談も言うようになっていた。
勘弁してくれ、めちゃくちゃつらい……と思っていたが、本人のやるせなさや心苦しさに比べればいち視聴者の心苦しさなど塵のようかもしれない。だとしても、日に日に弱っていく主を見守るのは結構つらかった。
そして、恐れていたことが起きてしまった。
100本以上の大長編シリーズを完結させたあと、新シリーズが始まってすぐ。
珍しく前の動画から3週間ほど空けて投稿された動画の冒頭で、これからのことを軽く話してくれていた。
「ある1人の人物が大量のアカウントで嫌がらせをしていると推測できること」
「自分のスタイルを貫くためにも今後コメント閲覧は極力しないこと」
「視聴自粛・コメントNG対応の呼び掛けは撤回し、以降は視聴者に判断を委ねること」
これを伝える準備に時間がかかってしまいましたが、
ぼちぼち再開していきます。
と結び、いつものカットを挟んで本編へと移っていった。
そして、これを最後に、以降4年強、動画の投稿は止まっている。
概要欄の次動画にも「数日後」と残っているし、主はきっと本当にぼちぼち再開するつもりだったのだと思う。
ただ、この動画を投稿した直後になにかコンタクトがあったのか、心境の変化があったのか、とにかく何かあって、離れざるを得ない心持ちになってしまったのだろう。
今でもコメント欄はたまに動いていて、洞窟と崖アップデートの情報解禁のときなんかは「ブランチマイニングの適切な高さが変わる」と皆こぞってコメントしていた。(もちろんわたしもその1人である)
投稿ストップから4年が経過して尚、洞窟のアップデートが来たら真っ先に思い出すくらいに大好きなリスナーが、こんなにいるのに。
彼はただ自分の興味を探求していただけなのに。
たった1人の、しょうもない悪意のせいで。
詳しいことの顛末はわたし自身があまり知らないうえ、もう何年も前の記憶を引っ張り出しているためにぼんやりとした表現が多く、おそらくめちゃくちゃ読みづらい文章に仕上がってしまったように思える。(ここまで読んでくれた方は本当にすごい)
しかも途中から相手方への個人的恨みがかなり募ってしまい、文章が大荒れになるのを直しに直して書いている。暴言吐いてないか心配になってきた。
このnoteで特に何が伝えたかった訳でもないのだが、強いていえば、彼が考案した「風車型ブランチマイニング」は本当に美しい。ということくらいは記しておこうかと思う。
Minecraftをやらない人でも研究系の動画が好きな人なら面白いと思うので、解説動画をぜひ観てほしい。
深夜に書いたし支離滅裂ではあると思うがこの辺にしておこうと思う。
またね、ばいばい。というゆっくりの声が聴こえる気がする。
とりあえず寝よう。