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この街、最後の思い出

四年住んだこの街を離れるよ。
昨日は友達に関西コミティアで制作した漫画を渡すために、そして大学の漫画を描きたいなぁとの気持ちで資料集めも兼ねて、山奥の大学へ訪れました。引っ越しでバタバタしてる時期だけど、お別れだし。
友達に話した。本が売れなかった、入稿の際に一緒に出る相方と意思疏通が上手く取れずヒリヒリした(そう感じてるのは私だけ?かもだが自分のややヒステリーは相手に伝わってんじゃないかな)
相方も一緒に宣伝頑張ってくれたしアカウントも作ってくれたし仕事できる人ではあるんだけど、5月はお互いのイベントへの熱の差、仕事量の差に私一人ショックを受けて暴れてた。大きめな仕事はいつも人に押し付けて生きてきたから慣れてなかったのだ…。

大学図書館で友達に漫画を渡す。太陽で体調を崩す友達は、少々ぐったりしていた。ここ最近体調を崩し、就活で提出しなきゃいけない書類があったのに作れなかった…と言っていた。落ち込んでたのかもしれない。どうもその子はいつも優しい笑みをたたえてるので、感情がちょっと分からなかった。6月が近付くと、いつも倒れてしまうらしい。
その友達はやたらと私の絵のことを褒めてくれる。好きだと言ってくれる。一緒にモスに行き、創作の話をチラッとした。

例えば、とある何人かが私の絵柄を好きだと言ってくれる。しかし自分は絵柄が不安定で、その人たちに好きだと言ってもらった絵柄を維持して描くには不都合が生じる。(この絵柄だと表情豊かに描けないんだよな~等)
その絵柄じゃないものを発表したとき、私の絵を好きだと言ってくれた何人かは内心あーあ…とがっかりするというか、心が離れてしまうのではないか…と不安になる。
これはストーリーも然り。ダークなストーリー、あなたの描く間が好きだと言われたとき、果たして今回描いた漫画はそれに該当するのか…?ちょっとセリフギチギチに詰めて空気感なくなっちったな、ギャグ風味になっちゃったな。これを見てみんな失望しちゃうんじゃないか。みんなが好きだと言ってくれる私の絵は一体どれ?一体どこなの?

なんて悩みをタラタラ流してたら、その友達は「絵柄やストーリーが変わっても、その漫画を描いたのがさっちゃんであるという事実は変わらない。私はさっちゃんの漫画が好きだから、そういう部分が変わっても構わない。根本は同じだから。」

私が描いた。その根本は変わらない。だから私の描いたもの全部好きだ、と言ってくれた。
そういうものなのか。それともその子の愛がとってもビッグラブなのか。私には欠けている、何かを純粋に愛し続ける気持ちがその子にはすごくある。
その言葉、すごく嬉しかったです。今思い返してみてより思う。私は描く、それだけで良いのか。その子は神絵師とお近づきになりたいタイプではない、と言っていて、私と今こうやって話してるのも解釈違いなんです!と言うけど、卒業してもまたこうやって会ってるし、そしてその子の愛する感覚は私に無いものなんで、ある意味私は友達のことが眩しく見えます。一種の神なのかもしれない、これこそが。

友達とたくさん喋ったよ。ほんとは本を渡すだけのつもりだったけど、何だか名残惜しく、結局夜の10時まで一緒にモスバーガーにいました。バスの最終便が永遠に来ず友達は焦っていました。その待ち時間の間に「サインを欲しい」と言われ、私サインとか持ってないな…と返したら、じゃあ直筆イラストが欲しいと言われ、カバンの中からスケッチブックを取り出して、何を描こうか…と悩む。何でも良いと言われたら余計悩む。
スケッチブックをパラパラしてたら自分の過去のらくがきたちが。それをはしからチラッと見た友達は、うおお…!!と喜んでくれて。私も気持ち良くなっちゃって、見せれそうなページを選んでホレホレ…と見せびらかす。自分の些細ならくがきでこんなにも喜んでくれる友達、貴重すぎる。この子を大事にしなくて誰を大事にするんだ。君が思ってる以上に私はあなたに救われてますよ…。
バスが来ないドキドキで焦っていた友達、私のスケッチブックを見て「バスが遅れてくれてることに感謝してる」と言った。この子ってばすごい。終バスに乗れないんじゃないかというドキドキと私の絵を見て舞い上がるドキドキがごちゃごちゃに混ざってると言ってた。

こんな真夜中なのに、街中では消防車のサイレンの音が鳴り止まず。いかにも何かあった模様。バス停ではやや煙が立ち込めており、友達と「花火の匂いがするね」と言っていた。

バスは40分遅れてやっと来た。ハプニングがあったんでしょう。でも来て良かった。ほっ

スケッチブックで何描けばいいか分からなかったので、今までのらくがきの大丈夫そうな所を破ってそれを手渡す。すごく喜んでくれた。
手渡した本の最後のページにある私の手書きイラストとメッセージ、さていつ気付いてくれるかな…。

友達の「本当に尊敬してる作家さんには会わない主義」に近いものを私はその子に感じてる。
ずっとウダウダと惰性で付き合える友達とはちょっと違う。もっと、大事にしなければいけないもの。神というより天使なのか?
その子と一緒にいると、なんだか不思議な領域に入る。妙な緊張感と満ち足りた感。気軽に電話して欲しいと言われたけど、正直緊張しちゃう。笑

その友達から色んな話を聞いたよ。大学でのこと。今どんなBLにハマってるのか等。
大学五年目にして、やっと教授と意気投合したらしい。なんと同じ病気で悩んでたのこと。教授も「人生で初めて会った」と。
友達と教授は思想も似ていて、ニュートンとゲーテの間で生きていきたいねと話し、そしてその教授主宰のティーパーティーにもお呼ばれしたとか!選ばれし者だけが参加できるお茶会…。
私もその教授のことは知っていて、細身でちょっと神経質そうな人。波の動画もいつも撮っている。「自分の心を安らげさせるため」らしい。
大学の先生は批評のとき、当たり障りの無いことを言って、刺すときも私の心臓の手前でナイフから手を離す。いわゆる生殺しをしてくるので、殺され切れないモヤモヤで、不鮮明で中途半端で余計苦しい。しかしその教授はしっかり体をナイフで貫いてくれる。ちゃんと殺してくれる。厳しいけれど必要な痛みをくれる人だった。関わったことは本当に一瞬しか無かったけど、私も在学中尊敬してた先生なのだ。その教授のお茶会に呼ばれるなんて……すごいじゃん。

友達と教授は同じ病気で苦しんできた仲間なので、友達はよく人生相談しにいってるらしい。就職をどうしようか、とか。
病気がなかなかに重たいもののため、大学の色々な先生から就職より院を勧められる。でも奨学金が……と頭を抱えていた。

友達に「一緒に就活しよう」と言われた。
就活かぁ…。まだギリギリ新卒扱いしてもらえるもんね今は…。どうするかなぁ。

その子とは約束をしていた。
「大学図書館で読めるBLを教える」というビッグイベント…。
その友達の周りには強者腐女子がいっぱいいて、その人たちは私が仲良くなりたくてもなれなかった人たちだ…。私の性格が厄介なばかりに…。
中国のBLにハマってると言ってた。私の大学時代の憧れの人から教わったらしい。経由で知れて嬉しい。しかしアマプラ配信期間が終わってもう見れないって。悲しい。

私もいざBLを紹介しようとしたのだが…古いものばかりで。正直ハマってくれるかな、ハマらないかもな~と思いながらも一応図書館で紹介した。
風と木の詩、日出処の天子、トーマの心臓、BANANA FISHなど…。
ぼくの地球を守ってはbl描写あるけどblでは無いよなぁ…私は大好きだけどね…とスルーした。

現代の商業BLは本当に読まないんだよなぁ。古典は結構読んだのですが…。
まだまだ未開拓な世界です。

友達とバス停で、駐車場と車のBLについて話して爆笑してた。軽自動車、大型トラック、バスに翻弄される駐車場。それって駐車場総受けじゃん!と友達は黄色い悲鳴を上げた。バスが40分遅れたのもこんな話してたからかな?

とにかく、昨日は良い日でした。
家に帰って地べたで爆睡しました。今日は引っ越しの荷造りしないとな~

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