【即興ライティング】「書き写す」楽しみ

4歳から5歳くらいの頃、せっせと『ドラえもん』のセリフだけ、吹き出しの中身だけを延々とB5版のノートに書き写すのに夢中になっていました。

ほんとは、絵を全部そっくりそのまま描き写したかったのですが、試しに1ページやってみて、あんまりにも手間がかかり過ぎて疲れるので早々に「こりゃダメだ」と、セリフだけ抜き書きする方法に切り替えたのでした。

3点リーダーの「……」で、点々が何個あるか数えて書き写していたなぁ、と、思い出しました。

当時の私は、とにかくもう『ドラえもん』のお話にぞっこんになっていたのでした。

起承転結の鮮やかさ、あっと驚くようなアイデアに、すごく強く惹きつけられていました。

子供の頃の私にとって「書き写す」ということは、すでにこの世に強固に存在するものの後を歩いてゆくような気持ちになれて、とても安心できる作業だったことを覚えています。

日本語って、かなと漢字が混じっているので、なんとなく「効き目の強い魔法の呪文」みたいだなぁ、と思っていました。


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