自民党が静岡県知事選挙に擁立すべきだった候補

2021年6月3日に静岡県知事選挙が告示され、現職・新人の2名が立候補を届け出ました。

https://www.yomiuri.co.jp/election/local/20210603-OYT1T50119/

選挙戦の動向については、現職の川勝平太知事が圧倒的に優勢であるとの観測が出ています。まぁ、自民党の初動が剰りにも遅く、岩井茂樹氏の認知も進んでいない現状では、当然の結果であるとしか言いようがありません。

https://toyokeizai.net/articles/-/430454

今回の県知事選は、リニア中央新幹線の着工に反対する現職候補が「私は決してリニア反対派ではない」などと言い出したかと思えば、自民党が推薦した新人候補が「私は決してリニア推進派ではない」などと嘯くなど、完全に「狐と狸の化かし合い」になっています。どちらがより胡散臭いかと言えば、当然ながら元国土交通副大臣かつ前田建設工業出身の岩井茂樹氏なのですが、ここまで露骨な人選をするのであれば、自民党もハッキリとリニアでワンイシュー選挙を仕掛けるべきでした。まぁ、それはそれで玉砕するのが首長選挙の常なのですが。

そして、候補者自身や静岡県民が望むと望まざるとに関わらず、今回の県知事選は事実上の「リニア県民投票」になります。現職が勝てばリニア中央新幹線は最低でも任期中の4年間は(或いは半永久的に)静岡県内での着工が凍結されますし、場合によってはそのまま建設自体が白紙に戻る事になります。逆に、新人が勝てば静岡工区の着工が一気に進む事になり、場合によっては当初予定の2027年開業すら可能になるかも知れません。現在の情勢では、このまま現職が勝利してリニアが塩漬けになる可能性が高いですから、品川=名古屋に壮大な未成線が出現する事になります。

では、川勝平太知事の再選を阻止し、リニア中央新幹線の工事を進める為には、自民党は誰を擁立すれば良かったのでしょうか。取り敢えず、私が思い付いた人は1人います。この人であれば、以下のような条件を満たしていました。

・静岡県の内外で川勝平太知事を凌駕する知名度がある。
・リニア中央新幹線の建設促進に理解がある。
・静岡県内に地盤がある(=落下傘候補ではない)。
・川勝平太知事に「無教養」などと罵倒されない程度の教養がある。
・行政職としての実務経験が豊富である。

そう、片山さつき前内閣府特命担当大臣です。本人としては、今更国会議員の職を捨ててまで首長選挙に出馬しようなどという気はなかったでしょうが、もし自民党が今回の県知事選を「リニア存廃の天王山」だと認識していたのであれば、ここは三顧の礼を以て片山さつき氏に出馬を要請すべきでした。

そして、片山さつき氏には有権者からの信任もあります。それが明らかになったのが、皮肉にも先月開催された浜松まつりへの参加です。

https://www.sut-tv.com/news/indiv/10078/

この手のイベントに国会議員の方から推参する事はあり得ませんから、必ず浜松市側から片山さつき氏を招待しています。つまり、東京都が緊急事態宣言下にある事を承知でなお招待したくなる程度には、浜松市での片山さつき氏の人気は高いという事です。このニュースを聞いて、私は「これ、片山さんが出馬したら勝てるんじゃないか?」とも思いましたが、残念ながら予定通り岩井茂樹氏の出馬となってしまいました。

投票まであと2週間少々ですが、果たして何処まで底上げできたものですかね。

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