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机上の星

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鎖月いのるの詩をまとめた机上の星。 不定期更新です。
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#机上の星

私は 絵に描いたような 美人ではないけれど この顔は 日によって 母に似て 父に似て 祖母に…

ちいさいいのるちゃん

ちいさいいのるちゃん ちいさいいのるちゃん 今日も悲しくて泣いたの いのるちゃん おとなに…

あばれんぼ

黒く碧い海を飛び 背の高い草原を泳ぎ オレンジの空を駆ける 真っ赤な花弁を食べて チーズケ…

おなじからだで

今日もあかちゃん 貫き通した ばぶっ 瞼が重い ねm mmm……mmm…… 性別二元論に 引きちぎら…

ブラインドタッチ

昨夜は許せなかったが 今日の正午には許せるようになった くらいのやつがある いくつも ここ…

ぐっ

母はオペレーターが好きで 私は惰性のジントニックをえらぶ そうしてそれを ぐっ マスター…

瞼の裏は絶景

目覚めたら眠い 列車の中で眠い ご飯を食べても眠い 同期の口からも「眠い」 企画書詰めると眠い 帰り道が眠い PCを叩くが、眠い 本を開くと眠い 布団に入ると眠い ぐっすり……

睡魔の休日

腰 ばきばきばき おんがくのしらべ 一生寝たい 死ぬまで 死んでからも 農協の パウンドケ…

パンツいっちょ

吐いたあとの喉に 白湯をあたえる ぬくもりでは すこしも変われない パンツいっちょは すばら…

散り際に

暗い劇場から 出てきた人は みんな 花柄 これから 入る 私も はじめてレモン水を飲んだ夏 毒…

鳥かご

鳥かごに とじこめたくなるような 恋 よるになると 鳥かごを いつまでも眺めて ねむるより …

どどどどどど

どどどどどど というわたし 止まない雨 よく晴れた日に歩きたい 今がいい 前髪を切る つもり…

幼児退行の夜

なんだ くたくたの旅行カバンか 鏡を見ているのかとおもった つかれたので パンツ一丁にな…

車社会

パンクしたタイヤで走る 車のようなわたし 思うように加速できないし 車体が傾いているような 後部座席に違和感を乗せて 毎日ドライブしてるわたし バックミラーの見すぎで 前方不注意 10時と2時を握りしめて アクセルを踏むしかないわたし 街に着けば そこには社会 クソみたいな 社会 本当は運転なんて したくないの わたし 交差点の真ん中に駐車して 鍵をぬいて 逃げてやる 遠くへ