KinKi Kidsという40代アイドル

2021年12月24日 ミュージックステーションスーパーライブ。
KinKi KidsはHarmony of Decemberを披露した。
その切なさあふれる表現をわたしは何日経っても噛み締めている。

KinKi Kidsは同じ曲でも、そのときどきで歌い方や解釈が違うのが本当にすごい。
それは、わかりやすく言えば「硝子の少年」がデビューのときは痛々しいほどの美しさと若さをもって歌っていたのを、今は自分の中にある少年性や過ぎ去った思い出を慈しむように歌っているように、歳を経るにつれ、また、その歌う場面に応じて、表現が変わる。その表現力や解釈の深さに魅了される。

このHarmony of Decemberは、
Φコン(伝説の…)は切なさの中にも甘く、2人だけの世界を感じる可愛らしさ
TKコンでは、もう会うことが叶わない恩師への思いを感じる哀悼の気持ち
今回のMステでは、もっと大きな、これを聴いている全ての人の「大事な人に会いたい」っていう気持ちを乗せて歌ってるように思った。
クリスマススペシャルバージョンという通り、みんなに良いことが訪れますように、と2人が祈りを込めて歌ってくれる、プレゼントみたいに感じて本当に感動した。

KinKi Kidsを好きになって思うのは、本当に2人ともファンを大事に思ってくれているということ。
当たり前かもしれないけど、ファンが欲しいタイミングで欲しいことばをくれて、ファンの気持ちに寄り添ってくれてるな、と感じる。
私はそんなにアイドルにハマらない人生だったんだけど、アイドルとは歌や踊りやその活動を通じて、みているファンに前向きな気持ちや勇気をくれる存在といえるのかなと思う。
ファンたちは、その姿にさまざまな願いや思いを託してる。

多くの若いアイドルは、まさに元気にパフォーマンスをする姿を通じて、わたしたちに前向きな気持ちをくれる。
一方KinKi Kidsは、弾けるような若さや元気さはないけれど、徹底して、ファンに寄り添ってくれてるなと感じる。

わたしが本格的なキンキファンになったこの1年は、2人はほとんどソロ活動をしていて、この年末がたたみかけるようなキンキラッシュでとても嬉しい。
ソロ活動のときの2人は、「アイドル」とはすこし立ち位置が違うように私は受け止めている。

堂本剛のソロは、堂本剛その人がつむぎたいことば・メロディ・表現で、
本当に芯のところではかけがえのないつよしさんだけの気持ちであり、根底にあるのは叫びだと思う。
だから私としては堂本剛という稀有な才能を持つアーティストに「ついていく」という感覚に近いな、感じてる。
(もちろんつよしさんとしては、ひとりじゃないよ、という寄り添いを持っていると思うけど、私の感覚です。)

一方光一さんのソロは、圧倒的な歌唱力・身体能力をもって今世界中でいちばんかっこいい演出とはなんだろうか、ということを考え抜いたステージを見せてくれる。
いまこの瞬間みられる最高のエンタテイメントをみせるんだというすごいプライドと気合。
舞台の幕が開くその時間、違う世界に連れてってくれるというのが良いのかな。

ファンになって初めて2人のソロをちゃんとみて、どちらも「えっこのスターの隣に肩を並べることができる人っているの?いや、いるんだよね、KinKi Kids!」という感想を持った。

ソロでは2人とも稀有な輝きをもってどこかへ連れてってくれるスター/カリスマ/アーティストという感じなのに対して
KinKi Kidsでは、ファンそれぞれの気持ちの中の世界に舞い降りて歌で寄り添ってくれているように思う。
この世界の中に、KinKi Kidsがいて、心を込めて歌をうたってくれるということが、何よりの前向きな気持ちをくれて、明日への元気をくれる。
前向きな元気さをくれるために必要なのは、奮い立たせる応援歌や明るいPOPS、元気いっぱいはつらつな踊りに笑顔というやり方だけじゃない。
KinKi Kidsは、心を込めた歌やパフォーマンスでファンに明るい光をさしてくれる。めちゃくちゃアイドルだなあと思った。
KinKi Kidsはほかのグループに比べてファンサービスがぜんぜんないらしい。でもそこにもすごい誠実さを感じる。
きっと彼らはここに来られないファン、来ていても遠い席のファン、いろんなファンの思いがあることを知っていて、それに対してあまねく応えられることが歌や踊りのパフォーマンスであると答えを出しているから。
なにより、40代の男性が若作りをして無理やり元気に笑って踊って愛想を振りまいてるのをみても100%前向きな気持ちになれないものね。

もちろんこれまでもSMAP、TOKIO、V6…とさまざまな先人たちが40代のアイドルとして活躍してきたけれど、
KinKi KidsはKinKi Kidsらしい40代アイドルとしての道を拓いている。
KinKi Kidsはいまジャニーズ事務所で音楽活動をしてる1番ベテラングループになったけど、その歩みはこれまでも唯一無二だし、これからも「KinKi Kidsでしかできない」というプライドを2人は掲げて進んでいくんだろうな、と思う。
25周年、2人にしかできないパフォーマンスをみる機会がたくさんありますように。

(ここまで、好きになって1年が経って、知れば知るほどどんどんキンキの凄さを思い知る日々です。だから最初に書いたnoteからですらすでに印象は変わってきています。もし、なんかここまで読んでて最初と言ってること変わってない?もしくはおんなじことずっと言ってない?と思ったなら、それはいつもキンキの凄さに心が揺さぶられまくってジェットコースター状態だからなので、堪忍してくださいね)

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