ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」みました

心震える観劇体験。本当に素晴らしい3時間でした。
ひたすら舞台と堂本光一さんを褒めちぎる記事です。ネタバレというほどのものはないけど、本当に何にも前情報を知りたくない方は読まないことをオススメします。

ウィリーウォンカ役は堂本光一以外考えられないくらいのハマり役でした！
光一さんの持つ、職業年齢不詳でいつまでも「王子」と呼ばれる浮世離れした魅力にこんなにもピッタリマッチする役があったのか！！
まず正体不明感-どうやら老練な雰囲気があるけど年齢がそういってるとは思えない風貌は、まさに光一さんの持つ【見た目は若いけど経験に裏打ちされた熟練さ】と似たものを感じるし、
ずーっとふざけてるような残酷なユーモアは、ベタなものを好むKinKi Kidsの根底に流れてるお笑いの血を感じさせてふふふとなりました。なんかね、スマートでドライな笑いじゃなくて、ブラックだけどベタなのよ。
それから周りを煙に巻くような独特の語りの間。なんとなく、SHOCKで自分が息を引き取ったことに気付かずカンパニーの前に現れたときのコウイチのような、いまいち周りと噛み合っていない上滑り感を彷彿とさせてすごかった。(ラストシーンでチャーリーと語るときの自然さから、この周囲とのちぐはぐさはあえてなんだと思う)
あと、作品を通じてチャーリーを見守る守護者としての包容力。無邪気さやトリッキーさをこの包容力と両立させるってすごいよな…さすが舞台期間直前のDREAM BOYSで指導と演出をしてただけある…
佇まいもすごい。ダンスがSHOCKみたいな華やかに追い込んで追い込んで追い込みまくるような激しいものではないから、すっごいセンスの良い抜き方とノリ方をしてた！ダンスがかっこいいのは当たり前だけど、本当にただ立ってるだけ・歩いてるだけでただものじゃない感がすごくて。これも、常日頃からトレーニング重ねて舞台表現を続けてきた人だからこそ持つオーラなんだろうな。
そして歌。すばらしかった。低音の響きが帝劇を包んでいた。この歌の素晴らしさが、ウィリーウォンカという存在のすごさの説得力の背骨になってたと思う。すごすぎてシンプルなことばになっちゃうんだけど、歌のパフォーマンスの素晴らしさがウィリーウォンカの説得力の源になっていたと言える。1音1音大事に響かせるように歌う、このミュージカル随一のナンバー「PURE IMAGINATION」はすごすぎた。ぜひ何かしらの記録媒体に残してほしい…
全ての要素が堂本光一オリジナルのウィリーウォンカ像を結んでいた。
ジョニーデップの映画版でもなければ、他の国のミュージカルのダンディなウィリーウォンカでもない。
このタイトルと矛盾するような書き方かもしれないけど、
ウィリーウォンカは堂本光一はまり役
なんじゃなくて、
堂本光一が作り上げたウィリーウォンカ像が唯一無二で最高　っていうのが正しいんだなと思う
ラジオで稽古に苦戦してるというようなことを話していたけど、
もがき苦しんで、「この人以外考えられない」くらいのウィリーウォンカ像を作ったことが素晴らしすぎて、その努力のかっこよさに泣いた。

このミュージカルは、ただでさえお金のかかる海外モノで、帝劇公演に相応しい豪華なスタッフィング。
ちょっと考えるだけでも、この公演を成立させるためにはこの公演数の座席を確実に埋める必要があるんだろうなと想像できる。
でも正直確実にお客さんを引っ張れる熱烈なファンがいるのは光一さんくらいでは！？ととても失礼ながら思った。あとチャリチョコ作品自体のファンと、ミュージカルファン。
蓋を開けてみたらチケットはぜんっぜん取れず、私の行った回も当然満席。
やっぱりこのキャパシティと日程を埋めることができる光一さんの集客力は半端じゃない。
ちなみに客層がほぼ各FCのファンのみのSHOCKとは違って明らかに男性が多かった！

で、無事席が埋まっただけでなく、これぞ和製ウィリーウォンカと唸らせる圧巻のパフォーマンス。
何度もジョニーデップを想像しないでくださいねって言ってたけど、
ジョニーデップを思い出す余地もないくらいオリジナリティのある人物像だった！

めちゃくちゃ堂本光一賛美が続いたけど、
他の要素もすごくて。

キャストの皆さんをみたとき、良くも悪くも平成のスター大集合だなと思った。
しかしやっぱり平成のスターは地の力が強い！！
その方々ならではのアクの強さが素晴らしいアクセントになってて、やっぱり長く芸能界で活躍してきた方々は違うんだなと思った。
で、こういうわかりやすいキャラクターを作れる大人がいることで、子どもたちがのびのび恐れずにパフォーマンスしてる気がした！すっごいよかった。
ひとりで舞台の真ん中で踊ったり歌ったりなんて心臓が飛び出しそうな経験だと思うけど、みなさんのびやかで素晴らしかった。
涌澤くんのチャーリーを拝見したんだけど、すごく歌声や演技に透明感があってすごかった。
チャーリーのソロの歌が素晴らしくて、この子こそゴールデンチケットに相応しい良い子だよって説得力がすごくて、序盤で泣いた。
出ていた子役(と便宜上呼ぶけど、年若い役者の皆さんのこと)の皆さん、全員素晴らしい才能なのでこの先も舞台芸術と関わっていってほしい。

あとスタッフの皆さん。これもまた、正直大御所揃いだなと思ったけど、
こういう大きな予算に対して確実に実績を残す方々なんだなと感じた。
手癖ではなく、この作品を最高に良くするために最高のクリエイションが集結したんだと思った。
特に小西さんの衣装と、YOSHEさんの振り付けが素晴らしかった。
衣装は作り込まれたディティールが間違いなく舞台のクオリティを上げてたし、
YOSHIEさんの振り付けでフッと力を抜く瞬間の光一さんは世界一きれい。
この作品をつくるために、誰も手を抜かずクリエイションを集結してくれたんだなと感動した。

今回、カーテンコールでオーケストラの皆さんが姿を現したとたん、涙が溢れた。
ベショベショになりながら拍手を送った。
そして終演後、まわりでは「光一くんの歌、ものすごく難しそうだけどとってもよかったね！」「どうにかしてチケット手に入れてもう一回見に行きたいね！」と感動を興奮しながら語る声で溢れていて。
こんなふうに、生きてる人のパフォーマンスから感動をみんなで受け取れるのが舞台の良さだと改めて感じました。

日本初演なのにすでに多くの人がジョニーデップのウィリーウォンカ像をなんとなく持っている中で役を作り上げる必要があり、
さらに集客の大部分を自分が担わなくてはいけない役割、
その上「見たことないけど堂本光一なんぼのもんじゃい」と思われてるかもしれないSHOCKという看板の大きさ、
それに加えて今の様々な問題。
あまりに背負うものが重たすぎるのでは？とファンとしては思ってしまうような状況の中で、
これぞウィリーウォンカと思わせるパフォーマンスを作り上げた光一さんは本当にすごくて美しくてかっこいい。
SHOCKという看板があるのに、さらにウィリーウォンカの決定版とも思わせるほどの完成度を見せてくれたなんてすごすぎる。
これだけすごくないと、20年たってもチケットがとれないミュージカルを続けられるわけがないんだなと圧倒されました。
光一さん大好きです！

最後にファン的に最高だったポイント
・1幕のミルクティー色の衣装と髪色が大好きすぎた。さらにメガネにはお見それしました。小西さん神です。
・1幕の光一さんが歌う以外の様々なナンバーで端の方でのってる光一さんがかわいすぎてやばかった←これって、たまに光一さんが言ってる、特に振り付けがないときに自分でその空間を埋められるか？ってことなのかも。光一さんがいつもステージに立ち続けてきた人であり、踊り続けてるからこそっていうキャリアが滲むかっこよさ

ファン的に嬉しい要素ももりもりで、幸せな観劇でした。

どうか再演ありますように！

追記　これハマり役って書いたけど、実際当たり役っていうんだろうな。でかでかとことばの誤用恥ずかしい！けどこれはもう仕方なし！