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【わたしと藻嶺#3 其田侑弥さん】

氏名:其田侑弥(そのだゆうや)
職業:YK制作所代表、おにぎり専門店「ひとつぶ」
卒業年:2010年
学部・専攻:経営学部・ビジネスコミュニケーション学科

▲YK制作所代表で、おにぎり専門店「ひとつぶ」経営者 其田侑弥さん

プロフィール

北海道江別市出身。札幌大学卒業後、旅行会社に就職。横浜と札幌での計10年間の勤務期間中に、全国46都道府県(高知以外の全都道府県)および海外25カ国を訪れた。コロナ禍をきっかけに自身にとっての「しごと」を大きく見つめ直し、自らの力でサービスを提供したいと考え、独立。代表を務めるYK制作所ではWEB制作や動画編集を中心に活動するほか、おにぎり専門店「ひとつぶ」の経営も行う。

札幌大学在学中の思い出

Q:どんな学生でしたか?とくに心に残っていることなどがあれば教えてください。

バスケットボール三昧の4年間


▲サツダイ生だった頃の其田さん
▲バスケットボール部の仲間と

もともとバスケットボールのスポーツ推薦で札幌大学に入学したので、一番の軸はやはりバスケットボール。4年間、週6日バスケ三昧という生活でした。

4年目は、キャプテンをやらせてもらったので、とくに心に残っています。チームをまとめる立場になり、チームメイトやコーチ、監督との間で試行錯誤しながらコミュニケーションを取ったことが、とても大きな経験になりました。最初はみんなバラバラでしたが、一人ひとりに気を配りながら「一緒に頑張ろうよ」と地道に声をかけ続けました。

チーム始動後徐々にチームとしてまとまりが出てきて、その年の北海道大会(春・秋の北海道学生リーグ)では全勝という結果を残すことができました。最後は、一緒に部活を頑張った仲間に「キャプテンを其田がやってくれてよかった」と言ってもらい嬉しかったです。

当時そこまで考えていたわけではありませんが、部活を通してコミュニケーション能力を磨く体験ができたのは、今思い返すと一番大きな学びだったのかもしれません。

また、歴史と伝統のある札幌大学のバスケット部に入り、卒業まで頑張って続けたことで、部活の仲間や先輩、OBの方々とのつながりができたことも自分にとっての財産です。そのつながりによって、今、先輩の所属する会社のお仕事を紹介していただく機会もあります。札幌大学のバスケットボール部のホームページも、私が担当させてもらっています。

経営学部での学びが部活にも役立った

スポーツ推薦で入学したのですが、「いつか自分でお店をやってみたい」というまた別の夢もあり、学部は経営学部を選択しました。ただ、大学卒業後すぐに夢を実現できると思っていたわけではなく、「いつかできれば良いな」という漠然とした目標でした。

心理学系のゼミに入り、コミュニケーションを軸に学びました。当時意識していたわけではありませんでしたが、ゼミで学んだことが、部活でキャプテンとしての立ち振る舞いに生かせたという場面は多々ありました。

ビジネスコミュニケーション学科ではプログラミングやデータ分析などの授業を取ることもできました。私は入門程度の科目しか取得しませんでしたが、今振り返ると、もっと深く学んでおけば良かったと思いますね。

「YK制作所」と「おにぎり専門店」のお仕事について

Q:大学を卒業されてから現在までのご経歴や、現在のお仕事の具体的な内容を教えてください。

旅行会社からキャリアをスタート

在学中は旅行に行く時間がなかったので、卒業後は色々な場所へ行ってみたいという気持ちが強く、農協観光(主にJA組合員である全国の生産者の方々に、旅行を提案・企画・実施する会社)へ就職しました。色々な国や地域へ行かせてもらい、たくさんの貴重な経験をしました。また、全国各地の組合員さんと知り合ううちに、「全国的にお米が余っている」など、生産者さんが抱える悩みも聞くようになりました。

コロナ禍で旅行業界が一気に落ち込み、何か副業をと考えた時、真っ先に思いついたのが「農家さんと手を組んでお米の消費につながることができないか」ということでした。そこで北海道の美唄市で米を栽培する「きしもとファーム」の岸本さんにご協力いただき、おにぎり専門店を立ち上げることに。同時に進めていたウェブ制作や動画編集などの副業も軌道に乗り、YK制作所として独立しました。

おにぎり専門店「ひとつぶ」は三方よしの事業

▲きしもとファームにて

おにぎり専門店「ひとつぶ」は、前職で知り合った仲間と一緒に2021年10月にオープンさせました。米の栽培から関わりたかったので「きしもとファーム」の中に田んぼをお借りし、田植えや稲刈りにも参加しています。お米以外の食材も、できるだけ無添加や自然素材を使うように心がけており、おにぎりの味には自信があります。

当初は半年ほどの期間限定で営業するつもりでしたが、メディアで取り上げられたのをきっかけに「やめないで」と嬉しいお声をたくさんいただき、現在の場所に移転して継続することにしました。今は水・木・金曜限定で、間借り営業という形で開店しています。オフィスビルの地下にあるため、ランチタイムはとくにたくさんのお客様に足を運んでいただき、一日100~120個ほど販売します。

「お米の消費を手伝いたい」という想いでスタートさせた事業ですが、「美味しい」と喜んで下さるお客様、お米を作って下さる生産者の方々、そしてそれを伝えて販売する私たち全員が嬉しい気持ちになれる三方良しのビジネスだと思っています。

今年は、石狩市の直売所「地物市場とれのさと」で、石狩のお米を使ったおにぎりの加工と販売を行いました。今後もさまざまな地域で、生産者さんを応援できるような企画を広げていきたいです。

曜日ごとに業務を分け、「IT事業」と「店舗経営」を両立

「ひとつぶ」の営業がある水・木・金曜は、午前7時頃から開店準備を始めます。8時に開店し、14時半に店を閉めるまでは調理や接客などを担当。後片付けを終えて店を出た後は、ウェブや動画制作の打ち合わせのため、お客様の会社へ伺うことが多いです。

「ひとつぶ」の営業日以外は、基本的に一日中事務所でパソコン作業を行っています。私が担当するのは営業とウェブ制作です。動画編集の方は、YK制作所のもう一人のメンバーが担当しています。彼とは、バスケットボールを通じて知り合い、現在同じ社会人のクラブチームに所属しています。

札幌大学の後輩に向けたメッセージ

Q:札幌大学の後輩や同窓生に向けてメッセージをお願いします。
もし自分が学生時代に戻ることができたら、過去の自分に「もっと頑張れるよ!」と言ってあげたいです。当時頑張っていなかったわけではありませんが、もっと自分と向き合い、一生懸命になることができたのではないかと感じることがあります。どれだけ頑張っても後悔することはありますが、それでも、今大学で勉強している方には、やっていることを全力で突き詰めてほしいなと思います。

とくにスポーツをやっている学生さんには、今の環境がとても恵まれているということをお伝えしたいです。週6日練習できる環境は、(プロとしてやるなら別ですが)社会人になったらあり得ません。「辞めたいな」、「やる気がでないな」と感じる時は、応援してくれている保護者の方への感謝の気持ちや、いかに恵まれた環境でスポーツをできているのかということを今一度思い出してほしいです。

部活で4年間一緒に戦った仲間をはじめ、先輩や後輩とのつながりは私の人生において本当に大きな存在です。卒業後ももちろんつながりは続き、定期的に集まって近況報告することはモチベーションにもなっています。途中で部活をやめてしまうと、そういった繋がりを継続することが難しくなってしまいます。ぜひ今部活に入っている学生は、4年間頑張って続けてもらいたいなと思います。

Topics

おにぎり専門店「ひとつぶ」の店構え
▲定食も人気だそうです!

おにぎり専門店「ひとつぶ」は、2022年5月からホクレンビル(札幌市中央区北4条西1丁目)B1階の「芋の華」店舗にて水・木・金曜(8時~14時30分)に営業中です(イートインは11時から)。お時間に余裕がある方は、イートイン利用で握りたてがおすすめだそうです。臨時休業などもありますので、詳細は以下のSNSよりご確認ください。

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