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一般名詞みたいな固有名詞たち。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(燃え殻)_043

最初から最後までに溢れ尽くす固有名詞の嵐。

六本木アマンドにヴェルファーレ、パルコにむげん堂。
デイリーanにホットドックプレス、オリーブに、ケイタ・マルヤマ、そしてエイプ。

こういう固有名詞が、ただの固有名詞じゃなくって、何かの象徴として、一般名詞に近い感じで使われていた時代が、確かにあった。


この本の主人公とたぶん同い年くらいのワタクシでして、かつ、テレビ業界にいたもので、テロップ会社さんによくお願いしていたこともあり、いろんな記憶が蘇ったといいたいところなのですが、それほど蘇りませんでした。なんだろう、それは個別の物語だからなのかな。それとも、えぐられないように気をつけて息をとめて読んでいたからかな。

とにかく、文章がおしゃれで、センスがよくて、読み終わったときに、小粋なフランス映画を観た感じでした。

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