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不自由がないなら表現なんてしなくていい。『そして生活はつづく』(星野源)_042

『そして生活はつづく』は、星野源さんの処女作。

普段テレビを見ず音楽も聞かない私が、最後に見たテレビ番組が、2016年の紅白歌合戦なのですが、そこで星野源さんが歌を歌っていて、なんとなく、この方が書いた文章を読んで見たいなと思ったら、すみません。たくさん著作が出ていらした。

なかにやしきたかじん風の女心の話が出てくるけれど
それふうにいうと

軽やかに持って行かれ、気づけばずぶずぶ深みにハマっていて、ずいぶん遠いところまで来た気がするけれど、呼吸が苦しくなる前に地上に連れて戻され、なんか夢だったみたいな感覚だけが残って、二人の関係は友達に戻ってる、って感じの本です。

何をしていても気持ちよく、健康で、お金もあって、不自由なことなど一つもない暮らしをしているならば、表現なんてしなくても全然いい。

のあたりから、地上に連れ戻されます。

ちょっとずるい。
こういう人、すごいモテるだろうなあ。
人たらし。

あと、本論ですが
生活をするというのは、ほんと、難しいよね。


つい、旅に出たくなるし、
つい、家じゃない場所で寝たくなるし
つい、引っ越したくなる。

税金とか確定申告とか全部人任せだし
取れかけたボタンのメンテナンスしたり、
鉄製アイロンを使い込んだり、
切れた電球取り替えたり、
保育園からのお便り読んだりするのって、
結構難しい。

それが難しいのって、こういうことだったのかあという、発見がありまして
とても楽しく読ませていただきました。

この本、10年前に書かれているんですよね。
このあとに、星野さんって、たしかくも膜下出血で大変だったはずで、
星野さんの本は全作読んでみたいと思います。

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