ぐんにゃり。『ぼくたちはなんだかすべて忘れてしまうね』(岡崎京子)_054
『リバーズ・エッジ』が公開されるということもあって、いろんな雑誌で岡崎京子さんの特集が組まれている。
交通事故に遭って休筆されてから、もう20年。それでも、こうやって謎解きされる漫画家さん。作家活動が10年ちょっとだったから、ゴッホのような方だと思う。
そんな岡崎さんの、小説。『ヘルタースケルター』や『Pink』などは読んでいたけれど、これは、初めて読んだ。
草間彌生さんには、世界があのようにドットで見えていると聞いたことがあるけれど、
岡崎さんにも、世界はこういう感じで見えてるんだなあと、時空が歪む感じの揺れ感。
気流の悪いところで読んだ本のような、
乱視の入ったメガネで世界を見ているような、
エッシャーのだまし絵のような。
ぐんにゃり、感。
難解な文章には2つのタイプがあって、
「なんだよ、全然わかんないよ、わかりやすく書いてよ」って思うタイプの文章と、
「この文章がわからないってことは、私の考察不足、理解不足なんだろうな」って思うタイプの文章。
この本は、完全に後者。
岡崎京子さんが書いていると思うから、最後まで読めるというところがあるなって思う。
岡崎京子さんの漫画も、そのお弟子さんだった安野モヨコさんの漫画も、また読みたいなあ・・・。
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