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地域愛の逆輸入が、新たな刺激となり、活性化に繋がる。

意志ある人を起点に、地域の未来を考え、100のローカルビジネスを創り出すプロジェクト『100DIVE』。
その参加者による“リアルな声”をお届けする、インタビュー企画です。

今回は「いのっちさん」にインタビューしました。


いのっち_スクエア

いのっちさん(長野県小海町プロジェクト Bチーム)
プロジェクト参加時 / 30代 会社員  在住 / 東京都  現職 / 会社員


Q 100DIVEに参加したきっかけと決め手を教えて下さい


100DIVEの運営を行う方からご紹介をいただき、プロジェクトの存在を知りました。

過去に100DIVEとは別の地域活性化プロジェクトへ参加したことがあり、自分が知らなかった地域と出逢い、異業種メンバーによるチームを創り、そこで話し合い提案したものが自治体に採択される... という途中過程までは良かったのですが、採択されたもののその先まで関わることが出来ず... という悔しい経験をしたことがありました。

それでもまだ「地域に眠るポテンシャルを活かしたい」という想いがあった中、100DIVEの「提案で留まらず、地域と伴走しながら事業を実行するフェーズまで関わる」というプログラム内容を拝見し「これだったら再び挑戦したい!」と思い、参加を決意しました。


Q 実際に100DIVEへ参加してみて、学んだことや気づいたことはありますか?

地域に眠る「人・モノ・環境」のポテンシャルの高さ。
1人の経験や知見だけを活かすのではなく、チームワークを通してそれらを融合させる大切さを学ぶことが出来ました。

このプロジェクトへ参加して、地域に対し良い意味で前のめりな人たちと出逢い、その強い想いや熱意に胸を打たれました。
例えば、小海町役場の方は私の中で勝手にイメージしていた「ザ・お役所の人」という感じが一切なくて、特産物である鞍掛豆に対してはもちろんのこと、小海町に関わる人や小海町自体をより幸せで豊かにしていく為にはどうすれば良いのかということを主体的かつ本気で、ポジティヴに考えながら行動する姿を見て、驚きと共に感銘を受けました。

かと言って自分たちがその人たちと同じアプローチや選択をしていても、プロジェクトにおいて新しいモノは生まれにくいのではないかと思い、チームメンバーそれぞれが持っている本業のスキル、普段のコミュニティー、個人的な知見などを寄せ合いながら活かしていくことを、途中から意識するようになりました。
それによって、これまで地域の中には無かったアイデアや方向性が見えてくることもありましたね。


Q 100DIVEの特徴であるチームワークを通して、印象的だったことはありますか?

「Yes, And」をみんなで心掛けたことです。

私のチームに限らず、100DIVEのプロジェクトチームは世代やキャリアなどの土台がバラバラなメンバーで構成されていて、はじめのうちは色々な面でぶつかり合いながらのスタートだったと思います。時には意見の応酬になってしまうこともありました。
このままではいけないと思い、チーム内で改めてコミュニケーション時に心掛けるべきことを話し合いました。そこで、相手の言葉を一旦受け入れた上で、その内容をより発展させながらアイデアを融合していく「Yes, And」をみんなで心掛けるようにしたんです。「更にこうしてみると良いね」「こうしたらもっと面白くなるかもね」といった感じで。その心掛けを忘れてしまうと「Yes, But」になってしまうので、忘れているかも... と感じたら「Yes, And だよ!」と、メンバー同士で声を掛け合っていました。

その心掛けを通して、アイデアと感情は切り離して考えることが大事だと実感しました。それでも感情が溢れてしまい話が行き詰まった時には先へ進める議論になるよう軌道修正を図ったり、みんなにとって安全な環境で意見を言い合えるように調整していくことも心掛けました。

また、自分自身の立ち位置や役割をその時々で意識するようにしていましたね。様々な人がいるからこそ、みんなの強みを活かしながら、足りないところや欠けているところを補い合っていました。


Q 100DIVEに参加して、1番良かったと思うポイントは何ですか?

自分にとっての新たな地域と、その地域に関わる新たな人と出逢えたことです。

旅行での観光客としての出逢い方とは異なり、表層ではなく内側から関われるところが100DIVEの大きな魅力だと思います。

小海町役場の方や様々な土台を持ったチームメンバーなど、今でもかけがえのない存在であり、これからも関わっていきたいと思っています。


Q 約3カ月間のプログラムが終了してから、現在に至るまでの状況を教えて下さい

私たちの提案内容が小海町に採択されて、現在も実装および自走に向けて活動中です。
鞍掛豆の知名度アップと魅力を広げる活動をすべく、チームメンバーそれぞれのスタンスで連携し、毎週オンラインでミーティングも行いながら活動しています。

私は少しでも鞍掛豆の認知を広げる為に、周りの友人や知人に豆のサンプルを渡しながら紹介をしたり、東京在住であることも活かしながら鞍掛豆を置いていただけるお店を自力で数店舗ほど開拓しました。紹介した友人や知人も実際に鞍掛豆のファンになってくれて、そこから更に豆の魅力が広まり新たなファンが生まれる予感もしています。

私だけに限らず、メンバー全員で鞍掛豆の魅力を広める為のFacebookページを作ったり、リーフレットを作成したり、地域としっかりコミュニケーションをとり合ったりなど、それぞれの経歴や強み、居住地を活かしながら、みんなで協力し合い推進しているところです。


Q 100DIVEへ参加する前と後で、何か変わったことはありますか?


常に小海町や鞍掛豆のことを考えるようになりました。

小海町にいない時でも「豆が食べられるお店へ行ってみよう」とナチュラルで思ったりします。
他にも、人と会う時は鞍掛豆をお土産として持って行き配ることもあります。
コロナ禍の影響で飲み会に参加出来なくなってしまった時には「豆だけでも会いに行くわ」と言って、鞍掛豆のサンプルを私の代理として会わせたこともあります!(笑)

私は小海町を第二のふるさとだと思っています。これからより関係性を深めていきながら、私であれば東京で鞍掛豆を食べてファンになった人たちの感想や要望などを直接小海町へ届ける役割を担っていきたいです。
この役割は小海町に住んでいないからこそ出来ることで、実際に住んでいなくても他の地域で小海町の為に本気で頑張って活動している人がいるんだということも発信していきたいですね。
そうすることで、小海町の中で「我々も小海町や鞍掛豆の存在を、もっと積極的に発信しなきゃいけないんじゃないか!」「もっともっと、小海町や鞍掛豆の魅力を磨いていこう!」といった、地域愛の逆輸入とも言える真の地域活性化を引き起こせるんじゃないかって、自分の中で考えるようになりました。考えるだけでもワクワクしますね。


Q これから100DIVEに参加する方々へ、一言お願いします!

迷っているなら、きっと既にやりたい火種が自分の中にあるはず。

まずはそれに気づき、行動に移してみて下さい!

いざ飛び込んでみたら、何かしら (予期せぬことを含めて) 新しいことが起きますが、それが自分自身の幅を広げてくれるはずです。

思い切って、DIVEしちゃいましょう。


インタビュー後記

インタビューを始める前に、インタビューの意図や記事を掲載する際の具体的なイメージまで、しっかりと確認して下さった、いのっちさん。

いざインタビューが始まると、こちらの質問や解釈した内容を新鮮に受け止めて下さり「私の中では浮かんでいなかった言葉や考えですが、そう言われてみればそういうことでした!」「その比喩、めっちゃ良いですね!それが良いです!!」といった感じで擦り合わせながら、より正確かつ魅力的な答えを、一緒に楽しく導き出せたのが印象的でした。

「地域愛の逆輸入」という言葉も、まさにそうして生み出された言葉です。(ご本人はとても気に入って下さいました!)

きっと、いのっちさんのようなチームメンバーが集まったからこそ、チームで提案した内容が小海町に採択され、現在も事業化に向けて楽しみながら継続出来ているのではないかと思いました。

そんな感想を抱きながら、考えさせられるインタビューでした。
いのっちさん、ありがとうございました!


100DIVE 公式サイト
https://100dive.co.jp/

<100DIVE 共同運営> 株式会社さとゆめ 公式サイト
https://satoyume.com/

<100DIVE 共同運営> 一般社団法人ALIVE 公式サイト
https://www.alive0309.org/