人生をかけて、取り組みたい地域と、出逢う。
意志ある人を起点に、地域の未来を考え、100のローカルビジネスを創り出すプロジェクト『100DIVE』。
その参加者による“リアルな声”をお届けする、インタビュー企画です。
今回は「もっくんさん」にインタビューしました。
もっくんさん(長野県信濃町プロジェクト Cチーム)
プロジェクト参加時 / 20代 会社員 在住 / 東京都 現職 / 会社員
Q 100DIVEに参加したきっかけと決め手を教えて下さい
移住スカウトサービスSMOUTのサイトに掲載されていた記事を見て、100DIVEの存在を知りました。
もともと都市部が主な活動の場だったのですが、いつの間にか狭い思考や限られた範囲内での活動になってしまっているなと感じて、都市部のみではなく地方での活動にも参加するようになりました。
そういった活動をする中で、何か継続的に取り組めるプロジェクトを創りたいと考えはじめたタイミングで100DIVEの存在を知り、内容から「継続的な活動に繋げられるかもしれない」と思ったのと、信濃町の森林資源を活用するという内容にも興味を持ったので、参加することを決めました。
Q 実際に100DIVEへ参加してみて、学んだことや気づいたことはありますか?
地域の人と同じ目線で、自分事にしてプランを立てることの大切さを学んだと思います。
100DIVEの参加者がはじめに心得るプログラムの中で「地域に対して自分たちがやりたいことを押し付けるのではなく、地域の人、地域に関わる人、地域全体がどうしていきたいのかを考える」「考えるプランは決して他人事ではなく、自分事で、本当に自分たちがやっていくんだ!という意志を持つ」といったレクチャーを受けたことが印象的でした。実際にプランを立てる段階では「これって、上から目線の提案になっていないかな?」「これって、本当に信濃町と自分たちがやりたいこと?ありたい姿なのかな?」といった確認を意識的にするようになっていました。
プランを進める段階においても、途中、自分たちの考えや想いと地域が一体になっていないことに気づいて「地域の人の立場になりきれていなかったよね...」と反省することもありました。
とは言え、事業化を目指していく中で、ある程度ビジネス的な視点も組み込んでいかなければならないので、地域や自分たちの気持ちを大切にする視点とビジネス的な視点、双方の整合性をとる難しさを経験したことも大きな学びでした。
Q 100DIVEの特徴であるチームワークを通して、印象的だったことはありますか?
スタートの段階でチーム内の目標や目的を設定したことで、同じベクトルで、誰も取り残すことないようプロジェクトを進めていったことです。
これまで参加したことのあるプロジェクトにおいては「自分ひとりでどうにかしなくちゃ...」という意識が強く、うまくプロジェクトを進めることが出来ていなかった印象があります。
ですが、チーム内で目標や目的を共有したことにより、多様な意見が出てなかなかまとまらない時や、方向性が二分しそうな場合においても「何故そう思うの?」「こういう観点で考えてみるのはどう?」といった、好き嫌いなどの感情によるコミュニケーションではなく、相手の考えの理由を積極的に引き出し合う風潮が生まれていたと思います。
振り返ってみると、僕はチームの中で「ベクトルが外れそうになった時に、もとの軌道へ戻すアンカー的な役割」だったり「視野が狭くなった時に、別の視点から新たな議論を生み出す役割」が多かったのかなと思います。
Q 100DIVEに参加して、1番良かったと思うポイントは何ですか?
これからの人生も関わりたいと思える人、地域に出逢えたことです。
そう思えた背景として、信濃町の地域窓口を担当された方々の本気度・実直さを感じられたことが大きかったと思います。森林をはじめとする地域資源を愛する気持ちはもちろんのこと、それ以上に、自分たちにとって割に合わないことがあっても、利用するお客さんや信濃町、日本の社会のことを本気で考え、活動している姿が僕にとっては衝撃的でした。「よくそこまでやるな」と、尊敬の念も含め本当に感動しましたし、だからこそ「この人たちの為なら、全力でサポートしたい!」という想いが自然と込み上がりました。
信濃町が持つ地域資源や活動、それに関わる人たちの誠実さに心を打たれ、この先もずっと信濃町に関わっていこうと思いました。
信濃町の事業を通して、日本の国土の2/3を誇る森林を活用した新たなビジネスモデルを生み出し、今の子どもたちが生き生きと暮らせるような未来のきっかけを創っていきたいです!
Q 約3カ月間のプログラムが終了してから、現在に至るまでの状況を教えて下さい
現在は、自分たちが提案したプランの実装および自走を目指すべく定期的にミーティングなどを行っているのですが、正直なところ、とても大変です!
約3カ月間のプログラムにおいてはフリーな立場でプランを作成し進められていましたが、いまは責任を持って進めていく事業化のフェーズへ移行しています。メンバーそれぞれの本業との兼ね合いなど、生活的なバランスもとりながら続けている状態です。
Q 100DIVEへ参加する前と後で、何か変わったことはありますか?
人の意見や考えに対し、耳を傾けるようになったと感じています。
何事も相手と同じ目線になり、自分事にして考えるようになったことも大きいと思います。これからも意識していきたいです。
Q これから100DIVEに参加する方々へ、一言お願いします!
「約3カ月のうちに、自分にとって良い部分だけ地域と関わっていく」という考えで取り組むとなると、それはただの自己満足で終わってしまい、自分にとっても学びが少なくなってしまいます。
地域にコミットするということは、厳しく苦しい面にも向き合うという、強い覚悟が必要だと思います。
それらを乗り越えて良い経験が出来るか、プラスとなるモノを生み出せるかは自分次第です。
頑張って下さい!
インタビュー後記
都市集中型な社会の傾向に疑問を抱き、ご自身の思考や夢をひとつずつ紐解きながらお話して下さった、もっくんさん。
こちらの解釈や言葉のニュアンスが異なった際には、正確な内容をより深く、より本質に迫って伝えて下さる方でした。
「これからの人生も関わりたいと思える人や地域と出逢えた!」という言葉の背景には、もっくんさんの内に秘められていた地域に対する探究心、これまで蓄積されてきた理論やアイデアに紐づく熱い想いがあったのだと思います。
そんな感想を抱きながら、考えさせられるインタビューでした。
もっくんさん、ありがとうございました!
100DIVE 公式サイト
https://100dive.co.jp/
<100DIVE 共同運営> 株式会社さとゆめ 公式サイト
https://satoyume.com/
<100DIVE 共同運営> 一般社団法人ALIVE 公式サイト
https://www.alive0309.org/