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ならいごとの旅

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世界の小さな村を訪ね、保存食や手仕事など昔ながらの知恵を学ぶ旅の記録
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2020年11月の記事一覧

ブータンの60名の農家を訪ねた取材記録~照葉樹林地帯の農耕文化~

前回の世界の発酵講座では、照葉樹林文化地帯の発酵文化と植物民俗学についてお話しさせてもらいました。菌と保存食の関わりは、その地域の土壌と密接な関わりがあり、さらに民族の移動経路と言語学とも関わりが深く、学問の垣根を超えて横断的に俯瞰するととても面白いことが見えてきます。 このエリアの民俗学と食文化に興味を持った原点はブータンでの半年間に渡る調査でした。以前の記事になりますが、ブータンの60名の農家への取材記録です。 ===== ブータンの焼畑ブータンでは、かつて焼畑が行

お歯黒と灰汁から作る古代染色ラボ~発酵と植物と色の研究室~

古代の色を研究するメンバーが自主的に集まった古代染色の実験室をしています。 昭和初期まで使われていたというお歯黒を見たことありますか?乳酸発酵で1ヶ月かけてつくるんですが、歯を染める以外に、むちゃくちゃいい天然の媒染剤なんです。草木染めしたことある人は、天然の媒染剤がほとんどないことに気づくはず。でも染色講座はあっても媒染剤を作る講座はないんですよね。 それを自分たちで研究しながら手作りしようというメンバーが集うマニアックな実験室「古代染色ラボ」が9月に始まり、月一ベース