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装甲騎兵ボトムズに続き


蒼き流星SPTレイズナーも週一配信が開始された。

共に高橋良輔監督の作品。

ボトムズはもとより、レイズナーも当然ロボットアニメファンの間では語り草になっている作品であり、今更ぼくがあれこれと語らずとも、様々な形で熱く語られてきたであろうことは想像にかたくない。

ていうかそもそもレイズナー初見なので、初見なりの感想になってしまうのですが、レイズナーとボトムズに共通する、高橋監督の『ロボット観』みたいなものに、意外な共通点を見いだせたので、書き留めておきたい。

ロボットはコンピュータ制御されている

至極あたりまえの話ではあるのだが、人型兵器のような複雑な機械は当然コンピュータ制御されている。
とはいえ、そういった描写を全面に押し出している作品は、恐らくゼロ年代に入るまではそこまで多くはないのではなかろうか(無論、ガンダムの学習コンピュータなど、折に触れて言及されるような設定部分の話もなくはないのだが)。

話は変わるが、ボトムズのパブリックイメージといえばミリタリー、鉄と火薬といった所ではなかろうか。無論デザイン面や世界観の側面で言えば当然誤りではないのだが、劇中の描写を振り返ると、思ったよりコンピュータ制御の存在が強調されている。

キーワードはミッションディスク

(ぼくの記憶が確かであれば)クメン編の途中あたりから登場するこのワードは、ATの動作パターンなどの制御プログラムが記録してある差し替え式のディスクのことである。ミッションディスクの内容が良くないと強敵に太刀打ちできないなどの描写があり、劇中にはキリコが手ずからプログラミングを行い、PSとの戦闘に備えるシーンがある。

ロボットアニメにおける制御プログラムの書き換えといえば、ガンダムSEEDにおいて、キラ・ヤマトが行ったストライクガンダムのOS書き換えが記憶に新しいことだろう(新しくない?そんな馬鹿な)

装甲騎兵ボトムズは、83年の作品でありながら、ロボット兵器のコンピュータ制御に関して、明確なビジョンをもって演出を行った作品であると言えるだろう。(余談ではあるが、ファミリーコンピュータのデビューも83年、恐らくこの辺りの年代は、コンピュータやプログラムに関しての関心が高まった時代であっただろうと推測される)

より未来的なマシンであるレイズナー

ボトムズにおけるロボットのコンピュータ制御描写を踏まえて、蒼き流星SPTレイズナー(85)における主人公機、レイズナーの操縦描写について見ていこう。
見た目から既にスコープドッグの10倍ぐらい性能が高そうなこの機体は、どのようにして動かされているのであろうか?

意外!それはAI制御!!

レイズナーの劇中において、操縦者のエイジは、レイズナーに備えられた対話型のAIの補助を受けながら操縦を行っている。
特段エイジが戦いの素人であるような描写は見受けられないので、恐らくレイズナーの世界では一般的な操縦法なのだろう。
レイと呼ばれるこのAIは、戦闘中に音声入力で頻繁に敵機のデータ検索や地形分析を行い、パイロットに適切な戦術指示を行う高度な性能を有している。
その指示は無論『最適』であり、物語序盤で敵機をなるべく撃墜せず行動不能にしたいエイジの思惑に反し、エイジを大いに苦しめるのだが……


共通する『コンピュータ制御されるロボット』に対するこだわり

時代ごとの描写のアップデートがあるとはいえ、ボトムズ、レイズナーの2作に高橋監督の『精密機械を制御するというリアル』に対するこだわりが読み取れた。
特にレイズナーには昨今のコンピュータテクノロジーにおける先見があったのではなかろうか。
こういった面に注目して作品を追ってみるのも面白いのではなかろうか。

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