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メディア酔談 (令和2年8月21日配信)の視聴メモ(まとめのようなもの)

1.赤木さん裁判報告

 赤木俊夫さんの身に起きたことの真相解明につながる国賠訴訟と共に公務災害による個人情報開示請求訴訟を始めた。

 発端は、妻雅子さんが夫俊夫さんの公務災害を認める決定をした文書について開示を求めたところ、開示された人事院の文書は、黒塗りばかりのいわゆる「のり弁」であった。

 人事院では明らかにすることが出来ないのならばと、俊夫さんの勤務先である財務省近畿財務局に同じく明らかにするように求めたところ、新型コロナウィルス感染拡大を理由に1年後に開示したいと連絡が来た。

 通常の開示請求は30日以内で回答する。多忙であっても60日以内。
いくらなんでも1年はないだろう。

 しかも一般的な文書開示請求ではなく、遺族の求める個人情報開示請求。
これも明らかにして欲しいということで、個人情報開示請求訴訟を起こした。

 通常の裁判では、原告側の意見陳述については、訴状に訴訟に至った経緯などが記載されているため、あえて裁判所が原告に対して意見陳述を認めることはあまりないとのこと。

 だが、裁判所が意外なことに「意見陳述しますか?」と聴いてきた。
もちろん、「意見陳述します」と回答する。
本人が意見陳述するならと、裁判所が大法廷にしてくれた。
 社会的に注目の集まる公判だけに、裁判所が配慮している様子。


「桂米朝五年祭 米朝まつり」8月19日(水)~21日(金)まで、大阪の朝日生命ホールその次は大阪のサンケイホールブリーゼで行われる。

 赤木俊夫さんは、落語にも造詣が深く、特に桂一門の桂佐ん吉さんの独演会に足を運んでいて、感想も寄せていた。
 その桂佐ん吉さんが、週刊文春に載った赤木さんのメモを見て、自身の名前がメモ帳のカレンダーにあるのを見つけた。そういった経緯でお誘いがあって赤木雅子さんが落語を先日見てきたとのこと。
 久々に来て良かったとのことでした。

2.現場記者と語るジャーナリズムの問題(本題)


悩めるジャーナリストに聴く
お一人目、某局の若手記者
田中(仮名)さん
保育園問題の取材で境さんと会ったことがある方、30歳代
組織の目指すものと、ご自身の目指すものが異なるという悩み

常に自分のやりたいものを追っかけることができないと思うが、どうされていたのでしょう。

相澤さん

組織(NHK)にいたときは意外とやりたいものがやれてしまった。
自分の持ち場がある守備範囲はきちんと守る(給料分の仕事)があるのが通常の記者。

遊軍(持ち場をちゃんとこなすなら好きなことをやっていい)というもう少し自由度のある記者もいる。(日航機墜落事故を題材にしたドラマ及び映画「クライマーズ・ハイ 」に登場する、大きな事件事故の際などに応援される記者のことだと思う。非常時はそうだけど、日常はどういうポジション?)

事件を発端として、自分がこれは深く取材したいと思うことを掘り下げて取材していた。激務はそう長く続けさせないもの、通常は配置転換がある。
マスコミは勤め人、特ダネを求められる。報道機関は特ダネが必要とされる。

特ダネを取ってこれることは組織内での評価が高い。
世の中には、意味の無いことがある。でも、何のために必要か判らないようなものでも売れれば儲かる。だから必要になる。
読売、産経は体制寄り、朝日、毎日は反体制は主義主張ではなく、どちらの思想の人たちに向けて商売していると考えた方が良い。

田中さん

普段の仕事は我慢代として給与をもらう。でも、時々はやりたいことが出来てなんとかつなぎ止めている。
我慢代はちょっと言い過ぎかもしれない。命じられた仕事でも自分なりに味付けしている。
今後の先行きが不透明なのが不安。
番組としても部署としてもスクープは評価が高い。
会社としてはスポンサーを取ることが至上命題。
スクープがそれに対して何かしらの効果を出すわけではない。
スクープは会社内の評価だと思う。

相澤さん

笛美さんが「記者にとってのスクープと広告屋に取っての広告賞って似ているのかな」とチャットに書いている。感覚的にはそう。これはすべての分野に通じることだけど、よくやったねという褒めてもらう一つの指標になっている。(スクープや特ダネが)報道機関の中でね。

境さん

それは非常に分かり易い。広告屋でも賞を取って言われがちだけど、
「賞なんて取っても関係ない」と言われる。クリエータームラでの評価でしかない。

お二人目、某全国紙の記者
鈴木さん(仮名)
1分1秒のスクープは嫌だなぁ、直属の部長に呑んだ席でハッキリと言った。
すると上司は「時間をかけて記事にしたものと比べたら1分1秒のスクープの方が評価しやすいじゃないか」と言われた。

相澤さん

森友事件の際は、検察情報を一刻も早く情報をとってくることに関しては、組織(NHK)の要請もあって喜ばれたが、なぜそのようなことが起きたかという本質的なことを掘り下げたら、組織は喜ばなかった。
組織内で評価される1分1秒を争うネタに終始してしまっては、事の本質については触れられず、世の中が動く様な報道も無い。
それは、つまり読者視聴者を置いてきぼりにした報道であり、すごく良くない傾向だと思う。1分1秒を争うネタで報道機関同士が勝った負けたに終始すること無く、報道に当たる人間として、世に問うような報道も取り上げることの出来るような記者の矜持を持ち続けたい。

境さん

読者視聴者が求めるものは何なのかということを報道ムラは、振り返る必要があるのではないかと思う。(境さんは、特ダネやスクープに何の意味があるのかという立場)


相澤さん

(Youtubeのスーパーチャットに流れる視聴者の書き込みについて、気になることを語る。)

森友のことに関して関西生コンや同和問題も全く関係がない。これはプロが調べて何も無いから何も言わない。報道しないということは意味が無いということだとなぜ気づかない、思わないのだろう。
独裁国家ではないから、多種多様な報道機関がある。ある社が報道しても、他の社が報道しないことはある。(1社が報じても、追従して報じたりしないこともあるということを述べているのだと思う)

マスコミは実はどこもちゃんとやっている(取材や裏取りなどのことと思われる)しかし、そういうことが起きてしまうのはマスコミは信頼されていないから。それは、特ダネ、実名匿名報道だったり・・。ちゃんと報道機関が説明しないからいけない。

鈴木さん

正面切って上司に当たったら、あるとき組織で出世コースから明確に降りたら1分1秒のスクープでは無い、自分らしい切り出し方が出来るんだなぁと思ったらとても楽になった。

相澤さん

個々の記者の思想信条は違う、あれは商売であって、個々人は全く違う。
朝日新聞の記者にも極右的な思想の人もいれば、読売新聞に左翼的な思想の人もいる。どこの記者では無く、その人を見て欲しいと思う。
マスコミは信用を失っている。マスコミが信用を取り戻すには説明責任を果たすことが必要。

3.締め

(1:18:02~)
メディア密談(第2回)の告知、100人限定、参加費750円で行う。
Zoomのウェビナー形式※

※前回の例と同様に行われる前提ですが・・。
パネルディスカッション的な感じ、最初に登壇しているのは司会者と前回はゲスト(笛美さん)今回は不明。その他は聴衆となり、他のメンバーにはご自身の画像も音声も届きません。ただし、どなたもチャットの読み書きが行えます。
後で司会者が手を挙げた人をパネラーとして登壇させ、討論する形式です。

(1:20:05~)
メディア酔談村(仮称・案)を設立して、CAMPFIREcommunityを利用して月会費制で支援しつつ境治さんと相澤冬樹さんとの交流が図れるシステム構築の案についての説明。
参加特典
(1)「メディア密談」に参加できる
(2)Facebookグループに参加できる
(3)あと、何がいい?

良い案がありましたら、境治さんまでご連絡ください。

4.最後に

上手くまとめきれていないところがありますので、ご指摘頂ければと存じます。

メディアの現状と今後について2週に渡って、現場の声や課題など拝聴することができました。メディアという巨大で多額のお金がかかるシステムを私達読者、視聴者である市民が「知りたい」情報をいかに取材、報道してもらうようにしていくにはいろいろと考えることが沢山あると思いました。


令和2年8月22日 23時15分 不足内容や誤記の加筆修正
なお( )内は、筆者の推定の含まれるメモです。記事に登場する出演者個々人の発言は、筆者が要約しており、正確に文字おこししたものではありません。ご了承ください。