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バイバイ、また明日

最近暑い日が続いてる。
もう8月がやってくる。
最近、月日の流れがすごく早くて。
特に今年は「もう8月かぁ」という感じがしてる。

私にとって。
8月は少しだけ特別。
大事なことを改めて思い出す日があるから。

いや、正確にはいつでも覚えてるんだけど。
ただ、8月は特別。
そんな感じかな。

先にお断りしておきます。
今回ここに書くことは。
ちょっとマジメなお話です。
そういうの苦手な人はここで引き返してください。

ひとつの出来事について。
自分の中にしっかり区切りをつける意味で書いていきます。
決して忘れたいわけじゃなくて。
たくさんの方々のおかげで、抱えたままでもちゃんと前に進んでいく自信が持てたから。


マジメな空気は苦手です。
でも、今日だけはマジメに書きます。



明日また会えることが、どれだけ素晴らしくかけがえのないことか。
私がそれを心に刻み込んだ、そんなお話。



「バイバイ、また明日」

明日からは大型連休。
少しうかれた空気が漂っていた。
そんないつもの夏。


まだ私が音声配信の世界に出会う前のこと。
なんでもない日常がそこには転がってた。


当時、同じ職場に1人の友人がいて。
お互いにバンドをやっていたということもあり、知り合ってすぐ意気投合した友人だ。
今思えば本当にくだらない話ばかりしてたけど。
二人ともシリアスな空気が苦手だったから、考えてみれば真面目な話をしたことがほとんどない。
でも、なんでも気軽に話しあえる、そんな人だった。

その日は明日から休みということもあって、連休中に何をするかとか、帰省の土産は何がいいかとか、相変わらず他愛ない話ばかりしていた。
私の仕事が長引いてしまい、結局2人で残業した夜。
いつもなら「このままラーメンでも食べに行く?」
という流れだけど、この日は私も予定があり、友人にも予定が入っていたので、おしゃべりはほどほどのところでお開きにした。

お互いの車に乗り込む前に。

「バイバイ、また明日ねー」
いつものように声をかけた。
次の日は休みだという会話をしたばかりなのに、ついいつも通りの言葉をかけてしまうと。
「だから明日から休みだってw」
笑いながらそんな言葉が返ってくる。
本当にいつも通り。


それが最後のやりとり。

次の日からもう。
2度と会えなくなった。


あまりにも突然のことで。
最初は全く理解できなかった。

たぶん、人生でいちばん泣いた。


夏は毎年、高校球児が熱い戦いを繰り広げている。
休み明けにはそんな話で盛り上がるだろうなと思っていた。

湧き上がる歓声、力いっぱいの応援の声、白熱する実況、バットが奏でる高い音。

テレビの音が部屋に響く中。
ただただボーっと過ごした、そんな夏。


もう一緒に笑うこともできない。
くだらない話をすることすらかなわない。
心の準備なんて全くできていなかったし、そんな事実を突きつけられる日がくるなんて想像もしていなかった。



数日前に、少しこじれた人間関係を抱えているのも聞いていた。
私も友人もその話から逃げてた。 
2人ともマジメな空気が苦手だったから。

逃げた結果、もう聞いてあげることすらできなくなった。
もし逃げずに話ができていたら。
何か変わってたのかな。

もしあの日。
一緒にラーメンでも食べていたら。
もしあの日。
私が残業なんかしなければ。
もしあの日。
1日の流れが何か一つでも違っていたら。

もしあの日。
もしあの日。


その思いはずっと消えない。

後悔は果てしない。
戻れないこともわかってる。
でも心底時を戻して欲しいと思った。


そんな夏から少し時は過ぎて。

今。
本当にありがたいことに、たくさんの方々のおかげで私は幸せに生きてる。
あんな出来事があって、仕事もうまくいかなくて、時には「このまま消えてしまってもいいかな」なんて考えたこともあったけど。
その選択をしなくて本当によかったって、心から思える。


私にとって「また明日」のひとことは。
私と出会ってくれたみんなへの願い。
この日から特別な言葉になった。


また明日出会えることが、当たり前ではない、特別なことだって知った。
もちろん、命は尽きるもの。
どれだけ願っても叶わない日は来るかもしれない。


それでも。
そんな日は出来るだけもう来てほしくないなぁ。
そう願わずにはいられない。


毎日懸命に生きたいって思う。
できるだけ後悔しない選択をしたいと思う。
全てがうまくいくわけではないけれど。
「あの時こうしていれば・・・」
なんて思っても、取り返せないことがあるって知ったから。

もっと生きていたかっただろう友へ。
大丈夫。
忘れるわけじゃないよ。
今はもうしっかり抱えて生きていけると思う。

そしていつか旅立つ日が来たら。
またお酒でも飲みながらバカな話でもしたいね。
手土産に、大好きだと言っていた京都の日本酒でも持っていってあげるよ。

当たり前の日々はとても愛おしく幸せなもの。
だからまた明日。
大好きな人達に変わらず出会えることを願ってます。








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