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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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2017年2月の記事一覧

読書の記憶 四十八冊目 「学研まんが ひみつシリーズ」

先日、古本屋に立ち寄った時の話。子供向けのコーナーに「学研まんが ひみつシリーズ」の一冊を見つけた。手にとってみた。装丁こそリニューアルされていたものの、中身は僕が子供のころに読んでいたものと同じだった。あまりの懐かしさに、その一冊だけを購入し、いそいそと帰宅した。自宅に着いてから1ページずつ、ゆっくりとめくっていった。自分でもおどろくほど、内容やイラストを覚えていた。 ああ、そうだ。こんなイラストで、このセリフだった。うんうん、そうだ。確かにこうだった。と、ひとつひとつ確

読書の記憶 四十七冊目 「私の個人主義 夏目漱石」

予備校に通っていた時の話。現代文の授業の中で「アイデンティティ」という語句についての解説があった。細かな部分は忘れてしまったのだが「このアイデンティティという概念は日本にはないため、正確に解釈することは難しい。おおむね『自己を定義することがら』というニュアンスで考えておけばよいだろう…云々」というような内容だったと記憶している。 解説を聞いても腑に落ちないところがあったので、同じ授業を受けていた友人に聞いてみたところ「なんだか、わかるようで、わからない」という返事がかえって