見出し画像

『釣り好きの少年』 (小説)

彼が堤防近くを歩いていると、すぐそこでアジの群れが泳いでるのを見つけた。

すぐに彼は、持ち物を地面に置き、釣り竿を準備した。息をつく暇もなく餌を付けて釣りを始めた。

衝動的に釣りをしたものの、彼は内心呆れていた。
「アジの群れってのは、何も考えずにバクバク食いついて釣れ過ぎてしかたがない。」

「ほら、もう釣れた」と彼は言った瞬間、驚いた。
どう考えてもアジの引きじゃない。

「こりゃ、大物だ!!」
頑張って糸を巻くも、引きが強すぎた。
彼はバランスを崩し海に落ちた。

ザッブーン!
陸上がろうと目をひらくと、そこには怪物がいた。
アジの群れだと思ったのは、怪獣のウロコだったのだ。バクッ!辺りは一瞬赤くなり直ぐに元に戻った。

欲に釣られたのは少年の方だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?