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「何者」を読んで”ハッ”とした話

こんにちは〜サトシです。今回は朝井リョウさんの「何者」を読んで思わず”ハッ”とした話を書こうと思います。

みなさんはこの作品を読んだことありますか?「直木賞」を受賞した作品で映画化もされています。就職活動の学生と現代社会に焦点を当てた作品で作中に出てくる人物と同世代ということもあり親近感を持ながら読むことができました。是非僕と同世代の方には読んで欲しいですね、面白いですよ。みんな思うところがあると思います。

刺さったところ

この作品はTwitterが重要な役割を担っている作品なのですが、こんな文章があります。

ツイッターやフェイスブックが流行って、みんな、短い言葉で自己紹介をしたり、人と会話するようになった。だからこそ、その中でどんな言葉が選ばれているかが大切な気がする。

主人公のセリフです。SNSが主流の時代。限られた文字数の中で自分を表現するようになった。短い言葉で伝えなければならないから、相手と齟齬をきたさないようにすることが大切、より意味のある言葉を伝えることが大切という風に僕は解釈しました。

一方、そんな主人公の言葉に対して、こんな意見が出てきます。

「俺それは違うと思うんだ」
「だって、短く簡潔に自分を表現しなくちゃいけないんだったら、そこに選ばれなかった言葉の方が圧倒的に多いわけだろ。だから、選ばれなかった言葉の方がきっと、よっぽどその人のことを表してるんだと思う」
「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」

いや、もう、まさに。腑にしか落ちん笑

SNS社会。ツイッターのたった140文字の世界で、この人はこういう人間だと判断してしまっている自分に気づかされました。たった140字しかないからこそ、人から見て良い印象を持たれる自分を作っているのかもしれない。ツイッターで水掛け論や炎上が起こるのも140 字の裏側にある人の思いを想像できないからだと思います。他者や意見の”良し悪し”を決めるのにたった140字で判断するには情報量が足りなすぎるし、何より僕たちはそんなに偉くない。

やっぱり「想像力」って大切ですよね。人間関係がオフラインからオンラインに広がりを見せている現代にこそ、画面の向こうにいる相手の気持ちを想像することも大切になってくるのだと思いました。


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