ラーメンは生涯かけてやる価値のある仕事だ。



実は、個人のラーメン屋さんには未来があるんじゃないかと僕は思っています。ラーメン屋さんって仕込み商売と言われますが、その仕込みを集約することで業務が合理化されるのです。その結果、ラーメンを作ること自体は一人でもできるので、小さい店を借りて安いコストで運営することが可能です。これこそ、自分の人生をかけるに値する商売だと思っています。

しかも、自分が作ったラーメンが目の前でお客様に喜ばれるなんて、最高の商売ですよね。だから、組織での仕事が苦手な人や、世の中に何か関わりたいと思う人、一杯のラーメンで誰かを幸せにしたい人、世の中を少しでも良くしたい人たちに向いている商売だと思います。

具体的には、繁華街でもちょっと奥まった立地に出店し、キッチンにあまりこだわらなければ、重い投資なしで運営できます。以前、金沢で訪れたラーメン屋さんでは、80歳のご老人が6席から8席のお店を経営していました。話を聞くと、1日50杯から100杯くらいラーメンを出していて、それでも息子2人を東京の有名大学に進学させる立派なお父さんでした。こんなに素晴らしい商売はないと思いました。そして、今でも常連に囲まれ、80歳を超えた今でも喜んで仕事ができる、そんな素敵な商売だと思います。

昔は300杯、500杯、1000杯売るラーメン屋が多かったですが、今はライフスタイルの変化とともに色々なラーメン屋さんが増えています。その中で、どうやって個性を出し、お客様に喜んでいただくか、本当に無限の可能性があります。

私は今、サンフランシスコのシリコンバレーのど真ん中にいますが、ここから世界的なサービスがたくさん生まれているのを見て、世の中には色んな素晴らしい商売があると感じています。ラーメンを通じて、そういう素晴らしい仕事をする人が一人でも増えるかもしれないと考えると、ワクワクドキドキが止まりません。

今だから話せますが、ラーメン凪サンフランシスコのお店には、FacebookやGoogleの創業者が訪れたことがあります。彼らも飯を食うんだなと実感し、最高の一杯を出そうとチームで思った日々がありました。本当に最高です!

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