〜3月16日

病気の白い指こそ詩をすすめていく。ことばをつねに、洗面器の水に浸そうとするから思い出の頭痛、その一つ一つが、素数になって水面に浮かび上がってくる。いつかわたしの、ささやかな失禁のはなしをしたい。青空を、脇にはさんだまま、5月の水田を、嘔吐する。砂鉄を、出産するのはいつになるのか。

砂浜をあるく。砕いた星を、踏んでいる。船は、以前を、積んでいる。綱をもやう。散文を、過去に向かって綴る。そんな名前が、永遠につかない行為の微熱で、訴訟をおこす。清潔に、ただ在るというだけで一方的な、罪をかぶせてほしい。自分につく嘘。異性特有の、病気ばかりみとれて、何も進まない。

それだけで木のスプーンを使う理由にはならない。信仰を置き忘れていい日。鉛筆と植物で、手紙を過ごす。轍のの花が、いつ散るかで賭けをする。朝と夕、想像のなかで虐待してもいい。そんなふうに哲学も売ろうとする。忘却のための吐息が、主語になりはじめたら、めまいをひき連れた信仰にもどる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?